柿は日本や中国を原産としています。柿は秋の味覚の一つであり、栄養が豊富なことから「果物の王様」と呼ばれています。
また、その豊富な栄養から「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺さえあります。
Table of Contents
柿の栄養
柿にはビタミンA、ビタミンC、βクリプトキサンチン、カリウム、タンニン、食物繊維が豊富に含まれています。
果物の王様と言われる柿には次の健康効果に期待があります。
|
ビタミンCによる様々な健康効果
ビタミンCには抗酸化作用、美肌効果、アルコール分解、NK細胞活性化、鉄分吸収促進作用等、沢山の働きを持っています。
柿にはビタミンCが豊富に含まれ、その含有量はみかんの2倍となります。
便秘解消
柿の食物繊維は主に不溶性食物繊維が含まれています。
不溶性食物繊維は善玉菌の餌となって腸管内を善玉菌優位にします。
水分と一緒に摂ることよって便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促して便の排泄を促します。
抗酸化作用による循環器疾患予防
柿にはビタミンAも含まれ、ビタミンCとともに抗酸化作用があります。
その為、活性酸素の産生を抑制することによって過酸化脂質の増殖を抑え、血管壁が傷つくことを抑える為、血管内のアテローム形成予防により、動脈硬化や心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防効果があると言われます。
美容に良い
抗酸化作用には紫外線から肌を守る働きがある為、シミやしわ、たるみを予防する働きがあると言われます。
ビタミンCにはシミやそばかすを目立たなくする働きがあり、ビタミンAには皮膚を若返らせる働きがある為、アンチエイジング効果に期待があります。
また、ビタミンCにはコラーゲン生成に関わることから、このような美肌効果を相乗する上に、皮膚の傷や創傷の治癒を早める働きがあることが言えます。
癌予防
抗酸化作用には癌予防効果があり、ビタミンCにはNK細胞を活性化させる働きがあると言われます。
柿に含まれているβクリプトキサンチンはカロテノイドの一種でありファイトケミカルでもあります。
βクリプトキサンチンにも癌予防効果があり、柿には癌予防効果があることに期待が持てます。
高血圧予防
柿にはカリウムが豊富に含まれます。カリウムはナトリウムと共に電解質の均衡を図り、細胞を正常に保つ働きがあります。
柿にはタンニンも含まれ、カリウム同様に体内に余分に溜まったナトリウムを排泄する働きがある為、血圧を正常値に調整する働きがあると言われています。
このほかにも浮腫み改善や血流促進に良いとされています。
胃腸トラブル予防
柿に含まれるタンニンには消炎作用や収斂作用があると言われています。
柿の実に黒い細かい斑点のようなものがありますが、これはタンニンが含まれていることによってくすみのあるオレンジ色の実となっているのです。
この黒ずみ作用のタンニンには胃腸のトラブルに良いと言われています。
目の機能維持
柿にはビタミンAやカロテノイドが豊富に含まれます。
ビタミンAは目の光刺激反応に大事な役割があり、ロドプシン合成に必要となります。
ビタミンCは加齢性黄斑変性症の進行を抑制するとのことです。
肝機能向上
柿に含まれるビタミンCにはアルコール分解を促す働きがあり、タンニンには二日酔いを改善する働きがあるとのことです。
その為、柿には肝臓を守る働きがあることが言えます。
生柿と干し柿の栄養の違い
柿は生柿と干し柿で含有されている栄養素が変わります。
因みに生柿として食されているものは「甘柿」であり干し柿には「渋柿」が用いられます。
柿は干し柿にするとビタミンCの含有量が大幅に下がり、100分の1位まですくなくなってしまいます。
ビタミンAと食物繊維については、干し柿の方が若干含有量が増えます。
お茶として
柿は葉の部分も活用することが出来ます。柿の葉は「柿の葉茶」として飲用されますが、ビタミンCの含有量が緑茶の20倍ものあるといわれます。
また、ノンカフェインの為、夜に飲んでも睡眠を妨げることがありません。
柿の葉茶にはタンニンが含まれます。
タンニンには抗菌効果、抗酸化作用、解毒作用、脂肪吸収抑制作用、下痢の予防といった効果に期待があります。
注意点
「果物の王様」と言われる位、栄養豊富な柿ですが食べ過ぎも禁物です。
柿は身体を冷やす特徴がある為、食べ過ぎてしまうとお腹を壊したり、身体を冷やしてしまいます。
タンニンの過剰摂取に注意
タンニンは身体にとってマイナスの働きもあります。
タンニンには便を固める働きがある為、摂り過ぎは便秘の原因となってしまいます。
タンニンには鉄の吸収を阻害する働きもある為、飲みすぎると貧血を起こす場合があります。
また、元々貧血気味の場合は、柿の葉茶の摂取を控えた方が良いでしょう。
体温低下、免疫力低下
柿は高血圧予防に良いと言われますが、食べ過ぎは身体を冷やすこととなり、冷えによって血流が悪くなり、体温低下や浮腫みの原因にもなりやすいです。
身体が冷えることは体温低下にも繋がり、免疫力は体温が1度下がるだけでも大きく変わってしまいます。
婦人科系トラブル
柿は身体を冷やすことから、食べ過ぎることは婦人科系のトラブルを起こすことにも繋がります。
身体の冷えはホルモンバランスを崩すことに繋がり、月経不順や生理痛などの症状をひき起こすことがあります。
妊娠中の場合、妊娠糖尿病や高血圧症、子宮筋腫、腰痛などのトラブルを起こす場合があります。
胃石
柿は食べ過ぎることによってタンニンと胃酸が結合して「胃石」という石のような塊が胃の中に出来てしまいます。
滅多に見られない症状ですが、胃石によって胃が痛められて胃潰瘍が出来てしまったり、小腸に移動することによって腸閉塞を起こしてしまうことがあります。
消化器系疾患やトラブル
柿は食物繊維が多いことから消化器系疾患を起している場合は摂取を控えましょう。
腸閉塞を起している場合は、腸の神経機能障害や腸管の狭窄が見られ、食物繊維を摂取すると、腸管を詰まらせてしまう場合があります。
腸管が詰まってしまうと、腹部膨満や嘔吐等の症状を呈する場合があります。
胃や腸に炎症が起こっていると、食物繊維によって症状が悪化する場合があります。
柿は消化があまり良くない上に身体を冷やすので、お腹の調子が良くない時は食べるのを控えましょう。
腎機能悪化時
柿は、カリウムが豊富なことから、腎不全が進行している場合も摂取を控えましょう。
腎不全が進行して腎機能が低下すると、腎臓の排泄機能が衰え、カリウムが体内に蓄積しやすくなります。
カリウムの蓄積は不整脈の原因となり、腎性心不全に至ることさえあります。
果糖の摂りすぎによる脂肪肝
果物には果糖が含まれる為、糖分を含む食品の中では比較的血糖値を上げにくい一方、肝臓に貯蔵すると言う特徴があります。
この果糖を過剰摂取してしまうと、肝臓への貯蔵量が限界を超えてしまい脂肪が沈着することによって脂肪肝に罹患してしまいます。
糖化
果糖の摂り過ぎは糖化の原因となり、身体のあらゆる部分を傷付けてしまいます。
そして、身体の内側だけではなく外側にも「老化」という形で身体に劣化を起こしてしまいます。
まとめ
柿の栄養についてまとめます。
|
柿を食べる時は1日1個を限度にすると良いでしょう。
果物の王様と言われる柿は、ビタミンAやビタミンCの摂取源になりますが、摂りすぎによるデメリットも数々あります。
適正量を守ることが健康効果を得ることの近道となります。
柿は1個あたり約80kcalであり、糖尿病の食事療法の観点からも、柿は1日1個が適量とされています。