刺身の妻に付いているしそは苦味が強く、残すことも多いでしょう。
しそは栄養価が非常に高い食品です。
栄養価が非常に高いということは健康効果も期待が大きいのです。
しそというと緑色のイメージが強いですが、本来のしそは赤しそを指します。
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しそは「紫蘇」と書く
しそはシソ科シソ属の一年草であり、ヒマラヤやビルマ、中国が原産です。
しその種類には赤しそ、青しそ、ちりめんしそ、ちりめん青しそ、まだらしそ、片面しそがあり、そのうち食用と用いられているものは赤しそと青しそです。
しそは青しそのイメージが強いですが、青じそは変種であり、赤しそのことをさします。
しそはシソニンと呼ばれているアントシアニン系の色素が含まれています。
しそは元々「紫蘇」と呼ばれ、その呼びがなから「しそ」と呼んでいますが、その後源は食中毒で倒れた若者に煎じて飲ませたところ蘇ったことから「蘇りの草」と名付けられたそうです。
そして紫という漢字が使われているのは葉の両面が赤紫であることからしその名称に使われるようになったそうです。
赤しそは主に梅干しや紅ショウガの色付けに使われ、青しそは刺身のツマとして殺菌目的に付け合わせられています。
しその栄養
しそは非常に栄養豊富な食材です。一度に食べる量は僅かですが、それでもしそからの栄養成分を適度に摂ることが出来るのです。
しそにはβカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛等、ビタミン類やミネラル類が豊富です。更にαリノレン酸、ベリルアルデヒド、ロスマリン酸、ルテオリンも含まれています。
しそはこのように栄養成分が豊富であることから次のような健康効果に期待があります。
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目の健康を保つ
しそに多く含まれる成分の一つにβカロテンがあります。βカロテンは体内に入ると
ビタミンAに変換され、中央開裂によってレチナールとなって体内に取り込まれます。
レチナールは網膜細胞の保護作用や視細胞における光刺激反応に関わります。
そしてビタミンAはビタミンB2とともに粘膜の生成に関わります。
これらの作用によって目の充血や疲れ、涙目を改善し、白内障を始めとする目のトラブルを予防すると言われます。
更に赤しそにはルテインが含まれている為、視力低下や白内障、加齢性黄斑変性症の予防にも役立てます。
循環器疾患予防
しそにはβカロテン、ビタミンE、ビタミンC、ポリフェノール類が含まれる為、抗酸化作用があり、過酸化脂質の生成を抑制する働きがあると言われます。
この作用によって酸化したLDLコレステロールや中性脂肪が血管を傷つけることを予防し、血管内にアテロームが形成されて動脈硬化が起こることを防ぎます。
しそにはオメガ3脂肪酸であるαリノレン酸が含まれています。オメガ3脂肪酸には、全身の細胞の柔軟性を高め、細胞間の情報伝達や栄養補給を円滑に行えるようにして、全身を健康的に維持すると言われます。
オメガ3脂肪酸には沢山の効能があり、その一つとしてHDLコレステロールを増やして、LDLコレステロールを減らしたり、血圧を下げる働きがあると言われます。
これらの効能によって高血圧や脂質異常症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防に良いとされています。
感染症予防
しそに含まれるポリフェノールのうち、ベリルアルデヒドは香り成分となり、ロスマリン酸及びルテオリンは色素成分、ポリフェノールの強い抗酸化作用は殺菌作用があると言われます。
しそが魚料理によく使われているのは臭い消しや食中毒予防を目的としているからなのです。
これらに加えてビタミンCやビタミンA、ビタミンB2による粘膜形成によって感染症予防に期待があると言われます。
若返り?
しその抗酸化作用は紫外線から肌を守り、シミやしわが出来ることを予防すると言われます。しそにはビタミンCが含まれ、コラーゲン生成に関わる上、しみやそばかすを目立たなくする働きがあります。
また、亜鉛や鉄分が皮膚の形成に関わる為、肌のターンオーバーを促します。
このようなことからしそには若返り効果があることが言えるでしょう。
癌予防
しその抗酸化作用は免疫力を付けることによって癌予防効果が期待出来る上、しそに含まれるビタミンCがNK細胞を活性化させる働きがあると言われます。
しそには癌予防効果に期待できる食品であることが言えます。
肥満予防
しそにはビタミンB1、B2、B6、ナイアシンといったビタミンB群が含まれ、三大栄養素の代謝に関わっています。
糖質や体脂肪がエネルギーとして利用される時にビタミンB群が関わるとエネルギーとして利用される為、運動時における疲労を抑制します。
しそに含まれるオメガ3脂肪酸のαリノレン酸には脂肪燃焼を促すとのことです。
ビタミンB6には筋蛋白の合成作用があり、蛋白質を含む食品と一緒に摂ると、この効能を発揮します。
つまり、筋肉を付けることによってエネルギーを利用されやすい身体となり、太りにくい身体を作ることに期待があります。
しそに含まれるオメガ3脂肪酸のαリノレン酸の効能の一つとして脂肪燃焼を促す働きがあり、ダイエットやメタボの改善に利用するのに適している食材であることが言えます。
夏バテ予防
しそに含まれるベリルアルデヒドは胃酸の分泌を促し、食欲を増進させると言われます。
梅干しと一緒に摂ると、梅干しに含まれるクエン酸や酒石酸、コハク酸、リンゴ酸によって胃液の分泌が高められます。
しそと梅干しの組み合わせは食欲を増進する働きがあることから、夏バテ防止対策にも活用することが出来ると言えます。
鉄欠乏性貧血予防及び改善
しそにはヘモグロビンの材料となる鉄分が含まれ、鉄を非ヘム鉄からヘム鉄へ還元する働きのあるビタミンCによって鉄を吸収しやすくする為、貧血予防効果に関わっていることが言えます。
骨形成に関わる
しそには骨や歯の材料となるカルシウム、カルシウムを骨に定着させる働きのたるマグネシウムが含まれています。
ビタミンKは骨芽細胞を作る為の材料となり、骨の形成に関わるコラーゲンを生成する為のビタミンCもしそに含まれています。
この為、骨粗鬆症予防効果や怪我の治りを早める働きがあることが言えます。
抗アレルギー
しそに含まれるロスマリン酸やルテオリンには抗アレルギー作用があると言われます。
抗アレルギー作用は特にしその実が強いと言われ、皮膚の炎症や痒み、花粉症、鼻炎等の症状を抑制すると言われます。
αリノレン酸も抗アレルギー作用に関わっており、リノール酸との摂取比率を調整することによって、体質劣化を防ぎ、アトピー体質から身を守ると言われています。
漢方薬
しそは漢方薬としても活用されます。
- 紫蘇葉…毒素排泄、自律神経の乱れを整える、消化促進
- 紫蘇子…咳止め、便秘解消
- 紫蘇梗…胃痛緩和、胎動の安定
注意点
しそは抗アレルギー作用作用がある一方、しそそのものがアレルゲンとなることがしばしばあります。
主な症状は口腔アレルギー、子供の場合は蕁麻疹が起こることがあります。
アレルギーの原因が青しその場合、赤しそ、バジル、ミント、ラベンダー、セージ、ローズマリー、オレガノ、タイム等のハーブ類もアレルゲンとなる恐れがあります。
ビタミンA過剰摂取障害について
しそはβカロテン含有量が多い為、ビタミンA過剰摂取を引き起こす心配があるかと思います。
ビタミンAの過剰摂取は頭痛や吐き気、倦怠感、食欲不振の症状の他、奇形児の原因となると言われます。
しかし、植物性由来のビタミンAはプロビタミンAカロテノイドから変換される時に厳密な調整が去れている為、過剰摂取は生じないのです。
その為、過剰摂取障害の心配はそれほどないと言えるでしょう。
まとめ
しそについてまとめます。
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苦くて中々口にしにくいしそですが、パスタとして召し上がると割りと食べやすくなります。
また、巻物の皮部分として用いたり、餃子として調理しても良いでしょう。
揚げ物にしてみても食べやすいですが、揚げ物に使用する油は、且つ製造方法をよく確認し、加熱料理に向いているものを選びましょう。