ごぼうといえば食物繊維が豊富なことで知られています。
ごぼうを食べる習慣がある国は数少なく、日本もその国の一つです。
栄養素量が特に多いわけではありませんが、ごぼうは生活習慣病に多いに役立つ野菜の一つです。
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ごぼうの栄養
ごぼうは水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方が含まれています。
ビタミンB群、ビタミンEがある程度含まれ、この他にもカリウム、マグネシウム、タンニン、クロロゲン酸、サポニンが含まれます。
ごぼうに含まれる不溶性食物繊維はリグニン、水溶性食物繊維はイヌリンです。
ごぼうは料理として使われる他に、ごぼう茶としても用いられます。
ごぼうには次のような健康効果に期待があります。
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腸内環境改善
ごぼうは食物繊維が豊富なことから、腸内改善効果に大きな期待があります。
不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の蠕動運動を促して老廃物の排泄を促します。
水溶性食物繊維は、善玉菌の餌となり、不溶性食物繊維が善玉菌を増やすことを手助けします。
善玉菌は短鎖脂肪酸を生み出し、腸管内のphを弱酸性にします。
腸管内が弱酸性になると、善玉菌が優位になる環境を作り出します。
また、水溶性食物繊維は、腸管内に溜った老廃物に水分を含ませて排出する働きもあります。
そのため、食物繊維は便秘を解消し、腸管に溜まった老廃物を排出させます。
腸内環境が改善されると、美肌効果、ダイエットしやすい身体、免疫力の強化、脳機能の向上等、様々なメリットが得られるようになります。
糖尿病、脂肪肝予防
食物繊維は、腸管からの余分な糖分の吸収を妨げることから、糖尿病や脂質異常症、肥満を予防すると言われます。
また、不溶性食物繊維であるイヌリンは、糖として腸管から吸収されないにも関わらず、食物繊維としての役割を果たします。
イヌリンによっても糖の吸収が抑制され、食後血糖地の上昇を抑制することから、ごぼうは糖尿病予防に良いと言えます。
ごぼうに含まれるクロロゲン酸には、血糖上昇を抑制する働きがあります。
クロロゲン酸には肝臓に中性脂肪が溜まることを抑制することから、脂肪肝の予防にも良いとのことです。
循環器疾患予防
水溶性食物繊維には、血液中の余分な糖分、中性脂肪、LDLコレステロールを排出する働きがあり、イヌリンにもこのような働きがあります。
ごぼうにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれ、クロロゲン酸は脂肪分解酵素の働きを抑制します。
その為、体組織や臓器に脂肪が沈着することを防ぎます。
また、クロロゲン酸やタンニンはポリフェノールであることから、抗酸化作用があります。
そしてサポニンにも抗酸化作用があります。
抗酸化作用によって血液中の中性脂肪やLDLコレステロールの酸化を抑制し、循環器疾患に至ることを未然に防ぎます。
大腸癌予防
ごぼうには抗酸化作用があることから、活性酸素による細胞の損傷から守ると言えます。
また、サポニンにはNK細胞を活性化させ、免疫力を高めます。
その為、癌予防にも良いとのことです。
ごぼうに含まれる不溶性食物繊維のリグニンには、発癌性物質を排出する働きがあると言われます。
特に大腸癌の予防効果に期待が寄せられています。
風邪予防
サポニンには免疫力を高める働きがあることから、風邪等の感染症から身を守ります。
ビタミンEには全身の血流を促す働きがあります。
全身の血流が促されることによって身体が温まり、これによって免疫力を高めることに期待があります。
ごぼう茶として
ごぼう茶は、ごぼうを細かく切って乾燥させ、焙煎させることによって作られます。
ごぼう茶からはクロロゲン酸やサポニン、タンニンからの健康効果が得られる上に、イヌリンが水溶性であることから、食物繊維としての働きを享受出来ることに期待があります。
ごぼう茶を飲用することによって、生活習慣病予防、大腸癌予防、免疫力アップ、冷え性改善に期待があります。
注意点
ごぼうを摂取する際は次の点に気を付けましょう。
腸管トラブル
ごぼうは不溶性食物繊維が多いことから、腸閉塞を起こしていると、却って腸管を詰まらせて、腹部膨満感等の症状を呈するリスクがあります。
また、リーキーガット症候群を起している場合、却って腸管を傷つけてしまうこともあります。
便秘
タンニンは過剰摂取すると、腸粘膜を刺激して排便効果を鈍らせてしまいます。
また、水分摂取量が少ないと却って排便しづらくなってしまいます。
食物繊維が豊富だからといって大量摂取は禁物です。
鉄の吸収抑制
タンニンには鉄の吸収を妨げるという欠点があります。貧血症状が見られる方、鉄剤を服用している方は摂取量を少量に留めておくと良いでしょう。
まとめ
ごぼうの健康効果についてまとめます。
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ごぼうは、栄養素が特別豊富に含まれている野菜ではないものの、食物繊維による腸内環境改善やポリフェノールによる効能に期待があります。
食物繊維が豊富だからと言って大量摂取しすぎても、却って逆効果になる場合があるので、常識的な範囲で摂るようにしましょう。