蛋白加水分解物とは、動物性や植物性の様々なアミノ酸を主成分とした旨味やコクを付ける化学調味料であり、加工食品に良く使われています。
実際旨味を加える化学調味料として利用されていますが、法律上では食品添加物ではなく食品として分類されています。
その理由はアミノ酸液や動物性蛋白質、植物性蛋白質を酸や酵素で加水分解という製造加工によって作られているからであり、これらを総称して蛋白加水分解物と言っています。
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蛋白加水分解物の分類
蛋白加水分解物は原料別に分類すると、肉や魚などの動物の蛋白を原料とした動物性と小麦や大豆などの植物蛋白質を原料とした植物性に分類されます。
製造法ごとに分類すると、昆布やカツオでだしを作る、ラーメンスープを作るときに鶏ガラを煮込むといった「熱水分解」、塩酸を加えて短時間で分解する「酸分解」、酵素の力を利用して短時間で分解する「酵素分解」の3つに分類されます。
酸分解は発癌性が懸念される
この中で、塩酸を加えて分解する「酸分解」は発癌性が疑われる「塩素化合物」を生成するお恐れがあると言われております。
メーカーでも塩素化合物がどの位含有されているかチェックが難しいとのことなのです。
酸分解する時の原料は、動物のくず肉や脱脂加工大豆、小麦グルテンなどを原料にして蛋白加水分解物を作ります。
牛肉には沢山のアミノ酸が結合した蛋白質が含まれていますが、同時に多糖類や核酸、脂肪なども含まれており、加水分解の対象となる原料で含まれる物質に大きく違いが現れてしまいます。
この時、一緒に生成される化学物質に発癌性があるのではないかと疑いが持たれて、人体への影響を懸念されるところです。
クロロプロパノール類とは?
この一緒に生成される化学物質はクロロプロパノール類と言われる化学物質であり、このクロロプロパノールは、意図しないにも拘わらず、食品の製造工程で原料にもともと含まれる脂質から副産物として出来てしまう物質の一つなのです。
これを長期間に渡って毎日大量摂取すると、健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、食品に蛋白加水物を高濃度に加えるのは好ましくないとのことなのです。
クロロプロパノールには「3-クロロプロパン-1」「1-ジクロロ-2-プロパノール(1-0DCP)」「3-ジクロロ-2-プロパノール(3-DCP)」「2-ジオール(3-MCPD)」の4種類があります。
この4種類の中の3-MCPDが発癌性を疑われる物質であり、脱脂加工大豆などの植物原料由来の蛋白加水分解物であるアミノ酸液の中に含まれていることが明らかになっているのです。
ただ、この毒性に関するデータが不足しており、評価が不十分なため、暫定的に1日あたりの耐容摂取量を2ug/kg体重/日としています。
国立癌研究機関では2012年に「3-MCPDについては、ヒトの発癌性に関する証拠はないものの、動物試験の結果では発癌性について十分な証拠があるため、ヒトに対しても発癌性があるかもしれない」とのことを報告しています。
アレルギーの危険性
アレルギーの危険性も懸念され、原料を加水分解する時に使用する酵素が、主に培養した微生物なので、これらに含まれている不純物によってアレルギーが起こるのではないかとされています。
蛋白加水分解物が使用されている食品
この蛋白加水分解物は主にインスタントラーメンやだしの素、スナック菓子、その他あらゆる加工品に使われております。
これらを常食していれば、当然蛋白加水分解物は体内に蓄積され、場合によってはアトピーや癌を誘発する恐れがあります。
また、味覚の点でも野菜や天然だしの旨味が分からなくなり、舌が化学調味料に感化されてしまい、インスタントラーメンやスナック菓子が止められないという悪循環に陥ってしまいます。
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