ハムやソーセージの発癌性の原因と言われる「亜硝酸ナトリウム」

亜硝酸ナトリウムとはハムやソーセージ等の食肉加工品に用いられる食品添加物です。

亜硝酸ナトリウムは発色剤としての役割があり、店頭に並べられているハムはソーセージは、鮮やかなピンク色を呈しているのは、そのおかげなのです。





 

亜硝酸ナトリウムの使用目的

亜硝酸ナトリウムは次のような使用目的で用いられています。

  • 発色剤
  • 風味向上
  • 保存
  • 細菌の増殖抑制

 

発色剤として

亜硝酸ナトリウムはハムやソーセージ、ベーコンの他にもいくらや明太子にも使われています。

いずれも鮮やかなピンク色を放っていますが、亜硝酸ナトリウムを用いないと、商品そのものが黒ずむことから販売促進に繋がりません。

「美味しく見せる」ことを目的として使用されています。

風味向上

亜硝酸ナトリウムは加工食品の持つ風味を活かしつつ、原材料の持つ臭みを消して風味を向上させる働きがあります。

保存料として

ハムやソーセージ、いくらや明太子は動物性食品であることから、元々は傷みやすい食品です。

亜硝酸ナトリウムを加えることによって保存性を高めています。

細菌の増殖抑制

ハムやソーセージを加工する過程においてボツリヌス菌が侵入するリスクがあります。

このボツリヌス菌は非常に毒性の強い食中毒菌であり、熱に強いウィルスです。

感染すると2~3日で命を失うという恐ろしい菌です。

このボツリヌス菌による食中毒の発生を可能な限り抑える為に使用されています。

 

使用基準及び1日当たりの摂取許容量

摂取基準については以下のように厚生労働省で定められています。

亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸根として、食肉製品及び鯨肉ベーコンにあってはその1kgにつき0.0 70gを超える量を、魚肉ソーセージ及び魚肉ハムにあってはその1kgにつき0.050gを超える量を、 いくら、すじこ及びたらこにあってはその1kgにつき0.0050gを超える量を残存しないように使用し なければならない。

参照元…食品添加物の使用基準一覧

1日当たりの摂取許容量は体重1kgあたり0.06mg以下と定められています。

例えば体重60kgの人の場合、3.6mg、体重10kgの子供であれば0.6mgが上限量となります。

つまり、体重60kgであれば60g、体重10kgであれば10gの食肉加工品を摂ると基準値を満たすという計算になります。

たまに1日程度上限量を超えた場合はそれほど身体に支障をきたすことはないそうです。

ただ、長期に渡って摂取すれば身体に蓄積するため、日常的な摂取は弊害に繋がるリスクもあります。

 

亜硝酸ナトリウムは発癌性が懸念される

亜硝酸ナトリウムは原料の肉に含まれるアミンと反応することによって発癌物質に変化することから、発癌性の危険がある食品添加物として見られています。

アミンは第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンの3種類があり、この中でも第二級アミンが発癌性があると言われています。

亜硝酸ナトリウムとアミンは胃の中で反応するとニトロソアミンという物質を産生します。

このニトロソアミンという物質に強い発癌性があることから、食肉加工品の危険の声が挙がっています。

亜硝酸塩ナトリウムは、消化器系に刺激を与え、炎症を引き起こしやすいことから、特に胃腸等の消化器系の炎症を起こすリスクが高いと言えます。

 

まとめ

亜硝酸ナトリウムは発癌性の危険性が疑われていたり、基準値を守っていれば問題ない等、意見が分かれています。

食肉加工品やいくら、たらこ等は一度に食べる量もそれほど多くなく、必ずしも毎日食べているものでもありませんが、長期的に見ると体内に蓄積されます。

出来れば普段から控えておくのが良いでしょう。

また、塩分や脂肪分の関係からもこれらの食品は生活習慣病を引き起こす原因にもなります。

中には毎日のようにソーセージやハムを食べている人もいるかと思いますが、亜硝酸ナトリウムの観点からも、生活習慣病の観点からも、これら食肉加工品の日常的な摂取はあまりお勧め出来るとは言えません。

 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. 4つに分類される「カラメル色素」は出来るだけ避けたい食品添加物

  2. 酵素ドリンクの役割と注意点

  3. 春の七草の一つである「せり」は3~4月が食べ頃