アミグダリンは青酸配糖体の一種であり、レートリルと呼ばれることもあります。かつてはビタミンB17と呼ばれていたこともありました。
アミグダリンは梅、びわ、もも、杏子等のバラ科の植物の未成熟な果実や種子、葉などに含まれます。
アミグダリンは加水分解されるとシアン化水素を発生します。
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アミグダリンの働き
アミグダリンは癌予防効果で注目されていますが、このほかにも、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力調整、抗菌作用、インスリン抵抗性の抑制があると言われます。
アミグダリンの働きをまとめると次のようになります。
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天然の抗癌剤
アミグダリンの作用で大きく注目を集めているのが抗癌作用であり、「天然の抗癌剤」と呼ばれることもあります。
アミグダリンは、βグルコシダーゼという酵素によって分解された時、癌細胞を死滅される一方、正常な細胞を活性化させると言われます。
アミグダリンはベンツアルデヒドによって酸化してから無害な安息香酸に変換され、これによって鎮痛効果をもたらします。
つまり栄養成分による治療によって副作用や痛みを伴わず、癌治療効果に効果的であることが知られるようになっています。
また、アミグダリンには体内をアルカリ性に傾ける働きもあります。
咳、喘息の症状改善
アミグダリンを含む食品を加熱したり、アルコールに漬けたりすると。アミグダリンがベンツアルデヒドに変化します。
ベンツアルデヒドになると、アミグダリンが持っている抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力アップ、抗菌作用を発揮します。
これらの働きによって、咳や喘息の症状改善に期待があります。
免疫力
アミグダリンは、ベンツアルデヒドになると免疫力を調節するようになります。
アミグダリンはTreg細胞の作用を装飾して、免疫系を増強します。
免疫力が増強することにより、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
生活習慣病予防
アミグダリンはインスリン抵抗性を抑えることから糖尿病予防にも良いと言われています。
アミグダリンは血管内の血栓を溶かし、血管を拡大することからも、動脈硬化の予防にも良いと言えます。
アミグダリンがビタミンB群として扱われなくなったのは?
アミグダリンは加水分解によってシアン化水素を発生する為、毒性があることが知られるようになって以来、ビタミン類として扱われなくなりました。
シアン化水素は猛毒であり青酸中毒を起こす危険性があると言われています。
このシアン化水素は特に種の部分に含まれ、成熟した果実の中にも微量に含まれています。
シアン化水素による中毒症状には嘔吐、眩暈、頭痛、悪心、皮膚の蒼白、肝障害、血圧低下、眼瞼下垂、神経障害、発熱、意識混濁、昏睡等の症状を呈し、最悪の場合は死に至る事さえあります。
但し、シアン化水素による毒性は60μg以上摂取した場合に見られるとのことであり、常識的な量を摂る限り殆ど中毒の心配はないと言われています。
過剰摂取が懸念されるのは、癌治療に効果的だからといってサプリメントを過剰摂取した場合に中毒症状を起こす恐れがあります。
また、生の果実を摂取する時は必ず種を残すようにしましょう。
万が一、種を摂取した場合、シアン化水素による症状が現れる場合があります。
もし、中毒症状が見られた場合には、早急に医療機関で診てもらいましょう。
まとめ
アミグダリンについてまとめます。
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アミグダリンはシアン化化合物による毒性が懸念されます。
この毒性による影響を受けないためには、下処理をすることを心掛けておきましょう。