Lカルノシンとはβ-アラニン、ヒスチジンの2つのアミノ酸が融合したジペプチドであり、イミダゾールペプチドの一種です。
生体内では脳や筋肉、神経、筋骨格、水晶体等に高濃度に存在しています。
Lカルノシンは皮膚の創傷治癒の可能性があることが知られるようになってきています。
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カルノシンに期待する効能とは?
カルノシンに期待する効能には次のものが挙げられます。
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Lカルノシンはアンセリンと構造が酷似
Lカルノシンには抗酸化作用、抗糖化作用、抗老化作用を有していると言われます。
Lカルノシンと非情に酷似した構造をもつ物質としてアンセリンがあります。いずれも疲労抑制や活性酸素から守る働きがある成分と言われます。
カルノシンは主に鶏肉に含まれ、アンセリンはマグロや鮭に含まれています。
疲労抑制
Lカルノシンは筋骨格筋をはじめ、身体の細胞の至る所に存在していることから、運動機能に大きく関わります。
Lカルノシンは体内濃度が高い程パワーを発揮し、エネルギー生成時に乳酸の生成を抑え、疲労を抑制します。
Lカルノシンは体内で利用されると消費され、更に加齢によって体内量が減少します。
抗酸化作用
抗酸化作用には血液中のコレステロールが活性酸素によって過酸化脂質になることを防ぎ、血管壁が傷つくことによって動脈硬化や心疾患、脳血管疾患等の循環器疾患予防効果があると言われています。
抗酸化作用には免疫力増強作用によって癌予防効果を得られることに期待があります。
抗酸化作用には紫外線から肌を守る働きがあり、水晶体にもLカルノシンが存在していることから、白内障の予防に期待があります。
また、紫外線から肌を守ることによってシミやしわを防ぎ、老化防止に役立つことが言えます。
抗糖化作用
抗糖化作用には細胞を老化を抑制させることによって肌や髪、骨等全身に渡って老化を防止したり、骨密度が低下することを防ぐと言われます。
糖化を起こしてしまうと血糖値が慢性的に高くなり、糖尿病や癌、高血圧等の生活習慣病に繋がってしまいます。
更に糖化は糖尿病の合併症を引き起こし易くなり、白内障や網膜症、腎機能低下に繋がってしまいます。
糖化によってAGEsが細胞内に蓄積すると、コラーゲン繊維にAGEsが沈着し、不要な架橋を作ってしまう為、しわが増えてしまい老化を促進してしまいます。
抗糖化作用には糖化やAGEsによる老化を抑制する働きがあると言われます。
抗老化作用
抗酸化作用や抗糖化作用にはいずれもアンチエイジング効果がある為、抗老化作用があることが言えます。
脳疲労改善
脳疲労はストレスによって脳内に活性酸素が過剰に蓄積することによって、内側前頭葉皮質の炎症の発現が有害な作用が引き起こされた症状です。
イミダゾールペプチドであるLカルノシンは、吸収時にβアラニンとヒスチジンに分解され、血液脳関門を通過します。
血液脳関門は脳に有害物質を侵入させないためのフィルターとしての役割があります。
βアラニンとヒスチジンは、脳に到達するとイミダペプチドを再合成し、抗酸化作用によって活性酸素の作用を抑制します。
このようなことから、脳の疲労回復や精神安定、認知症予防に良いと言えるのでしょう。
創傷治癒
Lカルノシンには創傷治癒効果の可能性がある成分として最近知られるようになりました。
- 褥瘡の肉芽を形成する線維芽細胞の寿命を延長する効果
- 血管内皮細胞からの一酸化炭素に産生を刺激する作用があり、一酸化炭素によって血管の新生を促す可能性
- 酸化ストレスに対する保護作用
これらの作用順序は現在のところ明確ではありませんが、褥瘡の治癒を加速することが報告されています。
その他期待する効能
Lカルノシンには、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、脳梗塞、高血圧、糖尿病、疲労、糖尿病、統合失調症、食行動異常等の予防や治療に適応出来る可能性が見られています。
1日あたりの摂取量及び摂取上の注意点
カルノシンの1日あたりの目安摂取量は1500~2000mgとされています。
自閉症を患っている子供の場合は1日あたり800~1000mg、消化性潰瘍及び消化不良を呈している場合は1回75mgを1日2回摂る事を推奨されています。
推奨量を摂取する限り、特に副作用や薬物との相互作用の心配はありませんが、過剰摂取するとミネラルの吸収を妨げてしまうとのことです。
サプリメントで摂取する場合は、ミネラルと一緒に摂ることを避けると良いでしょう。
まとめ
Lカルノシンについてまとめます。
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抗酸化作用や抗疲労効果に期待がありますが、サプリメントから摂取するときは使用量に基づいて摂りましょう。