無添加商品に隠れた旨味調味料「酵母エキス」に隠された危険

店頭では「化学調味料不使用」「無添加」を表示している商品が幾つか見られます。

自然なもの、安全なもを摂りたい人にとっては有難い話かもしれませんが、この一見安全そうな商品には、表向きでは分かりづらい危険が孕んでいます。







 

酵母

酵母には、パン酵母とビール酵母があります。

酵母は、食品を発酵させる働きがあります。

酵母が発酵させる食品には、味噌、醤油、酒、パン、乳製品があります。

酵母の役割には食品を発酵させる、アルコールを生成する、パンを膨らませるというものがあります。

味噌、醤油、乳製品は、酵母を使って発酵させることによって、プロバイオティクスになります。

糖に酵母を加えるとアルコールを生成します。

また、酵母はイースト菌の一種です。

つまり、パンを膨らませるのに必要となりますが、ベーキングパウダーを用いるより、酵母を用いた方が安全と言えます。

 

酵母エキス

ところが、酵母エキスは、これら酵母とは別物となります。

酵母エキスは、酵母に含まれるアミノ酸や核酸などの有用な成分を抽出したものです。

この抽出方法は、昆布やかつおで、だしを取るときや、とりがらを煮込むといった方法で作る「熱分解」、塩酸を加えて短時間で分解する「酸分解」、酵素の力を利用して短時間で分解する「酵素分解」にて行われます。

つまり、蛋白加水分解物と同じ行程で、酵母エキスが抽出されます。

 

酵母エキスの抽出

酵母エキスは蛋白加水分解物と同じ工程にて抽出されますが、ここでは酵素分解について述べます。

酵母は40度位から死滅しはじめます。

酵素が活性化する温度は、酵素によって様々であり、30度位で活性化するものもあれば、50度位で活性化するものもあります。

酵素には幾つ種類があります。

大きく分けると、消化酵素、代謝酵素といった生命の維持に関わる「アミラーゼ」「プロテアーゼ」「リパーゼ」、植物などの細胞壁を有するものに存在し、細胞壁を分解する働きを持つ「細胞壁分解酵素」です。

プロテアーゼ、細胞壁分解酵素は、高い温度で活性化し、他の酵素が機能しなくなると活発になります。

プロテアーゼは蛋白質分解し、細胞壁分解酵素が細胞壁を溶かして自己消化を繰り返してアミノ酸を作り出します。

この酵素分解は自己消化を何度も繰り返して限界となったら、酵母は自己消化にて死滅します。

この行程を通じて、酵母エキスは化学調味料不使用でも、美味しさを引き出します。

 

旨味成分

酵母から有効成分を抽出された酵母エキスは、様々なアミノ酸や核酸が持つ旨味を駆使します。

アミノ酸の旨味は、旨味と酸味、甘味、苦味の3つに分類されます。

旨味と酸味を呈するものには、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギンが該当します。

甘味を呈するものはグルタミン、苦味はロイシンやフェニルアラニンによるものです。

これらの物質を化合させて、商品の旨味付けをします。

核酸が持つ旨味には、イノシン酸とグアニル酸によるものがあります。

核酸は酵母の自己消化による産生や、DNA分解酵素を添加することによって旨味を引き出します。

イノシン酸は鰹節や煮干しから摂れる旨味成分であり、グアニル酸は干し椎茸から摂れる旨味成分です。




 

酸分解による発癌性

酵母エキスは製造工程によっては発癌性が疑われる物質を生成するものがあります。

この酸分解がクロロプロパノール類を生成します。

これが毎日のように大量摂取してしまうと、健康に悪影響を及ぼすともいわれます。

クロロプロパノールには「3-クロロプロパン-1」「1-ジクロロ-2-プロパノール(1-0DCP)」「3-ジクロロ-2-プロパノール(3-DCP)」「2-ジオール(3-MCPD)」の4種類があります。

この4種類の中の3-MCPDが発癌性を疑われる物質です。

つまり、酵母エキスは、蛋白加水分解物と同じ危険が孕んでいると考えられます。

 

遺伝子組み換えが懸念

酵母エキスの需要が増えると、麦酒などの製造過程で生じる廃酵母からだけでは賄いきれなくなることがあります。

そうすると、アミノ酸を効率よく合成できる酵母菌を大量製造させる必要性が出てきます。

この酵母菌が薬や放射線によって遺伝子組み換えが行われます。

この酵母にアンモニア化合物を加えたり、薬を用いて遺伝子組み換え酵母を死滅させます。

更に、酵素や薬で加水分解して酵母エキスを抽出します。

また、酵母エキスは蛋白加水分解物と同様に食品としての扱いとなるため、原材料には酵母エキスと表記されるため、商品を見る限り、製造過程を見極めることが出来ません。

化学調味料不使用、無添加、安心安全だと思って日常的に摂取していたら、訳のわからない病気にかかってしまったということも無きにしも非ずです。

そのような悲劇に遭遇することを回避するには、消費者が商品を選択する目を研ぎ澄まし、賢くなることが求められます。

 

まとめ

パッケージの表に記載されている化学調味料不使用、無添加という文字は、一見消費者を安心させるものがあります。

これらの文言だけではなく、低カロリー、国産、オーガニック、大豆ミートで作った…と書いてある商品も、魅力を感じてしまったら、一度原材料に何が使われているのかを、よく見ておきましょう。

グルタミン酸ナトリウムを使用した化学調味料、蛋白加水分解物、酵母エキスは強烈な旨味を呈し、舌を感化させてしまいます。

その感化した味覚は、食品が本来持つ旨味や甘味を感じる力を鈍らせてしまいます。

このような旨味成分は、危険が孕んでいる可能性がある上に、一度嵌ると止められなく、次第に体を蝕んでいきます。

体が蝕み、病院通いをしては体は薬漬け…おまけに脳機能までも狂わせてしまいます。

一度感化した味覚を正常に戻すことは一苦労かもしれません。

普段から自然なものを摂り入れることは、健康な体を作る上に、大らかな人格をも形成するのです。



 
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