ごまから作られるごま油は、ごまを焙煎して圧搾することによって作られています。ごま油に加工されても栄養素が豊富に含まれています。
ごまの香りが効いている為、食事の風味付けとしてもよく活用されたり、冷やし中華やつけ麺の麺にまぶして麺のほぐれやすくするのに使われています。
ごま油の種類
ごま油は製法によって透明なもの、琥珀色、茶褐色のものがあります。
これらには焙煎しない、低温で焙煎、高温で焙煎とそれぞれの製法によって色や風味が変わります。
種類 | 特徴 |
透明 |
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琥珀色 |
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茶褐色 |
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ごま油に期待する健康効果
ごま油にはリノール酸、リノレン酸、ビタミンE、セサミン、セレンが含まれ、熱に強い特徴があります。
そして次に様な理由から健康に良いと言われています。
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循環器疾患予防
ごま油には必須脂肪酸であるリノール酸、αリノレン酸が含まれています。
リノール酸、αリノレン酸は不飽和脂肪酸であり、LDLコレステロールを下げる働きがあります。
ごま油にはオメガ9脂肪酸も含まれています。オメガ9脂肪酸は脂質異常症予防や抗血栓作用があり、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞等の循環器系疾患の予防に役立てることが言えます。
腸内環境改善
ごま油にはオメガ9脂肪酸が含まれ、オメガ9脂肪酸は便通改善効果があることから美容に良いと言われています。
オメガ9脂肪酸は腸壁を油で覆う働きがあります。
ごま油には腸の蠕動運動を促す働きがあり、腸壁が油で覆われることによって便の滑りが良くなる為、排便を促し、腸管内に溜まった老廃物を排泄する為、デトックス効果が期待出来ます。
リノール酸には悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きがある為、ごま油には腸内環境を整える効果があることが言えます。
また、冷えと同様に便秘も万病の元と言われます。
腸内環境が悪化すれば下痢や便秘に悩まされるのは勿論のこと、腸内に腐敗菌が増殖して免疫力低下を招いたり、太りやすい体質を作ってしまったり、バクテリアルトランスロケーションにより、他の臓器に腐敗菌が移動して臓器の機能を悪化させる等、様々な弊害を起こしてしまいます。
腸内環境を整える効果のあるごま油には、これらの症状を予防するということが言えるでしょう。
強い抗酸化力
ごまにはゴマリグナンが含まれ、このゴマリグナンには強い抗酸化作用があります。
ゴマリグナンにはセサミン、セサモリン、セサミノールが含まれており、この中でも特にセサミンが抗酸化作用が強いと言われています。
ごま油にはビタミンEも含まれており、セサミンとの相性が良くお互いの効能を高め合います。
抗酸化作用にはコレステロールの酸化抑制作用があり、酸化したコレステロールや中性脂肪によって血管壁が傷つくことによって出来るアテロームの形成を抑制する為、動脈硬化をはじめ、心疾患や脳血管疾患の予防に役立つ他、癌予防や肌を紫外線から守る働きもあります。
ビタミンEとセサミンはこのような抗酸化作用をより増強させる他にもビタミンEの分解を抑え、血流を維持する働きもあるそうです。
ごま油にはセレンも含まれ、ビタミンEよりも強い抗酸化力を持つと言われています。
セレンにはビタミンEの60倍以上もの抗酸化作用がある上、ビタミンEと一緒に摂ることによって更に効果を高めることに期待が出来ます。
肝機能向上
ごま油が肝臓に良いと言われるのはゴマリグナンの抗酸化作用によるものです。
抗酸化作用はビタミンEやセレン同様に動脈硬化や老化防止にも効果的ですが、ゴマリグナンの抗酸化作用には肝臓を保護する働きがあります。
活性酸素は肝臓から作られますが、活性酸素は増え過ぎると老化や脂質異常症、動脈硬化等の生活習慣病の原因となります。
更に活性酸素は肝臓に負担をかける上、非アルコール性肝硬変やC型肝炎に罹っていると、鉄分を処理する機能が衰えている上に鉄分を酸化させてしまう為、余計に肝機能を悪化させてしまいます。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように、症状が出てしまってからは手遅れとなってしまいます。
肝機能悪化を未然に防ぐためにも、ごま油を日常的に摂る習慣を付けて、普段から予防に努めることが大切です。
肝硬変を起こしたり、肝機能障害を起こしてしまうと、三大栄養素が正しく代謝されない等肝臓の本来の機能を十分に活かせない上に、様々な臓器不全を起こす原因となってしまいます。
ゴマリグナンにはアセトアルデヒドの分解を促進する働きがある為、二日酔いの予防にも良いと言われています。
エストロゲン様作用
ゴマリグナンは植物性エストロゲンの一種と言われます。ゴマリグナンにはエストロゲンと同様の作用があることからホルモンバランスを整える働きがあることが言えます。
女性ホルモンを整える成分にはゴマリグナンの他にもゲニステインやエクオールも関わっています。
どの成分が適しているかは個人差がありますが、女性ホルモンのバランスを整えることによってPMSや生理不順、更年期症状等これらの症状を軽減する働きが期待出来るでしょう。
注意点
ごま油に抗酸化作用があると沢山摂りたいと思ってしまいますが、気を付けてもらうこともあります。
摂りすぎは太る
ごま油は基本的には油です。身体に良いからといって摂り過ぎてしまうと肥満を招いてしまい、生活習慣病を引き起こしやすくなります。
アレルギー
また、ごまアレルギーがある場合はアレルギー症状を引き起こす危険性もあるので、摂取を避けた方が良いでしょう。
まとめ
ごま油には次のような健康効果に期待があります。
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1日の摂取量は小匙1~2杯程度が適量です。
炒め物として使う、風味付けとして使う位が丁度良いでしょう。