エストロゲン様作用をはじめとする女性に嬉しい効能に期待の「パンプキンシード」

南瓜の原産地は諸説がありますが、中南米という説が有力と言われます。

古い時代の南瓜は果肉部分が薄く食用というより器として扱われていました。その為、南瓜は果肉よりも種の方が食用としての歴史が長いとのことです。

その後、果肉の厚い南瓜が誕生し、甘味があることから果肉を食用として扱うようになりました。





 

パンプキンシードの栄養

パンプキンシードは低糖質で蛋白質、リノール酸、オレイン酸、ビタミンE、食物繊維、ビタミンB2、葉酸、βカロテン、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、リグナン、ククルビチン酸、トリプトファン、植物ステロールが含まれています。

パンプキンシードには次のような健康効果に期待があります。

  • 女性ホルモン様作用
  • 骨形成
  • 生活習慣病予防
  • 体組織を作る
  • 美肌効果
  • 冷え、浮腫みの解消
  • 高血圧予防
  • 造血作用
  • 排尿障害の改善
  • 寄生虫対策
  • リラクゼーション
  • デトックス
  • 出産をサポート


 

女性ホルモン様作用

パンプキンシードは更年期症状に悩む女性にお勧めの食品です。

リグナンにはエストロゲン作用があり、ホルモンバランスを整える働きがあることが言えます。

女性ホルモンを整える成分にはリグナンの他にもゲニステインやエクオールも関わっています。

どの成分が適しているかは個人差がありますが、女性ホルモンのバランスを整えることによってPMSや生理不順、更年期症状等これらの症状を軽減する働きが期待出来ます。

 

骨形成

パンプキンシードにはカルシウムとマグネシウムが含まれています。

カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素であり、マグネシウムによってカルシウムを骨に定着させる為、骨形成の働きがあります。

また、更年期になるとエストロゲンの低下により骨密度が低下してしまいます。

パンプキンシードには、カルシウムとマグネシウムの両方を含む為、骨密度低下による骨粗鬆症予防に良いと言えます。

 

生活習慣病予防

パンプキンシードに含まれる脂質はオレイン酸とリノール酸です。

リノール酸にはLDLコレステロールを減らす働きがあり、更に血圧や血糖値を下げることから、高血圧や脂質異常症、糖尿病予防に良いとされます。

オレイン酸には脂質異常症や動脈硬化予防効果があることから、生活習慣病予防に役立ちます。

パンプキンシードにはβカロテンやビタミンEが含まれます。

βカロテンは体内でビタミンAに変換し、ビタミンEの効力を強めることから、強い抗酸化作用があることが言えます。

また、ロスマリン酸にも抗酸化作用があります。

これらの働きによって血液中のコレステロールや中性脂肪が酸化するのを予防することによって、中性脂肪やLDLコレステロールによって血管内が傷つくことを防いでアテローム形成を予防します。

これによって動脈硬化、心筋梗塞、脳血管疾患の予防及び癌の予防に役立ちます。

パンプキンシードは食物繊維が豊富であり、食物繊維には腸管からの余計な糖分の吸収を抑える為、糖尿病や脂質異常症の予防にも役立ちます。

また、ビタミンB2も含まれている為、有酸素運動時に体脂肪がエネルギーとして燃焼することに関わり、疲労を抑制し、有酸素運動を持続させる上、脂肪燃焼によってダイエットを効率的に行えると言えます。

 

体組織を作る

パンプキンシードには、骨を作るカルシウムやマグネシウム、血液を作る鉄分、神経伝達物質の合成に関わるマグネシウムが含まれています。

蛋白質も含まれていることから筋力増強効果もあると言われます。

ビタミンB2は、皮膚や粘膜、髪や爪等の組織の形成に携わります。

亜鉛は皮膚の形成に関わり、亜鉛の摂取によって傷口の修復が促進されることに期待があります。

 

美肌効果

パンプキンシードの強い抗酸化作用は紫外線から肌を守り、シミやシワ、たるみを予防すると言われます。

パンプキンシードには亜鉛が含まれ、ビタミンCと一緒に摂取するとコラーゲン生成を促し、更に美肌効果に期待出来ます。

パンプキンシードには造血作用のある鉄分も含まれ、赤血球を丈夫に保つためのマグネシウムと赤血球の合成に関わる葉酸も含まれています。

造血作用は貧血の予防や改善に繋がる上に、疲労を抑制したり顔色を良くすることにも期待があります。

 

冷え、浮腫みの解消

ビタミンEやβカロテンの抗酸化作用は、血管を丈夫に保つため、血液の流れを円滑にして、冷えや浮腫みを改善し、排尿を促します。

パンプキンシードにはカリウムが含まれることからナトリウムと共に電解質の均衡を図り、細胞を正常に保つ上、ナトリウム量が多い場合は余計なナトリウムを排泄する為、更に浮腫み改善効果に期待があります。

また、ナトリウムの排泄によって血圧を正常にコントロールします。

このナトリウム調整にはマグネシウムも関わっています。

 

排尿障害の改善

パンプキンシードに含まれるリグナンや植物ステロールには排尿障害の改善効果があると言われています。

パンプキンシードには亜鉛も含まれている為、前立腺肥大や前立腺癌等の排尿障害の予防効果に期待があります。

パンプキンシードに含まれる植物ステロールはテストステロンの働きを抑える為、前立腺の肥大を緩和することが考えられています。

更に亜鉛には男性の円形脱毛症を改善する働きがあると言われています。

リグナンにはホルモンバランスを整える働きがある為、過活動膀胱や頻尿等、女性ホルモンの乱れによって現れる症状を軽減する効果もあると言われます。

パンプキンシードには中高年の男女に嬉しい働きがあることが言えます。




 

寄生虫対策

ククルビチン酸は中国では「南瓜仁」と呼ばれ、寄生虫を駆除する生薬として用いられてきました。

子供の寄生虫対策にパンプキンシードオイルが使われることから、パンプキンシードには抗寄生虫作用や駆寄生虫作用があることが言えます。

 

リラクゼーション

パンプキンシードにはトリプトファンが豊富に含まれています。

トリプトファンはセロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の材料となります。

パンプキンシードに含まれる亜鉛やマグネシウムによって神経伝達物質の合成を促します。

更に朝日にあたることによってセロトニン分泌が促され、良質な睡眠を得られることが可能と言われます。

このリラックス効果はビタミンB6と一緒に摂取すると更に高まるそうです。

また、カルシウムには怒りを鎮静する働きもある為、更年期症状による苛立ちを抑えることに期待があります。

 

デトックス

パンプキンシードには食物繊維が含まれる為、腸の蠕動運動を促し、更に便のかさを増やすことによって腸内に溜まった老廃物を排泄する働きがあります。

マグネシウムは便に適度な水分を含ませることによって排泄を促します。

 

妊娠時の栄養

パンプキンシードには核酸の合成に必要な葉酸が含まれ、細胞分裂を正常に行うことに必要不可欠であることから、胎児の正常な成長に大事な役割があります。

パンプキンシードには亜鉛も含まれ、亜鉛や精子や精液の材料となることによって、男性由来の不妊症改善に役立ちます。

 

注意点

パンプキンシードを摂取する際は、次の点に気を付けましょう。

体質劣化

パンプキンシードは極端に過剰に摂取してしまうと、リノール酸の過剰摂取による弊害によって生活習慣病を招く、癌に罹患するリスクが高まる、体質劣化等の症状を引き起こしてしまうことが考えられます。

脂肪制限

パンプキンシードは種実類であることから脂肪分が豊富に含まれます。

膵臓疾患や胆石症等の理由で医師から脂肪制限の指示をされている時は、少量に留めておきましょう。

消化器系疾患

パンプキンシードは脂肪も不溶性食物繊維も豊富に含まれています。

その為、消化器系トラブルを起している場合はパンプキンシードの摂取がデメリットとなる場合があります。

腸閉塞に罹っている場合、腸管の神経障害や腸管の狭窄によって、不溶性食物繊維の摂取が腸管を詰まらせやすくします。

腸管が詰まってしまうと、腹部膨満や嘔吐の症状を示す場合があります。

胃や腸に炎症がある場合、脂肪分の多いものや不溶性食物繊維の多いものを摂ると症状を悪化させてしまうリスクがあります。

お腹を壊している時も、脂肪及び食物繊維の多いパンプキンシードは、摂取を控えておきましょう

腎機能低下

腎不全が進行すると排泄機能が正常に働かなる為、カリウムが排泄されずに体内に蓄積してしまいます。

カリウムが蓄積すると不整脈を起こす原因にもなり、腎性心不全に至る場合があります。

パンプキンシードは泌尿器系疾患に良いと言われていますが、腎不全が進行している場合は大量摂取をしないようにしましょう。

その他注意点

パンプキンシードの過剰摂取はこの他にも胃石を形成したり、アナフィラキシーショックを起こすという報告があります。

 

まとめ

パンプキンシードについてまとめます。

  • 女性ホルモン様作用
  • 骨形成
  • 生活習慣病予防
  • 体組織を作る
  • 美肌効果
  • 冷え、浮腫みの解消
  • 高血圧予防
  • 造血作用
  • 排尿障害の改善
  • 寄生虫対策
  • リラクゼーション
  • デトックス
  • 出産をサポート

パンプキンシードの1日あたりの目安摂取量は10~15粒が適量です。

パンプキンシードは食物繊維やミネラルが豊富なうえに、泌尿器系トラブルへの効果に期待があることが言えます。

どの健康食品にも言えることですが、健康効果を得るには適正量をきちんと守ることです。


 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?

  2. 強い抗酸化作用が秘められる「チコリ酸」

  3. いくら食べても太らない…隠れ肥満とサルコペニアのリスクの低減を図るには?