王家の野菜と呼ばれる程、栄養価が高い「モロヘイヤ」

モロヘイヤは緑黄色野菜の中でも、カルシウムやβカロテン、ビタミンCの含有量が突出して多く含まれ、その中でカルシウムやビタミンCは摂取不足が問題となっています。

緑色の野菜も栄養価が高いですが、モロヘイヤはそれ以上に栄養成分が豊富な野菜です。

その栄養価の高さは「野菜の王様」に相応しいと言えます。





 

モロヘイヤの歴史

モロヘイヤはインド西部からアフリカを原産とし、アラブからアフリカ北部、東地中海地方で広く栽培されているシナノキ科の一年草です。

日本では昭和30年(1955年)頃に導入され、全国各地で栽培されるようになりました。

モロヘイヤというのはアラブ語の「王家の野菜(ムールキーヤ)」の訛った呼称であり、あまりの栄養価の高さから王族以外は食用を禁じていたほどの野菜なのです。

エジプトをはじめ、中近東では若芽や葉を野菜として食用にされています。

 

モロヘイヤの栄養

モロヘイヤは栄養価が高く、βカロテンやビタミンA、B1、B2、B6、C、E、K、葉酸などのビタミン類、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン等のミネラル、マンナンなどの粘液多糖類、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチンを等含みます。

モロヘイヤを茹でたり、細かく刻むとヌメリが生じるのは粘液多糖類によるものだからです。

そしてモロヘイヤは、βカロテン、ビタミンCの含有量が突出して多く含まれています。

  • 美肌効果
  • 皮膚の形成に関与
  • 目の機能維持やトラブル予防
  • デトックス
  • 三大栄養素の代謝
  • 生活習慣病予防
  • 骨形成に関与
  • 貧血予防
  • 抗ストレス…等

 

老化防止

カロテンと言えば人参に多く含まれると言われますが、モロヘイヤや人参より多くのβカロテンを含有しています。

βカロテン及びビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチンには抗酸化作用があり、アンチエイジング効果や癌予防、生活習慣病の予防等の効能に期待があります。

βカロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換されるため、ビタミンAの効能も享受出来ます。

モロヘイヤは抗酸化作用による老化防止にも期待がありますが、美肌効果に期待のある成分も幾つか含まれています。

ビタミンC、鉄分はコラーゲン生成に必要となります。

ビタミンCはメラニンの生成抑制に関わり、一度出来てしまったしみやそばかすを目立たなくするとのことです。

ルテインやゼアキサンチンは目から紫外線が体内に侵入することを抑制し、体内に侵入した紫外線による老化を防ぐと言われます。

ビタミンB2は皮膚や髪、爪、粘膜等の組織の生成に関与していることから、体組織を作ることを支えています。

 

目の機能を維持

モロヘイヤは網膜細胞に必要で、光刺激反応に重要な役割を持つビタミンAが含まれている上に、体内でプロビタミンAに変換されるβカロテンが豊富に含まれています。

また、皮膚の粘膜生成に関わるビタミンB2、ビタミンCも含まれ、ドライアイ、涙目、目の痒み、疲れ目、白内障予防に効果があると言われています。

ルテインやゼアキサンチンは強い抗酸化作用があることから目の黄斑部を酸化から守り、加齢性黄斑変性症を予防すると言われます。

モロヘイヤにはコラーゲン生成をサポートするビタミンCや鉄分が含まれ、コラーゲンはアントシアニンの働きをサポートします。

 

デトックス

モロヘイヤは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を含んでいます。

不溶性食物繊維、不溶性食物繊維は腸管内を善玉菌優位にさせる働きがあります。

不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促します。

水溶性食物繊維やマグネシウムは便に適度な水分を含ませることによって、円滑な便の排出をサポートします。

モロヘイヤにはクロロフィルが含まれ、クロロフィルは有害物質や重金属を排出させる程の強いデトックス作用があると言われます。

モロヘイヤには腸管に溜まった毒物や老廃物を排泄する働きがあると言えます。

腸内環境が整うことによって、美肌効果や免疫力アップ、ダイエットしやすい体質に改善するなど、数々の効能に期待があります。

 

三大栄養素の代謝

モロヘイヤはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が含まれ、糖質や脂質がエネルギー代謝される時の補酵素として活用されます。

ビタミンB群の摂取によってエネルギー代謝が効率よく行われると、運動時の疲労を抑制します。

ビタミンB6は脂質や蛋白質の代謝に関わり、特に蛋白質の働きを支えます。

このようなことからモロヘイヤは三大栄養素の代謝にも関わっているのです。

 

生活習慣病予防

モロヘイヤは三大栄養素の代謝に関わることから、糖質や脂質がエネルギーとして使われることによって、脂肪燃焼に携わります。

モロヘイヤには水溶性、不溶性食物繊維が含まれることから、腸管から余分な糖分の吸収を抑制することによって、食後血糖値の上昇を抑えたり、糖尿病や脂質異常症の予防にも役立ちます。

水溶性食物繊維には、血液中の余分な糖分や中性脂肪、LDLコレステロールを排出する働きがあると言われます。

モロヘイヤはカリウムが豊富であり、カリウムは血液中の余分なナトリウムを排泄する働きがあることから高血圧予防に良いと言われています。

モロヘイヤには抗酸化作用の強い成分が幾つも含まれ、抗酸化作用によって血液中の中性脂肪やLDLコレステロールを酸化から守ります。

抗酸化作用によって血栓症や動脈硬化の予防に繋がり、心疾患や脳血管疾患を未然に防ぐことに期待があります。

これらのことからモロヘイヤには、糖尿病、肥満、高血圧症、脂質異常症、脂肪肝、血栓症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防に役立てると言えます。

 

骨形成に関与

モロヘイヤには他の野菜の約4倍以上のカルシウムが含まれています。

カルシウムはリンとともに骨や歯を形成する働きがあります。

モロヘイヤにはマグネシウムも含まれており、カルシウム同様に骨の形成に関わっています。

カルシウムは骨の成分となり、マグネシウムにはカルシウムを骨に定着させる働きがあります。

ビタミンKは骨芽細胞の形成に関わり、コラーゲンを骨に沈着させる働きがあります。

コラーゲンの生成にはビタミンCや鉄分が必要となります。

そして、マンガンも骨形成に関与しているミネラルです。

このようなことから、モロヘイヤは骨の栄養に必要な食品であることが言えます。




 

貧血予防

モロヘイヤには、鉄分が多く含まれているので赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、モロヘイヤにはビタミンCも含まれるので、吸収力がアップします。

銅は酵素の成分であり、体内で蛋白質と結びつくことによって鉄の働きを助けています。

葉酸は赤血球の栄養となりますので更に貧血予防に効果的と言えます。

このように鉄分を効率的に摂って、貧血予防に繋げる他、疲労回復効果や、思考力の改善、心不全の症状改善の効果が期待出来ます。

 

メンタルヘルス

モロヘイヤに含まれるカルシウムとマグネシウムには、興奮抑制する作用があるといわれます。

マグネシウムには筋肉の緊張を緩和する働きやGABAの働きを持続させる作用があるとのことです。

ビタミンCは副腎皮質ホルモンの生成に関わることによって抗ストレス効果があると言われています。

ビタミンB1はブドウ糖と一緒に摂ることによって脳機能や神経機能の維持や改善に寄与します。

これらの栄養成分の働きによって、モロヘイヤはメンタルヘルスの強化に期待がある食品であると言えます。

 

その他ビタミン、ミネラルによる健康効果

カルシウムは骨や歯を形成する働きの他に、筋肉の収縮にも関わり、この他に細胞の機能調整にも携わります。

モロヘイヤに含まれるビタミンKにあh、血液の凝固作用、止血効果があると言われます。

葉酸にはDNAや蛋白質の合成を促す効能があり、胎児の先天的な異常を予防する働きもあるため、妊婦の方には欠かせない栄養素です。

 

注意点

モロヘイヤは栄養価が高いですが、以下の点に注意しましょう。

種子茎を食べない

モロヘイヤの種子には毒性物質であるストロファンチジンが含まれています。

開花後の茎にも含まれている為、開花前の若い芽を利用します。

薬との相互作用

また、モロヘイヤにはビタミンKが多く含まれるので、ワーファリンなどの抗血液凝固剤が処方されている場合は、薬の効能を弱めてしまう為、大量摂取を避け、出来るだけ摂取量を控えるようにしましょう。

 

まとめ

モロヘイヤについてまとめます。

  • 美肌効果
  • 皮膚の形成に関与
  • 目の機能維持やトラブル予防
  • デトックス
  • 三大栄養素の代謝
  • 生活習慣病予防
  • 骨形成に関与
  • 貧血予防
  • 抗ストレス…等

モロヘイヤは栄養価が高く、細かい効能まで挙げるとキリがない位です。

ヌメリのある食品なので、苦手な方もいらっしゃると思いますが、その栄養価の高さは「野菜の王様」「王家の野菜」に相応しいことが言えます。

 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?

  2. 強い抗酸化作用が秘められる「チコリ酸」

  3. いくら食べても太らない…隠れ肥満とサルコペニアのリスクの低減を図るには?