イノシトールは細胞膜を構成するリン脂質の成分として重要な物質です。
ビタミンB群の一つでしたが、体内で生合成が出来ることから必須ビタミンでなない為、ビタミン様物質として扱われています。イノシトールは特に神経組織の細胞膜に多く含まれています。
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イノシトールの働き
イノシトールは「抗脂肪肝ビタミン」とも呼ばれ、肝臓に脂肪がたまるのを防いだり、コレステロールの代謝を促進するなど、脂質の運搬を円滑にする働きがあります。
イノシトールには全部で9種類の立体異性体が存在します。その中で唯一生物活性を持っているのがミオイノシトールです。
一般的に言われているイノシトールはミオイノシトールのことを指しています。
イノシトールの働きは主に次のものがあります。
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乳児の成長物質として
イノシトールは体内ではイノシトールリン酸の形態で存在しています。
栄養強化剤としての使用が認められており、粉ミルクにも添加されています。
また、人間の初乳に多く含まれ、乳児に必用な成長物質であります。
イノシトールは植物にも含まれ、この場合は遊離型イノシトールまたはリン酸エステル(フィチン酸)の形をしております。
脂肪肝予防
イノシトールは「抗脂肪肝ビタミン」と呼ばれるように、脂肪肝の予防に役立ちます。
脂肪の流れを円滑にして、肝臓に余分な脂肪が蓄積しないように調整する働きを担っているのです。
リン脂質の構成成分
イノシトールは、ホスファチジルイノシトールというリン脂質の構成成分であります。
神経細胞の多くに存在している為、脳細胞への栄養供給や神経伝達及び脳の活動を正常に保つ働きがあるのです。
また、この神経伝達の働きには頭皮の発毛や育毛を指示する伝達も行っています。
この働きによって抜毛や湿疹等の頭皮トラブルを防止し、健康な髪を維持する効果があると考えられています。
その他
イノシトールにはその他にパニック障害や強迫性障害の治療に有効であることが示唆され、脳機能改善効果があることが知られています。
イノシトールの筋肉収縮運動強化力によって腸の蠕動運動を促し、便通改善に良いと言われています。
イノシトールを含む食品
イノシトールを多く含む食品にはオレンジ、すいか、メロン、グレープフルーツ、桃等の果物類、豆類、穀類、ナッツ類、鶏肉、鶏レバーです。
豆類や穀類、ナッツ類等の植物種子の大部分はフィチン酸ですが、フィチン酸は生食のままで摂取するとミネラル吸収を阻害してしまいます。
まとめ
イノシトールの働きについてまとめます。