サンザシは、北半球の温帯に分布するバラ科に属する落葉木です。
日本には北海道にオオバサンザシとクロミサンザシが自生しており、長野県にはクロミサンザシが自生しています。
サンザシは白い花を咲かせた後、赤色又は黄色がかった実を付けます。
アセロラと似たような食品ですが、アセロラはビタミンCの含有量が優れているのに対し、サンザシはカテキンの含有量が非常に多いという違いがあります。
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サンザシの栄養
サンザシはカテキン、アントシアニン、ケルセチン等のポリフェノールが含まれており、その中でもカテキンの含有量が100g中200~800mgと突出して多く含まれています。
ポリフェノールが含まれていると言われている赤ワインが100~150gの為、サンザシに含まれるポリフェノールは相当な量が含まれていることが言えます。
食品 | カテキン含有量 |
りんご | 20-75 |
洋ナシ | 5-20 |
桃 | 10-20 |
ブルーベリー | 10-20 |
サンザシ | 200-800 |
赤ワイン | 100-150 |
クランベリー | 20 |
紅茶 | 10-500 |
サンザシの赤い実は古くから薬効があると言われてきており、消化吸収を促す効果があることから、中国では漢方薬として使われています。
そして日本においても漢方薬として活用されています。
ポリフェノールの他にも、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、カロテン等のビタミン類、カルシウム、マグネシウム、鉄分、リン等のミネラル、ペクチン、アミノ酸、ケルセチン、サポニン、クラテガル酸、クエン酸、オレアノール酸、クロロゲン酸、食物繊維も含まれています。
サンザシには次のような健康効果に期待があります。
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腸内環境改善
サンザシにはペクチン、マグネシウムが含まれています。
水溶性及び不溶性食物繊維としての腸内環境改善効果があります。
短鎖脂肪酸を増やすことによって腸管のphを弱酸性にしたり、善玉菌の餌になることで、腸管内を善玉菌優位にします。
腸の蠕動運動促進や便に水分を含ませることによっ排便を促す上に、有害物質の生成の抑制、毒素排泄等の効果も期待出来ます。
循環器疾患予防
サンザシにはカリウムが含まれ、カリウムは血液中の余分なナトリウムを排泄することによって血圧を正常に保ちます。
クエン酸には血圧を上げるホルモンの働きを9割抑える働きがあると言われています。
サポニンには血液中のLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きがあります。
血液がサラサラになると血行が良くなる為、冷え性や浮腫みの改善効果も期待出来ます。
サンザシにはケルセチンやサポニン等、血流促進効果のある成分が含まれています。
サンザシにはポリフェノールやビタミンC、ビタミンE、カロテン、サポニン等抗酸化作用のある成分を含んでいます。
抗酸化作用によって血液中の脂質が酸化されるのを防ぎ、血管に傷が出来てアテロームが形成されるのを防ぎます。
サンザシは高血圧や冷え、浮腫み、肩こり、腰痛の予防や改善、動脈硬化、血栓症、心疾患、脳血管疾患の予防効果に期待のある食品です。
アンチエイジング
抗酸化作用には紫外線からもある為、シワやしみ、たるみ等を予防します。
また、コラーゲン生成に関わるビタミンCも含まれていることから、アンチエイジング効果が期待出来ます。
ビタミンB2は皮膚や粘膜、髪や爪の形成に関わっています。
癌予防
サンザシには抗酸化ビタミンやポリフェノールが含まれていることから、細胞が損傷されることから守ることによって癌予防に期待があります。
ビタミンCはNK細胞を活性化させる働きがあると言われます。
目のトラブル予防
サンザシにはβカロテンが含まれています。
βカロテンは体内でプロビタミンAに変換され、ロドプシンの合成に関わったり、網膜細胞の保護や光刺激反応への役割を担います。
アントシアニンは網膜の紫色の色素であるロドプシンの材料となり、角膜や水晶体のコラーゲンを安定させます。
鉄分やビタミンCはコラーゲン生成をサポートします。
ビタミンB2やビタミンCは粘膜生成によって目のトラブルから守ります。
その為、キーワード 白内障、ドライアイ、目の痒み、疲れ目、涙目、加齢性黄斑変性症の予防にサンザシは役立つと言えます。
サンザシにはアントシアニンやケルセチンが含まれ、毛細血管を強化したり、毛細血管の血流促進やLDLコレステロールを減らす働きがあることから、糖尿病合併症による目のトラブル予防に期待があります。
糖尿病予防
サンザシに含まれるサポニンにはアディポネクチンの分泌を促進する働きがあります。
アディポネクチンにはインスリン受容体の感受性を上げる作用や脂肪燃焼効果があり、ダイエットにおいてそれほど食事制限が必要ないことから、ストレスを軽減しながらダイエットに励むことが可能であると言えます。
サンザシに含まれているクロロゲン酸は糖質分解酵素の働きを阻害すると言われます。
ペクチンには余分な糖の吸収を抑えたり、血液中のコレステロールや中性脂肪を水溶性食物繊維に吸着させ、排泄する働きがあります。
その為、糖の吸収を緩やかにし、食後血糖値の急激な上昇を抑えることに期待があります。
感染症予防
ビタミンCは白血球の働きを強化し、免疫力を高めます。
ビタミンCは粘膜生成によって感染から身を守ります。
サポニンには免疫力を増強する働きもあります。
サンザシにはカテキンが豊富に含まれ、オレアノール酸も含まれます。
カテキンやオレアノール酸には殺菌作用や抗菌作用がある上に、食中毒の予防や虫歯を予防する働きがあることが知られています。
胃もたれ予防
クラテガル酸には胃液の分泌を促進する働きがあります。
脂っこいものや肉料理を食べた時に消化を促進し、胃もたれを抑えることに期待があります。
その他期待する効能
サンザシにはカルシウムはマグネシウムによって骨形成をサポートしたり、鉄分が含まれることから造血作用にも関わります。
このほかにもクエン酸による疲労抑制等、数多くの健康効果に期待があります。
注意点
サンザシには特に副作用があるという報告はありませんが、稀に頭痛や眩暈、胃もたれの症状が現れることがあります。
この他に、以下の点にも気を付けましょう。
薬との相互作用
薬を服用している場合は、サンザシのサプリメント等成分が強化されたものと一緒に摂取すると相互作用を起こすことがあります。
このような場合は医師に相談することをお勧めします。
妊娠中
妊娠中にサンザシを摂取すると子宮に刺激を与えてしまい、流産のリスクが上がってしまいます。
その為、妊娠中の方は摂取を避けた方が安心でしょう。
まとめ
サンザシについてまとめます。
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サンザシはポリフェノールやミネラルの多い食品であり、間食として栄養を補給することに適しています。
服薬中の方や妊娠中の方は念のために摂取を控えておきましょう。