心臓病、アルツハイマー、認知症予防に期待の「地中海式ダイエット」

地中海式ダイエットをご存じの方もいると思います。

地中海地方の住民は心臓病、癌、アルツハイマーの罹患率が低いことが明らかにされています。

【関連リンク】
地中海式食事法
佐々木構成員提供資料
地中海料理に心臓疾患や癌の予防効果、研究成果

地中海式ダイエットは、食事バランスが整っており、無理なく食事を楽しんでダイエット出来るという利点があります。





 

地中海式ダイエットの食品構成

地中海式ダイエットに主に使われる食品群には、穀類、豆類、野菜類、種実類、果実類といった植物性のものと魚介類が挙げられます。

その方法は次のとおりです。

  • 穀類はパンやパスタ、全粒穀物を使ったものを摂る
  • 野菜、果物、きのこ類を沢山摂る
  • 油脂はオリーブオイルを使用し、バター及びトランス脂肪酸を避ける
  • ハーブやスパイスを活用
  • 蛋白質は魚介類を中心に摂る
  • 肉は赤味肉を選ぶ
  • 乳製品は低脂肪のものを摂る
  • 適度に赤ワインを飲む(飲めない場合は飲まなくて良い)

毎日食べる食品には、穀類、健康な油脂類、種実類、野菜類、果実類、芋類、低脂肪乳が挙げられます。

週に数回程度食べるものには、魚介類、卵類、鶏肉があり、お菓子やデザートは週一にとどめます。

月に数回摂るものには、豚肉、牛肉が挙げられます。

食品の選び方以外の要点として次のことが挙げられます。

  • 食事は家族や友人と楽しむ
  • 運動をする

 

地中海式ダイエットに期待する健康効果

地中海式ダイエットを取り入れると、期待出来るメリットについて見ていきます。

腸活に良い

地中海式ダイエットに主に用いる食品には食物繊維が豊富なものが数多くあります。

全粒穀物、芋類、野菜類、果実類、種実類には食物繊維が豊富に含まれます。

いずれも不溶性食物繊維が含まれます。

この中でも、穀物、芋類、野菜類、果実類には水溶性食物繊維も含まれます。

穀物や芋類、一部の果実にはレジスタントスターチが含まれます。

これら食物繊維によって腸管内を善玉菌優位にして腸内環境改善が図れるのです。

野菜類や果実類、芋類の中には、ラフィノースやオリゴ糖が含まれるものもあり、これらにも善玉菌を増やす働きがあります。

ヨーグルト、チーズは乳酸菌の摂取源です。

主に使用するオリーブオイルにはオレイン酸が含まれ、オレイン酸は便の排出を促す働きがあります。

腸内環境改善を図ることによって太りにくい体質の改善、肌荒れの改善、免疫力の向上などに期待があります。

脂質異常症、循環器疾患、胆石症の予防

地中海式ダイエットでは、主な蛋白質源が魚介類と豆類になっています。

肉類は月に数回程度なので、飽和脂肪酸の摂取量が控えめとなります。

魚介類、特に魚からはオメガ3脂肪酸が摂取出来、オメガ6脂肪酸の過剰摂取を防ぐためにオレイン酸が含まれるオリーブオイルを使用します。

オメガ6脂肪酸は豆類、種実類を摂っていれば十分なので、オメガ3脂肪酸との脂肪酸比率が理想的と言えます。

オメガ6脂肪酸は摂り過ぎなければ、生活習慣予防に寄与します。

これらの脂肪酸組成を見ていくと、血液をHDLコレステロール優位にすることから、脂質異常症を予防し、心疾患や脳血管疾患が発祥することを予防できると言えます。

ビタミンE、オレイン酸、ファイトケミカル、ポリフェノールが摂る事が出来、抗酸化作用によって血液の酸化を抑制します。

抗酸化作用という側面からも、循環器疾患予防に良いと言えます。

地中海式ダイエットでは、水溶性食物繊維が摂ることが出来ます。

水溶性食物繊維が血液中の余分なコレステロールの排出を促すという点においても、脂質異常症予防に期待があります。

また、胆石症の予防にも良いと言えます。

糖尿病、脂質異常症、肥満、脂肪肝の予防

地中海式ダイエットに使われる穀類は全粒のものが用いられます。

食物繊維が豊富なことから、腸管からの糖が素早く吸収されることを抑制します。

そのため、低GIです。

食後の血糖値が緩やかなうえに血糖値の下降も緩やかです。

このため、インスリン、グルカゴンの過剰分泌を押さえられます。

低GIということは太りにくいことにも繋がり、インスリン感受性を正常に保つと言えます。

糖の吸収を抑制するということは、糖尿病をはじめ、中性脂肪由来の脂質異常症、肥満、脂肪肝の予防に期待があります。

三大栄養素の代謝

全粒穀物、豆類、ナッツ類にはビタミンB群やミネラルが豊富に含まれます。

これらはマグネシウムの摂取源となります。

魚介類を適度に摂り、栄養バランスの良い地中海食は亜鉛も摂ることが出来ます。

炭水化物、脂質、蛋白質の代謝には、これらの栄養素が欠かせません。

エネルギー代謝に必要とする酵素や補酵素となる栄養成分を摂り、エネルギーが正常に燃焼すると、疲労抑制に繋がります。

蛋白質が正しく代謝されれば、蛋白質としての栄養的な効能を引き出すことが出来ます。

筋肉や皮膚、骨格の形成、免疫力向上、神経伝達物質の生成、筋収縮など、これらが正常に行われます。

認知症予防

地中海式ダイエットの食事からは糖質の代謝に関与するビタミンB群やマグネシウムが摂れます。

脳の栄養には糖質が必要ですが、脳の栄養として正しく代謝されるにはビタミンB1が欠かせません。

魚から摂れるDHAには、脳や神経機能の成長や維持に重要な働きがあります。

癌予防

地中海式ダイエットの大きな特徴は野菜が豊富ということです。

野菜は複数の色のものを食べ合わせると、それぞれのファイトケミカルを摂取することが出来ます。

鮭やエビにはアスタキサンチンが含まれ、強い抗酸化力があります。

豆類や種実類、赤ワインにはポリフェノールが含まれます。

これらの抗酸化成分が細胞の損傷を防ぎ、癌を予防することに期待があります。

美肌を維持しながらダイエットが出来る

食事を極端に減らしただけのダイエットは、体重を素早く落とせても、美容に弊害をもたらします。

腸内環境改善され、蛋白質、オレイン酸、抗酸化成分が摂取出来る上に栄養バランスが摂れていることから、皮膚や髪を健康に保ちながらダイエットが出来ます。




 

地中海式ダイエットは日本人の身体に適しているか?

地中海式ダイエットはダイエットだけではなく、健康にも良く、美しく痩せられるというのが嬉しいところです。

日本と地中海の気候の違い

日本と地中海では気候に大きな違いがあります。

同じ温帯地域であっても日本は湿度が高い一方、地中海地方は空気が乾燥しています。

地中海地方の食材と言えばオリーブですが、オリーブは湿度に弱い植物です。

湿度に弱い一方、乾燥に強い植物なので、日本の気候では栽培に向いていません。

オリーブの栽培に向いている地域と言えばイタリアですが、エキストラバージンオイルであっても日本に届くころには風味も油の質も変化してしまっているものが数多くあります。

オリーブオイルは温度が高すぎても低すぎても劣化を起こし、また、光に弱いという性質があります。

特に光に当たると、オリーブに含まれる葉緑素によって酸素を排出し、油が過酸化状態となります。

口にしてみたときに、しつこさを感じたり胸やけを起こすのなら酸化油の可能性もあるでしょう。

国内でもオリーブの栽培が行われている地域がありますが、日本ではエキストラバージンオリーブオイルの基準が法律で制定されず、世界基準に即していないということからも、国産のオリーブオイルは寧ろ健康的とは言えません。

同じオレイン酸を摂るのであれば米油のほうが日本人に向いているでしょう。

気候風土、昔から馴染みがあるという観点からも、米は日本人に向いています。

米油も熱に強く抗酸化作用のある油です。

こちらも製造方法をよく確認しておかないと、化学溶媒を用いて製造されたトランス化されている商品も紛れています。

その為、選ぶ際には低温圧搾法で製造されたものを選びます。

オメガ9脂肪酸は体内合成できる上に油の摂り過ぎは肥満になるので、摂り過ぎないように気を付けましょう。

腸活の観点

腸活の観点から見ると、乳製品は善玉菌の摂取源になりますが、乳製品が身体に合わない場合もあります。

しかし、善玉菌の摂取源は日本食に沢山あります。

味噌や酢、醤油などの発酵調味料、漬物、甘酒、納豆などがあります。

和の食材

日本人に馴染みのある野菜、海藻類も欠かせませんし、そして全粒穀物を摂るのなら、日本人は米がベストです。

実は海藻類を消化出来る酵素を持っているのは日本人だけなのです。

それは日本人には古くから海藻を食べる文化があったからです。

民族性という観点から見ると、日本人にとって地中海式ダイエットは完全とは言い切れません。

ただし、地中海食に和の要素を盛り込むと、尚更良いでしょう。

 

まとめ

地中海式ダイエットは、循環器疾患、糖尿病、認知症、癌などの予防に良いと言えます。

栄養面から見ると優れていることは確かですが、米や伝統発酵食品、海藻類を食べる日本人には、伝統食材を取り入れると、小麦や乳製品による身体への負担も軽減されるでしょう。

 
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