大麦若葉とは、βグルカンで注目されている大麦の若葉を言います。
大麦若葉と言えば、言わずと知れた青汁の原料の一つであります。
緑色の植物性食品というだけで栄養価が高いですが、大麦若葉ならではの栄養成分も含まれ、健康食品に活用されています。
Table of Contents
大麦若葉の栄養
大麦若葉には糖質、蛋白質、脂質、ビタミンA、ビタミンB1,ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、SOD酵素、GIV(グルコシルイソビテキシン)、ビタミンEコハク酸エステル、食物繊維、βグルカン、βカロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、クロロフィル等が含まれます。
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活性酸素の除去
大麦若葉には抗酸化ビタミンと言われるビタミンA、C、Eが含まれます。
この3つのビタミンの中でもビタミンEは特に抗酸化作用が強いと言われています。
ビタミンCは生体内でビタミンEを再生させ、ビタミンEの抗酸化作用を引き出し、両者が協力関係を持つことによって活性酸素の除去を担います。
大麦若葉にはβカロテン及びルテイン、ゼアキサンチン等のファイトケミカルが含まれています。
βカロテンは体内でビタミンAとして利用され、ファイトケミカルにも抗酸化作用があると言われ、更にSOD酵素及びGIVには活性酸素の除去を行うと言われます。
循環器疾患予防
大麦若葉の抗酸化作用によって、血中のコレステロールや中性脂肪を酸化から守ります。
酸化されたコレステロールや中性脂肪は血管を傷つける要因となり、血管が傷つくと修復の為にアテロームを形成します。
抗酸化作用はコレステロールや中性脂肪の酸化を予防すると言われることから、血管が正常な状態を保ち狭窄が出来るのを防ぐことに期待があります。
その為、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の循環器疾患予防に役立ち、生活習慣病予防に良いとされています。
癌予防
大麦若葉の抗酸化作用は細胞の酸化によって細胞が傷つくことから守ると言われます。
ポリフェノールの抗酸化作用は活性酸素の働きを抑えることから細胞を傷つけることを防ぐことから抗癌作用に期待があります。
ビタミンCにはNK細胞を活性化する働きがあると言われます。
大麦若葉にはβグルカンも含まれ、βグルカンには自らの免疫応答を高めることによって癌細胞を攻撃するという作用があると言われ、更に、疲れや肌荒れ、風邪から守るとのことです。
老化防止
大麦若葉の抗酸化作用は紫外線によってシミやシワ等の肌トラブルを抑制すると言われることから、老化防止に役立つと言われます。
大麦若葉にはコラーゲン生成に関わるビタミンCも含まれ、全身の細胞の構成に欠かせない蛋白質も含まれています。
蛋白質、ビタミンC、鉄分、亜鉛が相互的に働きかけることによって皮膚の創傷や傷の治癒を早めることに期待があります。
ビタミンCには一度出来てしまったシミやそばかすを目立たなくするという働きがあるそうです。
大麦若葉には不溶性食物繊維、βグルカンが含まれています。
腸内環境改善によって美肌効果が得られることに期待があります。
このようなことから、大麦若葉は皮膚の形成や美肌作りに優れた食品であることが言えます。
腸内環境改善
大麦若葉には先述の通り、不溶性食物繊維が豊富である上にβグルカンも含まれています。
不溶性食物繊維はプレバイオティクスとしての働きがあり、善玉菌の餌となって善玉菌の増殖に寄与します。
不溶性食物繊維は水分と一緒に摂る事によって便のかさを増し、排便を促すことに期待があります。
マグネシウムにも排便を促す働きがあり、便の滑りを良くして排便を促すと言われています。
腸内環境改善によって腸管内に溜まった有害物質や老廃物の排泄、排便コントーロールの改善、脳機能改善、免疫力強化、太りやすい体質を改善する等の効能に期待があります。
生活習慣病予防
大麦若葉に含まれる不溶食物繊維は、腸管から余分な糖分や中性脂肪の吸収を抑えると言われます。
βグルカンには血中コレステロールを下げる働きがあることが知られています。
大麦若葉には糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患、肝機能低下、胆石症、肥満等、生活習慣病をはじめとする様々な疾患予防に役立てる食品であることが言えます。
三大栄養素の代謝
大麦若葉は三大栄養素が含まれ、同時にビタミンB群も含まれています。
三大栄養素が体内でエネルギーとして利用されるにはビタミンB群の支えによって、エネルギーとして消費され、体内利用によって有酸素運動における疲労を抑制すると言われます。
また、ビタミンB群によって三大栄養素がエネルギーとして利用されることから体脂肪の蓄積を抑えることに期待がある上に、腸内環境改善による肥満体質改善も期待がされることから、肥満予防に役立てることが言えます。
目のトラブル予防
大麦若葉にはビタミンA、βカロテン、ビタミンB2、ビタミンC、ルテイン、ゼアキサンチンが含まれていることから眼のトラブル予防に良いと言われます。
βカロテンは体内においてビタミンAに変換し、網膜細胞の保護や光刺激反応に関わり、夜盲症の予防に役立ちます。
また、ビタミンB1やビタミンCが目の粘膜を強化することによってドライアイや涙目、充血、目の痒み、白内障から守ると言われます。
ルテイン、ゼアキサンチンの抗酸化作用は網膜黄斑に特異的に集積します。
ルテインとゼアキサンチンには紫外線等の有害な光から目を守る働きがあります。
ルテイン、ゼアキサンチンは活性酸素を無害化し、黄斑部を守り視力低下や加齢性黄斑変性症、白内障等の目のトラブルを防止することに役立つと言われます。
骨や歯の栄養
大麦若葉には骨や歯の材料となるカルシウム及びカルシウムを定着させるマグネシウムも含まれます。
大麦若葉にはビタミンKも豊富に含まれ、ビタミンKは骨に存在するオステオカルシンを活性化して骨調整を図ると言われます。
また、骨の形成にはコラーゲンも関わっており、コラーゲン生成にはビタミンCも関わります。
大麦若葉には骨の成長や骨粗鬆症予防に役立てる食品であることが言えます。
造血作用
大麦若葉に含まれるクロロフィルは「緑の血液」と呼ばれることがあります。
人間の血液は赤血球の材料として鉄分が利用され、血液の殆どが鉄分で占められていますが、クロロフィルはマグネシウムを中心として結合された構造をしています。
クロロフィルは体内に入ると血液中の鉄と結合してヘモグロビンの色素となります。
この作用によって造血作用、血球増加作用があり、貧血を改善すると言われます。
大麦若葉には赤血球の材料となる鉄分が含まれ、更にビタミンCによって非ヘム鉄をヘム鉄に還元され、鉄分の吸収を促進します。
この為、大麦若葉には鉄欠乏性貧血の予防や改善に期待があると言われます。
出産の成立
大麦若葉には葉酸が含まれています。
葉酸には細胞分裂を正常に行うと言われることから胎児の成長に必要な栄養成分と言われています。
また、妊娠中は鉄分やカルシウムの補給が欠かせません。
ただ、サプリメント等で過剰摂取してしまうと葉酸の吸収を抑えてしまう場合がありますので、適正量を守るようにしましょう。
また、男性由来の不妊症は精子が不足していることが起因しており、亜鉛が役立つと言われます。
薄毛対策
亜鉛には先述のような精子不足にも役立つ他、男性の薄毛対策にも良いと言われています。
抗ストレス効果
大麦若葉にはビタミンEコハク酸エステルという成分が含まれ、「プロラクチン」にて免疫機能を調整することによって精神面において安定を図ると言われます。
カルシウムには興奮抑制作用があり、ビタミンCには副腎皮質ホルモンの補酵素としてストレスの抑制のために利用されます。
大麦若葉には炭水化物、蛋白質、鉄分、マグネシウムが含まれ、更にビタミンB6と併せて摂取すると、セロトニン生成に役立ち、更に日光浴や適度な運動を取り入れることによってリラクゼーション効果を得られることに期待があります。
更にビタミンB1には脳や神経の機能を正常に保つ働きがあると言われています。
大麦若葉は栄養素が豊富なことから精神面での安定に寄与出来る食品であることが言えます。
血流改善
大麦若葉にはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムはカルシウムと共に電解質均衡を図り、細胞を正常に保つと言われています。
ナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、血中ナトリウム濃度が高い場合はナトリウムを排出させることによって、血圧を正常値に調整すると言われます。
また、ナトリウムが体外に排出されることによって浮腫みの改善にも繋がり、血流改善や冷え及び肩こりの解消にも期待があります。
肝機能維持
大麦若葉にはビタミンCやビタミンB1が含まれ、ビタミンB1はアルコールの代謝に関わります。ビタミンCはアセドアルデヒド分解を促すと言われます。
その為、大麦若葉には飲酒による肝機能低下を予防することに期待があると言えます。
栄養補給として十分に活用出来る
大麦若葉の数多くの効能は高齢者の栄養管理にも役立ちます。高齢者では低栄養が関連する健康面での問題を抱えています。
大麦若葉には骨粗鬆症、皮膚の創傷、認知症、貧血等、高齢者における栄養管理に役立つ食品と言えます。
また、大麦若葉は青汁に使用されていることが多い為、咀嚼嚥下機能が低下しているケースにも、工夫次第で安全に提供することが可能です。
注意点
数多くの効能が期待出来る大麦若葉ですが、ワーファリン等の抗血栓薬を服用している場合は、ビタミンKによって薬の効き目が弱まる場合があります。
薬都の相互作用が気になる場合や、医師や薬剤師に相談することをお勧めします。
まとめ
大麦若葉についてまとめます。
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大麦若葉は健康食品やサプリメントから摂取するケースが多いでしょう。
健康効果に期待が大きいですが、ワーファリンを服用されている場合は、薬との相互作用に注意が必要です。