「マカ」が何故、男性の滋養強壮に良いものとして注目されるのか?
それは「マカ」に含まれるアミノ酸の一つである「アスパラギン酸」が含まれているからです。
男性の滋養強壮の他にも蛋白質の代謝に関わることから、皮膚や爪、髪等の新陳代謝を高める働きがあると言われます。
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アスパラギン酸は旨味成分
アスパラギン酸はアミノ酸の一種であり、1806年にアスパラギンの加水分解物として発見されました。
アスパラギン酸はアスパラギン酸アミノフェナーゼという酵素によって生成されます。
アスパラに多く含まれ、昆布の旨味成分でもあり、熱に弱くやや水に溶けにくい性質を持っています。
アスパラギン酸は体内では大脳皮質や小脳、脊髄に存在し、中枢神経において神経伝達物質として働いています。
アスパラギン酸は食品に含まれているもののほかに、経口・経腸栄養剤やアミノ酸製剤等に用いられています。
紫外線の浴びすぎに注意
アミノ酸は構造の違いにより、L型とD型の2種に区別されます。
人体を構成するアミノ酸はすべてL型であると考えられてきましたが、L型は紫外線の影響によってD型に変化することにより、蛋白質の機能低下を招くことが明らかになったのです。
アスパラギン酸はD型に変化すると白内障やアルツハイマー型認知症に罹るリスクがあると言われます。
アスパラギン酸の働き
アスパラギン酸の働きには次のものが挙げられます。
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エネルギー代謝
アスパラギン酸は糖新生や蛋白質の代謝に関わり、エネルギー産生に寄与しています。
体内でグルコースが不足するとエネルギーが枯渇してしまいますが、アミノ酸の糖新生によって炭水化物以外のものからグルコースを作り出す時に、アスパラギン酸が利用されます。
アスパラギン酸はTCA回路を活性化する働きがあります。
蛋白質の代謝にアスパラギン酸が利用され、エネルギーを産生します。
(拡大図は上の画像又は青文字をクリック…クエン酸回路pdf)
アスパラギン酸は、疲労によってビタミンやミネラルが不足し、体調不良を招いた時に足りなくなった栄養素を体内に運んで体調を整える働きがあります。
疲労によって乳酸が溜まった時に、アスパラギン酸は糖新生や蛋白質の代謝機能によって疲労の原因となる乳酸菌を分解してエネルギーを産生します。
このようにアスパラギン酸には疲労回復効果があると言われています。
解毒
アスパラギン酸には利尿作用があり、有害なアンモニアを解毒し、オルニチン、アルギニンと供に働きかけることによって体外に排出します。
このアスパラギン酸のアンモニア解毒作用は、肝機能や腎機能を守ってくれるのです。また、肝硬変非代償期における肝性脳症や昏睡症状にも予防効果が期待されます。
中枢神経を守る
アンモニアの排泄は中枢神経を守ります。
中枢神経がアンモニアによってダメージを受けると、神経伝達物質としての機能が働かなくなり、脳への情報伝達やストレス抵抗性が崩れてしまい、更に脳梗塞や脳出血を起こすことが危惧されます。
アスパラギン酸には、このように、ストレス緩和作用や脳血管疾患の予防に役立つのです。
肌や髪、爪の成分
アスパラギン酸は蛋白質の代謝に関わることから、蛋白質の成分を作り出すことに関わっています。
その為、肌の新陳代謝を高める働きがあります。
アスパラギン酸はこの他にも肌に働きかける機能があり、保湿効果、コラーゲン組織の生成にも関わっています。
コラーゲンのアミノ酸組織にも利用されることから、アスパラギン酸には肌以外にも、髪や爪を健康に保つ働きもあります。
ミネラルバランスを整える
アスパラギン酸には体液のバランスを整える作用があります。
病気やストレスは体内のビタミンやミネラルを沢山消費します。
そうなると体内のミネラルバランスが崩れてしまい、カリウムやマグネシウム等の栄養素が不足してしまいます。
この時、アスパラギン酸は不足したミネラルを細胞に運び、崩れた栄養バランスを整えることによって体調を整えてくれます。
不妊症改善
アスパラギン酸は、男性の精力滋養に効果があると言われています。
アスパラギン酸には精子の質を表す精子数と活動量を増やす効力があり、更に不妊症改善にも効果があるそうです。
アスパラギン酸にはテストステロンの分泌にも関わっているそうです。
アスパラギン酸とアスパルテーム
人工甘味料に「アスパルテーム」があります。
アスパルテームにはアスパラギン酸が使用されています。
アスパルテームはアスパラギン酸が含まれているから健康効果があるのかというと、アミノ酸としての効能が享受されず、身体にとって有害なものになります。
欠乏症状及び過剰摂取障害、注意点
アスパラギン酸が不足すると、エネルギー産生が弱くなる為、疲労しやすくなります。
また、アスパラギン酸のアンモニア解毒作用を享受されにくくなるため、アンモニア濃度が高まり、肝性脳症のリスクを高めてしまいます。
アスパラギン酸の過剰摂取による害は特に報告はありませんが、アルコール代謝を阻害してしまう為、アルコールと一緒に摂取するのは避けた方が良いでしょう。
アスパラギン酸を含む食品
アスパラギン酸はアスパラガスの他に、豆類、さとうきび、牛肉に含まれています。
また、アスパラギン酸が配合されているスポーツドリンクからも摂取出来ます。
まとめ
アスパラギン酸の働きについてまとめます。
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アスパラギン酸は体内で合成出来ますが、加齢とともに合成量が減少してしまいます。
アスパラギン酸を含む食品を摂る際に気を付けたいのは、アスパラギン酸は熱に弱い性質があるので、加熱しすぎないことがポイントです。