生きとし生ける者には、避けて通れない宿命があります。
この世で生まれて人生のスタートを踏めば、必ず最後があります。
最後の迎え方は人によって異なり、最後を迎える時期も人それぞれです。
年齢を重ねる毎に身体は老朽化し、何等かの疾患を抱えることにより、その後の生命が左右されます。
ところが、どんなに医療に携わる人達が、懸命に治療を施しても、その道に行きついてしまいます。
ここ数年、終活について取り上げられるようになっています。
これは、自分だけの問題だけではなく、周囲の者も、この現実に対峙しなければならない日は、いずれやってくるものなのです。
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ACPとは?
ACPとはActiveCarePlanningの単語の頭文字をとった言葉です。
出産時はある程度誕生する日が予測することが出来ても、最後を迎えるのはいつのなるのかは分かりません。
意識がはっきりしている時かもしれませんし、既に意識不明、重度認知症により判断力を失っているのかもしれません。
つまり、自分の判断能力が残っているうちに、自分が望む医療ケアについて、予め考えておき、家族や医療、或いは介護サービス事業所などのケアに関わる者と、話し合いを繰り返し、情報を共有する取り組みを言います。
ACPは人生会議とも言い、厚生労働省では、11月30日を「人生会議の日」として、さまざまな施策を実施しています。
もしもの時とは言うものの…

元気な時に、人生の最期と言われても、中々受け容れることは出来ないでしょう。
数年前、40代の医師が帰らぬ人となってしまった事件が起こりました。
患者に向き合う良心的な医師であり、多くの人から別れを惜しまれました。
なぜ、事件に巻き込まれてしまったのか?
それは、患者様本人に生存してもらえるように、医療を施してほしかったが、家族の願いが届かなかったことでした。
医師をはじめとする医療関係者が、患者様に対してどんなに献身的に医療を施しても、100%終末を迎えることは避けられません。
これが家族にとって苦痛になる場合があり、家族自身の苦痛を取り除いてほしいと要求される場合があります。
ところで、人生の選択権は誰にあるのかというと。
それは本人です。
医療や介護の世界では、医療や介護を受ける本人にキーパーソンがいます。
それは、例え本人が意識不明になったとしても、本人だったらどのような医療を望むのか、本人を代弁することであり、キーパーソンの意向をぶつけるものではのないのです。
望む看取りとは

ベッドで寝た切り、意識不明、体には点滴の針が刺され、管が挿入されている、食事が食べられない、体を動かすことが出来ない。
考えただけでも絶望的になりますよね?
最期を迎えるのであれば、ピンピンコロリで逝くのか、眠るように自然と永い眠りにつくのか、このように迎えたいと考える人が多いのではないのでしょうか。
自分らしく
ピンピンコロリ、つまり、自分の人生は自分らしく、最後の最後まで人生を謳歌し、逝く時は一気に逝くという生き方。
これは、健康寿命をいかに延伸させるかがポイントになります。
年齢を重ねれば、腰や膝が痛く、筋力が落ちて思うように体を動かせなくなることに遭遇します。
中には、脳梗塞を起こしてしまい、半身麻痺により、車いす生活を余儀なく送る場合もあります。
そうならないためには、要介護状態になることを予防することが必要であり、これには、生活習慣病やサルコペニアを予防することがポイントになるのです。
生活習慣病、サルコペニア、いずれも予防には、栄養管理が欠かせないのです。
病院に受診し、検査をしたところ、病気が発見されるという前から手を打っておくのです。
その為には普段から偏食すること、ジャンクフードや加工食品、外食に頼った食生活、質の悪い調味料で濃い味付けをした料理の摂取、無理なダイエット、お菓子が食事代わりになっている、というようなことをやってはならないのです。
生活習慣病予防、筋力維持を図るための栄養を摂った上で、体を動かすことを心掛けます。
また、口腔機能を維持することも、健康寿命を延ばすポイントになるのです。
勿論、歯周病により、全身状態の悪化を招いては、本末転倒ですが、口から食べることは、生きる原動力に繋がるのです。
経管栄養、静脈栄養だった患者様が、経口摂取に移行し、たちまち顔色が良くなり、活力を取り戻すのは、食を五感で楽しむことにより、精神的に明るくなるとともに、口から食べることにより、咀嚼嚥下に関わる筋肉を使うため、経口摂取のための機能を維持することになります。
口腔内の清潔は、肺炎予防にもなります。
それは、口腔内の残渣が気管を介して、肺に侵入することを防ぐことになります。
それは肺炎予防になり、全身状態の重度化を予防します。
もし、介護保険サービスの対象になった場合は、介護保険で福祉用具を活用したり、デイサービス、リハビリを活用するなど、その人に適切なサービスを組み合わせることで、尊厳のある生活と出来るだけ長く付き合えるようにすることが可能になるのです。
永い眠りに付くように…
痛み、苦しみもなく、目をゆっくり閉じて長い眠りに付く。
また、カへキシアにより、食事療法では病状の改善が望めない場合、治療のための栄養管理を施すのではなく、その人が望む生活を支えるための栄養管理にシフトします。
緩和ケアには。疾患信仰初期、食欲低下、倦怠感期、看取り期の3段階があります。
ここでは、無理なく食べられるものを提供することで、食べることへの安心を支えられるように支援します。
また、ケアに携わる者の共通認識として、家族への心理的な支援をします。
本人が食事を食べられなくなると、強い不安を感じる家族もいます。
この時に、何でも栄養があるものを摂らせるのではなく、本人にとって食べやすいものが本人にとって安心で、現状ではベターな選択であることを説明する必要があります。
また、終末期の過ごし方は、食事面ばかりではなく、本人にとって有意義に感じる場を提供することも、その人らしい時間を支えることになります。
緩和ケアの状況によっては、栄養ケアの方向性が異なります。
| 状況 | 栄養ケアの方向性 |
| 疾患進行初期 | 栄養状態維持 体力温存を重視 |
| 食欲低下、倦怠感期 | 食べやすさ、好みを重視 補助食品の活用 |
| 終末期(看取り) | 無理せず「口から味わう」支援 家族への心理的説明 |
早期発見より予防
検査をしました、異常が出ました、薬が処方されました。
このように薬を処方された患者が量産されれば、医療費は圧迫します。
病院や薬に頼ることなく健康管理が出来ていれば、生活習慣病やサルコペニアを予防する事に繋がり、医療費の削減にもなるのです。

