フッ素が危険…発癌性、環境汚染を引き起こすPFAS

PFASとは、有機フッ素化合物のことを言い、その種類は10,000種を超えると言われています。

水や油を弾き、熱に非常に強い安定性があることから、あらゆる製品の機能を高め、利便性を高めています。

ところが、PFASは安全性が問われており、人体や環境問題への悪影響を及ぼす危険が孕んでいると言われています。





 

問題の発端

有機フッ素化合物は炭素原子にフッ素原子が結合した化学物質であり、自然界に存在しないものです。

2000年代に入り、フッ素化合物を体内に過剰に取り入れると、人体に悪影響を及ぼす頃が判明され、世界中でもその危険性が懸念されました。

その為、規制のが進められてきました。

PFASは安全性で問題視されているのがPFOAとPFOSです。

これらはあらゆる製品のコーティングに使われています。

フッ素加工されたフライパンを使うと、鍋に加熱した蛋白質や焦げがこびり付きにくいのは、これらの性質が活かされているからです。

主な用途は、以下の通りです。

  • フライパンや炊飯器等の調理機器。
  • 金属メッキ液
  • 歯磨き粉
  • 防水、防汚加工された布地、撥水加工剤、撥油加工剤
  • 包装容器、包装紙
  • 泡消火剤(消火器)
  • 塗料の材料
  • 農薬
  • 麻酔
  • タバコ等

 

PFOSの危険性

PFOSとは、ペルフルオロオクタンスルホン酸を言います。

海外において、PFOSは「残留性有機汚染物質に対するストックホルム条約(PoPs条約)」により、2009年に製造が禁止されました。

日本においても同年、製造、輸入が禁止されています。

PFOSは分解されにくい性質を持っており、永遠の化学物質と言われています。

その特徴は以下の通りです。

  • 分解されにくい
  • 蓄積しやすい
  • 広範囲に分散しやすい

PFOSは、発癌性やコレステロール値の上昇等の人体への悪影響が懸念されています。

詳細は明らかにされていませんが、国際がん研究機関では研究を進めている最中です。



 

PFOAの危険性

PFOAは、ペレフルオロオクタン酸のことを言い、テフロン加工されているフライパンのフッ素樹脂コーティングや撥水加工に使用されています。

PFOAとその塩は、排出されると自然環境下では分解されず、生物の体内に蓄積される危険性があることから、「PFOA又はその塩」が「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」の第一種特定化学物質に追加されました。

PFOAは「残留性有機汚染物質に対するストックホルム条約(PoPs条約)」により、世界においても日本においても2019年より製造、輸入の禁止が定められました。

これは2021年10月22日より施行されています。

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令より抜粋

(1)第一種特定化学物質の指定
化審法第2条第2項に規定された第一種特定化学物質として、「2・2・2―トリクロロ―1―(2―クロロフェニル)―1―(4―クロロフェニル)エタノール」及び「PFOA又はその塩」を指定します(化審法施行令第1条)。
(2)第一種特定化学物質が使用されている場合に輸入することができない製品の指定
第一種特定化学物質となる「PFOA又はその塩」が使用されている場合に輸入することができない製品として、以下の製品を指定します(化審法施行令第7条)。

  1. 耐水性能又は耐油性能を与えるための処理をした紙
  2. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした生地
  3. 洗浄剤
  4. 半導体の製造に使用する反射防止剤及びワニス
  5. つ水剤及びはつ油剤
  6. 接着剤及びシーリング用の充塡料
  7. 消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤
  8. トナー

  9. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした衣服
  10. はつ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした床敷物
  11. 床用ワックス
  12. 業務用写真フィルム

(3)第一種特定化学物質が使用されている場合に取り扱い等に係る基準に従わなければならない製品の指定
取り扱い時に国が定める技術上の基準に従わなければならない製品として、当分の間、「PFOA又はその塩」が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤を定めます(化審法施行令原始附則第3項)。

テフロン加工のフライパンは食品がくっつきにくいことから「使いやすさ」がセールスポイントとなりました。

しかし、このコーティングや撥水加工しているフッ素樹脂には、発癌性や発達障害を発症する等の報告がなされています。

PFOAは環境への残留性があることから環境汚染物質として規制の対象となっています。

また、PFOS同様に生物の体内にも蓄積することも懸念されています。

 

ペットボトルが危険と言われるのは?

市販のミネラルウォーターから、基準値の2倍ものPFASが検出されたことが明らかにまりました。

しかし、日本では、清涼飲料水に対するPFASの基準値が定められていません。

水道法において水質管理目標設定項目に位置付けられているものの、遵守は義務付けられていません。

ペットボトルの水が危ない、水道水が危ない、お勧めのペットボトル水等の情報が蔓延していますが、安全な水を探す答えは明確ではないのでしょう。

 

有機フッ素化合物による被害を防ぐには?

PFASによる被害を完全に防ぐ方法を見つけ出すのは、正直困難なことです。

フライパンを選ぶのであれば、PROAフリーの製品を選ぶのが無難でしょう。

安全な商品を選ぶことで自分の身を守ることに繋がりますが、環境汚染から地球を守ることも答えの一つと言えます。

香害やマイクロプラスチックのこともクローズアップされるこの頃ですが、化学物質が使用された製品を控えるだけでも、環境に与えるダメージはある程度抑えることは可能でしょう。

汚染された環境を元通りに戻すことは非常に時間のかかることですが、この問題の解決が、食の安全や海産物の収穫不足の問題の解消に繋がると言えます。

 
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