加工デンプンは加工食品の鮮度保持や食感の向上のために用いられている食品添加物です。
加工デンプンは、デンプンの欠点をカバーして、食品の質の向上を目的としています。
しかし、この加工デンプンの安全性への懸念の声が持たれています。
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加工デンプンの種類と用途
デンプンは米、小麦、芋、とうもろこし、豆類、タピオカ等に含まれています。
デンプンは、加熱によって質が変わります。
炊き立ての御飯がふっくらとして美味しいのも、焼き立てのパンがふっくらしていて美味しいのも、デンプンが加熱によってα化することで生じるものです。
しかし、時間が経ってしまうと、ふっくら感がなくなり、水分が抜けたようにパサパサになってしまいます。
そして、デンプンは水に溶けないという性質があります。
このようなデンプンの欠点をカバーしたものが加工澱粉です。
加工澱粉には次の12種類が該当します。
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ソースの粘度付け
アセチル化アビジン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプンは、離水を目的として使用されています。
デンプングリコール酸ナトリウムは増粘安定剤として用いられています。
粘度付けはソースだけでなく、ドレッシングにも活用されています。
パンや麺、フライの食感の向上
パンや麺類の多くは小麦粉から造られていますが、小麦粉のデンプンは老化しやすいという弱点があります。
これらの品質低下を防ぐために、アセチル化アビジン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化デンプンやヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプンが用いられます。
このうち、ヒドロキシプロピルデンプンは、保水性が高い性質があり、パンをもちもちとした食感に仕上げます。
麺類の場合は、コシの強さや軟らかさを調節するために用いられます。
フライの場合は、食感を改良するために、架橋デンプンや酸化デンプン、酢酸デンプンリン酸架橋デンプン、酢酸デンプンはパンやスナック菓子、揚げ物等に用いられています。
これらを使うことで、軽い食感、サクサクした食感に仕上げます。
リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化架橋デンプンは、冷凍食品やパン、菓子類など、幅広く用いられ、低温によるデンプンの老化防止作用が高いことから活用されています。
離水防止
練り製品の離水防止として用いられているのが、アセチル化アビジン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、アセチル化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンが用いられます。
これは、デンプンが老化によって離水を起こしてしまうという弱点を補うために用いられています。
アセチル化アビジン酸架橋デンプンは、練り製品のゲルを補強させて弾力を付けることによって、練り製品の粘度を安定させます。
乳化
加工澱粉は乳化を目的とする場合、ドレッシングに使用されます。
これに用いられるのが、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムです。
オクテニルコハク酸デンプンナトリウムは、親水性と疎水性の両方の性質を持つことから、乳化させる作用があります。
その他
酸化デンプンはつや出しを目的として用いられており、餅に使われます。
加工澱粉はこの他に、麵類の打ち粉として用いられます。
発癌性の疑い
加工澱粉は、食感の向上や品質保持に寄与しますが、中には海外で使用禁止されているものもあります。
それがヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉です。
これらは発癌性が疑われ、アメリカやヨーロッパの一部の国で、幼児向けの食品への使用が禁止されています。
リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸架橋デンプンは、オキシ塩化リンを加えて作用されて造られます。
この、オキシ塩化リンには毒性があり、吸入すると咽頭の痛みや咳、灼熱感、眩暈などの症状を呈するそうです。
リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸架橋デンプンは、安全性にやや懸念があると見ています。
酸化デンプンは、次亜塩素酸ナトリウムをデンプンと結合させて生成されることから、こちらも安全性に懸念があります。
しかし、原材料の表示では、乳化剤として用いられるオクテニルコハク酸デンプンナトリウム以外は、加工デンプンと表示されているため、どれが使用されているのかが明確ではありません。
それなので、加工澱粉は危険だという情報が溢れているのでしょう。
しかし、天然のデンプンそのものが悪くないにしろ、化学合成されているとなると、自然界に存在しないものが生まれてしまいます。
トランス脂肪酸や遺伝子操作によって有害化してしまったグルテンのことを考えると、出来るだけ控えるのが望ましいと言えます。
遺伝子組み換えが懸念
加工澱粉デンプンとの名称がある以上、加工澱粉には天然のデンプンが使用されています。
デンプンは、米、小麦、とうもろこし、じゃが芋、豆類、タピオカなどが原材料となります。
しかし、この原材料が遺伝子組み換え食品が用いられている可能性があります。
加工食品の多くは大量生産が必要であることから、原材料となるデンプンの需要もそれだけ高くなります。
需要が高く成れば、それだけ大量生産しなければならなく、作物の生産の効率化が求められます。
食品の遺伝子組み換えの目的の一つとして、効率化があります。
店頭にあれだけ沢山の加工食品が並べられていれば、それだけ加工澱粉を用いた商品は沢山あります。
加工澱粉そのものの発癌性とともに、遺伝子組み換えの材量が使用されている可能性があると見ておくと良いでしょう。
加工デンプンは完全に避けられない
加工澱粉を完全に避けることは現実的ではありません。
出来るだけ自炊を心がけていても、仕事が忙しくて帰りが遅くなってそれどころではない場合もあるでしょう。
外食先、特にチェーン店では加工されたものが使用されている事が多いので、外出やお付き合いで外出となると、やはり加工商品を完全に避けることは出来ません。
また、加工食品は加工澱粉だけではなく、他の食品添加物も使用されています。
内容によってはトランス脂肪酸や果糖ブドウ糖液糖が使用されているものもあるでしょう。
食品添加物は危ないと騒がれ、恐怖心を煽られる人もいるかと思います。
しかし、私達の体には、元々解毒作用が備わっています。
そのためには、肝臓や腎臓といった臓器の健康維持を図り、解毒作用を維持します。
そして、腸内環境を整えて、老廃物を溜め込まないようにします。
そのためには、普段から、お惣菜やコンビニ弁当、加工食品を中心とした食事をしないことが前提となります。
時々、断食を行って空腹状態をつくり、脂肪とともに有害物質を排出したり、汗をかいて汗から有害物質を排出します。
そして、食べる時は、楽しむことです。
笑うことは免疫力の向上にも繋がります。
楽しんで食べると、食品からの毒性による影響を、ある程度軽減します。
まとめ
加工でんぷんは完全に避けられませんが、普段から加工食品の摂取を控えることが、自分の体を守ることに繋がります。