何となく身体がだるい、低体温が見られる、太りやすい、その一方で心拍数が増える、汗をかきやすい、いくら食べても太らない。
これらの症状が見られる時は、甲状腺に何等かの異常をきたしている可能性があります。
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ゴイドロゲンと甲状腺
ゴイドロゲンとは化学物質の一つです。
このゴイドロゲンは甲状腺へのヨウ素の吸収を阻害し、甲状腺腫を起こす場合もあります。
甲状腺にヨウ素が不足すると、甲状腺機能に異常をきたしてしまいます。
また、甲状腺腫が引き起こされた場合、甲状腺に腫れが見られるようになります。
腫れ方には甲状腺全体が腫れるものもあれば、できもので腫れる場合があります。
甲状腺全体が腫れる場合は、ホルモンが過剰産生する場合もあれば、ホルモンが作られなくなる場合もあります。
この肥大が起こることで咳、呼吸困難、嚥下困難等の症状を呈してしまいます。
甲状腺ホルモン
ホルモンは、脳下垂体から分泌される「甲状腺刺激ホルモン」が分泌されると、甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンが分泌されます。
甲状腺ホルモンは正常に保つように調整されているため、甲状腺ホルモンの値が正常範囲内なのであれば、甲状腺刺激ホルモンの分泌を控えるようにします。
甲状腺機能が低下すると、甲状腺機能低下症を引き起こします。
機能が低下すれば低体温、浮腫み、疲労、便秘、徐脈といった症状が見られるようになります。
甲状腺ホルモンが増加して甲状腺機能亢進症になると、基礎代謝の亢進、発汗、痩せ、眼球突出、下痢、頻脈等の症状が見られるようになります。
ゴイドロゲンを含む食品
ゴイドロゲンは一部の食品に含まれています。
例えば大豆がその一つです。
大豆に含まれるイソフラボンもゴイドロゲンの一つであり、大豆を大量摂取することによってヨウ素の利用に影響を及ぼしてしまいます。
大豆は、味噌や納豆のように発酵したものを摂取する分にはそれほど影響はありません。
しかし、大豆そのものや、豆腐、おから、油揚げのように発酵せずに加工されたものから摂取すると影響を受ける場合があります。
ただ、大豆アレルギーによっても甲状腺機能亢進症のような症状を呈する場合もあります。
これは大豆に含まれるGiym4という蛋白質が大豆アレルギーを引き起こす原因となります。
この他にもアブラナ科の食品にゴイドロゲンが含まれます。
アブラナ科の食材は、スルフォラファンやイソチオシアネートが含まれ、抗酸化作用とともに癌予防に期待のある成分です。
この他にも松の実、ピーナツ、いちご、梨、ほうれん草、タケノコ、サツマイモ等に含まれます。
ただ、これらの食品は余程大量摂取をしないかぎり、それほど心配はありませんが、薬による副作用が生じている場合は、イソフラボンやスルフォラファン、イソチオシアネートが身体に良いからといって大量摂取することはやめておきましょう。
甲状腺機能を保つ栄養素
甲状腺機能を保つには、ヨウ素、亜鉛、セレンが必要となります。
ヨウ素
ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成に必要なミネラルです。
ヨウ素を含む食品は主に海藻類であり、特に昆布に多く含まれています。
ヨウ素は多すぎても少なすぎても甲状腺機能に異常をきたします。
海藻を食べる習慣の日本人なら不足の心配はありません。
海藻を中心とした小鉢を1日1回程度、及び御飯のお供や汁物の具材として少し使用する程度が適度でしょう。
亜鉛
亜鉛不足は甲状腺機能に支障をきたします。
亜鉛は、FT3の合成に関わるからです。
セレン
甲状腺は他の臓器よりもセレンの濃度が高い部位です。
その為、ヨウ素同様に甲状腺ホルモンの合成や代謝に重要な役割を担っています。
栄養不足にならないためには?
ヨウ素、亜鉛、セレンの中でも亜鉛は不足が見られます。
ヨウ素は海藻類を摂っていれば不足する心配はありませんし、セレンは普段から栄養バランスの整った食事を摂っていれば不足の心配のないミネラルです。
但し、セレンは毒性があります。
特にブラジルナッツにはセレンが突出して多く含まれるため、1日あたり3~4粒程度に留めておきましょう。
亜鉛不足は偏食、日常的な加工食品やジャンクフードの摂取が主な原因です。
リン酸塩が使用されている食品はミネラルの吸収を阻害してしまいます。
カルシウムやマグネシウムが影響を受けやすいと言われていますが、亜鉛も他人事ではないので、加工食品やお惣菜等、食品添加物が使用されているものは控えるようにしておきます。
まとめ
ゴイドロゲンは、特に身体が健康な場合はゴイドロゲンを含む食品を大量摂取しない限り、それほど心配はないと考えられます。
但し、薬剤の副作用等で症状を呈した場合は、ゴイドロゲンを含む食品の摂り過ぎに気を付けると良いでしょう。
ミネラル不足を起こさないためにも、インスタント食品やお惣菜に頼るより、出来れば自炊したものを召し上がるのが身体のためとなります。
インスタント食品やお惣菜、ジャンクフードに頼った食生活は食品添加物の日常的な摂取による毒性とともに、栄養バランスの崩れによって体調を崩してしまいます。
体調が優れない時は医薬品に頼る前に、食生活や生活習慣を振り返ってみましょう。