ピスタチオには栄養豊富で、他の種実類より栄養成分を多く含むことから「ナッツの女王」と呼ばれています。
ピスタチオには他のナッツ類に含まれないファイトケミカルが含まれています。
そのファイトケミカルは「天然のサングラス」と呼ばれるルテイン、ゼアキサンチンです。
Table of Contents
ピスタチオの歴史
ピスタチオはウルシ科ピスタキア属の落葉樹です。
中央アジアや西アジアが原産地であり、主にイランやトルコ、シリア、アメリカなどの乾燥地で生産されています。
硬い殻の種子には黄色~緑色の仁が入っているのが特徴で、この仁の部分が可食部分となっています。
実はピスタチオは約4000年前から古代エジプトやペルシャで自生していました。
紀元前にはローマに伝わり、日本には19世紀に伝わりました。
しかし、湿度が高い日本の気候や風土から栽培には向かず、定着しませんでした。
ピスタチオの栄養
ピスタチオにはリノール酸、オレイン酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、カリウム、鉄分、銅、βカロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、食物繊維が含まれています。
ピスタチオには次のような健康効果に期待があります。
|
循環器疾患予防
ピスタチオには不飽和脂肪酸のオレイン酸や必須脂肪酸のリノール酸が含まれています。
オレイン酸にはLDLコレステロール値上昇抑制効果があり、リノール酸にはLDLコレステロールを溶かして体外に排出する働きがある為、高血圧、高脂血症、動脈硬化の予防に役立ちます。
ピスタチオにはカリウムも含まれています。
カリウムには体内の余計なナトリウムを排泄することによって、血圧を調節します。
オレイン酸やリノール酸の働きと相乗し、血圧を降下させる働きがあるとのことです。
ピスタチオには抗酸化作用があり、中性脂肪やLDLコレステロールを酸化から守ることによって血管壁の硬化や血管壁を傷つけることを防ぎます。
その為、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化、血栓症、心疾患、脳血管疾患の予防に期待があります。
造血作用
ピスタチオにはヘモグロビンの構成成分となる鉄分が含まれているます。
銅も含まれている為、ヘモグロビン形成をサポートします。
その為ピスタチオには貧血予防効果が期待出来るのです。
便秘の解消
ピスタチオには食物繊維が豊富に含まれています。ピスタチオに含まれる食物繊維は不溶性食物繊維であり、水分と一緒に摂ると便のかさを増し、排便を促す働きがあります。
その為、腸内環境を整える働きがあります。
また、ピスタチオにはオレイン酸が含まれているので、腸の蠕動運動を促す働きがある為、更に便通改善効果を高めます。
不溶性食物繊維は腸管から余分な糖の吸収を抑える為、食後血糖値が急激に上昇することを抑えます。
三大栄養素の代謝に関与
ピスタチオにはビタミンB1、B2、B6が含まれています。
ビタミンB1は糖質がエネルギーとして利用されるのに必要とします。
ビタミンB1は糖質から変換されたピルビン酸をアセチルCoAに変換する過程に必要となり、ビタミンB1が不足してしまうとクエン酸回路への移行されず、有酸素運動を行っても運動時に乳酸が発生することによって疲労しやすくなります。
ビタミンB2はクエン酸回路にて有酸素運動時に体脂肪がエネルギーとして利用されるときに補酵素として働きます。
ピスタチオは糖や体脂肪がエネルギーとして利用されることを、このようにサポートしているのです。
ビタミンB6は蛋白質の代謝に欠かせない栄養素です。
蛋白質の摂取量に応じてビタミンB6の需要は高まります。
蛋白質には筋肉や骨、臓器や血管等の体組織を作る基盤となる栄養素であり、そのほかにも神経伝達や免疫、栄養素の運搬等の大事な役割が複数あります。
ビタミンB6の摂取があってこそ蛋白質の働きが発揮されるのです。
その為、筋肉を付けたいというニーズにも応えられ、筋トレ、ダイエット、筋力低下防止等に活用出来る食品の一つであることが言えます。
目のトラブル予防
ピスタチオにはファイトケミカルのルテイン、βカロテン、ゼアキサンチンが含まれています。
ルテイン、ゼアキサンチンは白内障や加齢性黄斑変性症の予防効果があると言われ、
ルテイン、βカロテン、ゼアキサンチンは抗酸化作用によって更にこれらの眼病予防効果が期待されます。
ルテインは目の水晶体に存在し、ルテインは眼に有害なブルーライトや紫外線を吸収する働きがあります。
βカロテンは体内でプロビタミンAに変換されることから、ビタミンAとして働きます。
ビタミンAは網膜細胞の保護や光刺激反応に重要な役割を担っています。
ビタミンB2は粘膜生成に関わり、目の痒みやドライアイ、涙目、白内障の予防効果があると言われています。
紫外線のダメージから守る
ルテイン、ゼアキサンチンは紫外線から網膜を守る働きがあります。
目から入る紫外線量を減らすことによって、身体を紫外線によるダメージから守ります。
βカロテンやルテイン、ゼアキサンチンは抗酸化作用があることから、皮膚や細胞を老化から守り、癌予防、アンチエイジング効果に期待があります。
また、ピスタチオには油脂が含まれている為、ルテイン、βカロテンが吸収されやすくなっています。
ピスタチオは湿気に弱い
ピスタチオは湿気に弱い食物です。湿気を含んでしまうと酸化しやすくなり、香りが落ちてしまいます。
保存する場合は瓶や缶などの密閉された容器に入れて冷蔵庫の野菜室に入れると良いでしょう。
食用の仁は緑色の方が質も味も良いとのことです。
注意点
ピスタチオを摂る際には以下の点に気を付けます。
腸管トラブル
ピスタチオは不溶性食物繊維が豊富であり、ナッツ類であることから脂質含有量も多いです。
腸閉塞を起している場合は、腸管の神経障害や閉塞が見られ、不肖性食物繊維の摂取によって腸管を詰まらせる危険性があります。
腸管を詰まらせると腹部膨満や嘔吐の症状を呈する場合があります。
また、腸に炎症がある場合やお腹を壊している場合も摂取を控えます。
食物繊維の多いものを摂取することによって更に腸管を傷つけたり、お腹を下すことにもなります。
腎不全末期
ピスタチオはカリウムが豊富ですが、沢山食べ過ぎるとカリウムの過剰摂取にもなります。
カリウムは高血圧予防効果のある栄養成分と言われていますが、腎不全が進行している場合は、排泄機能が正常に働かないため、体内にカリウムが蓄積されやすくなります。
血中カリウム濃度が高くなることによって不整脈を起こすリスクがあり、腎性心不全に至る場合があります。
摂りすぎによる生活習慣病
リノール酸は少量であれば生活習慣病予防に役立ちますが、摂りすぎは逆に生活習慣病を引き起こす原因となります。
また、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸比率は1:1~3が理想的であり、リノール酸を多く摂取すれると脂肪酸比率が方より安くなります。
体質劣化
オメガ6脂肪酸に偏ってしまうと、体質劣化を引き起こしアレルギー体質となったり、生まれてくる子供がアトピーで生まれるリスクが高くなります。
肥満
ピスタチオはナッツ類で脂肪分が多いことから、食べ過ぎはカロリーオーバーとなります。
まとめ
ピスタチオについてまとめます。
|
ピスタチオの1日あたりの摂取量は45粒が適度と言われています。
一度に沢山食べず、少量を何回かに分けて摂ると良いでしょう。