現代では、古代のイネの品種が持っていた特色を濃く残したイネのこと「古代米」と呼んでいます。
古代米の品種は近年栽培されている品種よりも草丈が高く、倒れやすく、収穫量が低く、脱粒性も大きい等の特色があります。
このような性質は栽培にあたってあまり歓迎されない為、栽培量も少なくなります。
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古代米の歴史
イネの起源はインドのアッサムから中国の雲南地域と言われてきました。
しかし、近年では中国浙江省の河姆渡遺跡からイネの炭化種子が発見されたことにより、紀元前5000年前に長江下流域で栽培された説が有力と言われます。
日本へは、縄文末期頃から稲作文化をもった人々が日本へ移住し栽培を始め、それが先住の人々の間に広まったというのが稲作の発祥とされています。
古代米の品種
「古代米」と呼ばれるイネの中には「黒米」「赤米」「緑米」「香り米」という玄米に独特の色や香りを持ち、その特徴によって品種改良の対象にもされないにも関わらず、日本や世界の片隅で栽培されている品種があります。
黒米や赤米などの有色米は、糠層すなわち玄米の種皮と果皮いずれか、また両方に色素が含まれるものをいい、黒、赤、緑等の色素があります。
黒米はアントシアン系の色素、赤米はタンニン系の色素、緑米はクロロフィル系の色素を持っています。
黒米
古代米の中の黒米にはアントシアニンが含まれています。
アントシアニンは食物に含まれるポリフェノールの一種です。
アントシアニンには抗酸化作用を始め、老化防止、眼の疲労回復や白内障予防、視力増強、肝機能強化、高血圧予防等の作用があると言われます。
白米や赤米にも抗酸化作用があるとのことですが、古代米の黒米にはアントシアニンが含まれていることから強い抗酸化作用があると言われています。
黒米の糠には、ビタミンB、ビタミンE、リン、カルシウムが含まれます。糠に含まれるビタミンEにも抗酸化作用がある為、アントシアニンとの相乗効果が期待出来ます。
また、ビタミンB群は、炭水化物、脂質、蛋白質の代謝に関わり、細胞内でエネルギーが利用されるのに必要な栄養素です。
リンやカリウムは骨や歯の栄養分としての役割があります。
赤米
赤米には玄米の種皮または果皮にタンニン系の赤色色素を含みます。
タンニンとは、植物に由来するポリフェノールの総称です。
タンニンには抗菌効果があると言われ、風邪やインフルエンザの予防他、コレラ菌、赤痢菌、チフス菌、呼吸器に感染する百日咳菌、マイコプラズマ、腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌等の抗菌効果があることが明らかにされています。
更に、胃、十二指腸潰瘍の原因と言われるヘリコバクターピロリ、腸管出血性大腸菌O157、多くの抗生物質が効かないと言われるMRSA、ペニシリン耐性肺炎球菌などに対しても同様の効果があると言われています。
タンニンにはこの他に抗酸化作用、整腸作用、抗アレルギー作用があると言われています。
緑米
緑米は、国内の生産が少ないことから「幻の米」とも言われています。
緑米ににはクロロフィルというファイトケミカルが含まれており、マグネシウムを運搬する働きがあります。クロロフィルには、消臭、抗菌効果、コレステロール調整効果があると言われます。
更に亜鉛、マグネシウム、食物繊維も豊富に含まれ、造血作用、血液浄化作用、貧血予防等の効果も期待出来ます。
まとめ
カロリーについては古代米も白米も大差はありません。
古代米と白米の違うところは、古代米の方が栄養価が高く、食物繊維の含有量も多いところです。食物繊維も多く、ビタミン類やミネラルが多いことからダイエット効果も期待出来ます。
ダイエットを目指すのであれが、古代米を普段の食事に入れつつ、日常生活の中で身体を動かすことを心がける必要があります。
それによって古代米から摂取したエネルギーが、ビタミンB群によってエネルギーの利用が促進され、結果ダイエットに繋がるのです。