アルギン酸は昆布やワカメ、ひじき、モズク等の海藻類に含まれるヌメリ成分で多糖類の一種です。
アルギン酸には水溶性のものと不溶性のものがあります。
水溶性のものには一価イオンとナトリウムが結合することによって生成される「アルギン酸ナトリウム」「アルギン酸カリウム」「アルギン酸アンモニウム」などがあります。
不溶性のものは鉄やカルシウム等の多価イオンとナトリウムが結合することに生成される「アルギン酸カルシウム」等があります。
アルギン酸は海草類の3割から6割程含まれています。
アルギン酸はゲル化剤としても利用されています。
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アルギン酸の働きは食物繊維そのもの
アルギン酸の効能と言えば食物繊維の働きそのものです。
アルギン酸には不溶性食物繊維が含まれており、腸の蠕動運動を促すとともに、善玉菌の餌となって善玉菌を増殖させるというプレバイオティクスとしての効能があります。
水溶性食物繊維は便を柔らかくして排泄を促すに、腸管内のPHを整えることによって善玉菌を優位にします。
そして海草類と言えば、お味噌汁にワカメ、ひじきの煮物、もずく酢の物というように、醤油やお酢といった発酵調味料と組み合わせて調理されている料理が数多く、この組み合わせは腸内環境改善の面においても理に適っています。
生活習慣病予防
不溶性食物繊維は腸管からの糖の吸収を抑え、水溶性食物繊維には血液中の余分なLDLコレステロールや中性脂肪を排出する働きがあります。
その為、糖尿病をはじめ、脂質異常症、高血圧症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病予防効果があることが言えます。
胆石症予防
アルギン酸は体内の余分なコレステロールを排泄することから、胆石症予防効果にも期待出来ます。
通常コレステロールは「ミセル化」といって膜で覆われている状態で体内に存在しています。ところが、コレステロールが過剰になるとミセル化が間に合わなくなってしまう為、胆嚢にコレステロールが蓄積し、結晶化することによって激痛が起こります。
この症状が胆石症ですが、余分なコレステロールを排泄することによって、胆嚢へのコレステロール蓄積による結晶化を予防することによって胆石症予防効果があるということが言えます。
胆石症の予防にはアルギン酸等の水溶性食物繊維を摂る事も大切ですが、普段から肉類は揚物等の脂っこいものを食べてばかりいると、コレステロールの蓄積が著しく、アルギン酸やサプリメントでのフォローが効かなくなってしまいます。
肉類や揚物の摂取を控え、普段から和食を中心としたあっさりしたものをメインに食事を摂る事も胆石症の予防に繋がります。
アルギン酸を含む食品は低カロリーで低GI
アルギン酸を含む海草類と言えば低カロリーで低GIです。
糖尿病に罹患すると食欲のコントロールに苦しみます。糖尿病と診断をされて無暗矢鱈に小食に走ってしまう人もいます。
ところが、海藻類は寧ろ低GIで低カロリーである上に、糖の吸収を抑える働きがある為、安心して摂っていただける食材なのです。
摂取上の注意点
アルギン酸は元々海草類に多く含まれていることから、多量摂取をするとヨウ素の過剰摂取してしまいます。
ヨウ素の箇条摂取は甲状腺機能が正常に働かなくなることに繋がり、甲状腺ホルモンが正常に分泌されなくなります。
これによって甲状腺ホルモン亢進症を起こしてしまい、基礎代謝量の増加、体重減少、頻脈、眼球突出等の症状を呈してしまいます。
特に昆布にはヨウ素が多く含まれている為、「切り昆布の煮物」のように昆布が多めに使われている料理の場合は、海藻を使った料理は1日1回に留めておくと良いでしょう。
まとめ
アルギン酸を摂るには海藻を摂ることを心がけます。
低カロリー、低GI、健康的ですが、沢山摂りすぎることもヨウ素の過剰摂取に繋がってしまいます。