炭水化物である糖質、デンプンは人体の主要なエネルギー源です。
炭水化物は消化吸収されてどのように利用されるのか?
また、炭水化物の種類とそれぞれの特徴について見ていきましょう。
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吸収後の炭水化物
食べ物として摂取された糖類、デンプンは消化酵素によって分解され、単糖類となってから小腸に吸収され、毛細血管内の血液に入り、門脈を通して肝臓に運ばれます。
吸収された単糖のうち、果糖とガラクトースの多くは肝臓でブドウ糖に変換されます。
ブドウ糖の一部はそこでエネルギー源となりますが、肝臓から血液に送られたブドウ糖は、神経、筋肉、その他の組織でエネルギーとして利用されます。
ブドウ糖は細胞内にてクエン酸回路を経て代謝され、エネルギーが産生されます。
(拡大図は上の画像又は青文字をクリック…クエン酸回路pdf)
体が活動している時は、ブドウ糖は次々とエネルギーに変換されます。
すぐに使われない場合はインスリンの作用によって「グリコーゲン」に変えられ、肝臓や筋肉に蓄えられます。
余ったブドウ糖は「体脂肪(中性脂肪)」として蓄えられます。
その為、消費エネルギーより活動エネルギーが低いと、ブドウ糖が次々と脂肪として体脂肪に蓄えられ、肥満や生活習慣病を招いてしまいます。
炭水化物の種類
炭水化物は主に炭素、水素、酸素から出来ています。
その最小単位が「単糖」であり、ブドウ糖、果糖、乳糖などがあります。
単糖が2~20個結合したものを「オリゴ糖」、単糖が多数結合したものを「多糖」と呼びます。
単糖類
単糖類には「ブドウ糖(グルコース)」「果糖(フルクトース)」「ガラクトース」があります。
単糖類の中のブドウ糖は自然界に広く分布しています。甘味のある果物に多く、根菜類にも含まれています。血液中には0.1%含まれています。
果糖は果物やハチミツに多く存在します。糖類の中で最も甘味が強いのが特徴です。
ガラクトースは乳汁中に乳糖の構成成分として存在します。
多糖類
多糖類は2糖類と3糖類からなり、2糖類には麦芽糖、ショ糖、乳糖があり、3糖類にはラフィノースがあります。
多糖類はエネルギー源になるものとならないものがあります。
エネルギー源としてなるものにはデンプン、デキストリン、グリコーゲンがあり、エネルギー源にならないものには、セルロース、ガラクタン、ペクチンなどがあります。
二糖類
麦芽糖の構造は2つのブドウ糖からなります。大麦を発芽させた麦芽で、デンプンを糖化させてつくる麦芽あめに多く含まれています。
ショ糖はブドウ糖と果糖からなる構造となっています。主にサトウキビの茎、甜菜の根に含まれ、一般的に「砂糖」と呼ばれるものです。
乳糖はブドウ糖とガラクトースが結合した構造となっており、人乳(7%)、牛乳(4.5%)に含まれています。
三糖類
3糖類であるラフィノースはブドウ糖と果糖とガラクトースが結合した構造をしており、甜菜、大豆、綿実に含まれています。
デンプンは非常に多数のブドウ糖が結合した構造となっています。
穀類、芋類、豆類の多くに含まれ、日本人のエネルギー源として最も多いものです。
デキストリンとグリコーゲンは多数のブドウ糖から作られて構造をしています。
デキストリンはデンプンを分解した時に産生され、グリコーゲンは主に筋肉や肝臓に含まれる、動物エネルギー源の一つです。
エネルギー源とならないもの
エネルギー源とならない炭水化物のセルロールは多数のデンプンからなり、植物生体膜の主要成分となります。
ガラクタンは多数のガラクトースから成り、寒天に含まれています。
ペクチンは多数のガラクトースとその他の単糖類が結び付き、果実に含まれている物です。
その他に、こんにゃくに含まれるコンニャクマンナン、甲殻類に含まれるキチン(キトサン)、植物細胞壁に見られるヘミセルロースがあります。