水分調整によって痛みから守る「コンドロイチン」

コンドロイチンはギリシャ語で軟骨を意味する「コンドロス」が語源となっています。

プロテオグリカンという軟膏成分の一つでムコ多糖類を代表する物質であり、主に関節軟骨に多く、脳神経組織や臓器にも含まれ、重要な機能を担っています。蛋白質、核酸に続く第3の生命鎖として注目されている糖鎖化合物に属しています。

コンドロイチンは、結合している硫酸基の位置と数によりA、B、C、D、Eの5種類が存在することが分かっています。

コンドロイチンはグルコサミン同様に加齢とともに体内で生成される量が少なくなります。25歳をピークに30歳を過ぎると生産量が1日あたりの必要量の約20分の1にまで減ってしまいます。

 

コンドロイチンの働き

コンドロイチンは体内で以下のような働きをします。

  • 水分調整
  • 痛みの調整
  • 高血圧や動脈硬化の予防
  • カルシウムの代謝
  • 角膜の成分

 

水分調整

コンドロイチンの働きに特に深く関わっているのは水のコントロールです。

人体の水分量は男性で約60%、女性で約50%ですが、乳幼児の約80%から加齢によって徐々に失われます。

コンドロイチンは若さと健康を保つ為の水分喪失防止に重要な役割を担っています。

コンドロイチンを構成している硫酸基とカルボキシル基はマイナスに帯電しているため、1本1本のコンドロイチンの鎖は互いに反発し、その間に隙間をつくります。コンドロイチンはこの隙間に水の分子を引き寄せ、水分を保持します。

この水分の中には酸素や栄養分も含まれている為、コンドロイチンは各組織にこれらの成分を各組織に分配する働きがあります。

更に皮膚に含まれるコンドロイチンはコラーゲン繊維に密に組み込まれ、コラーゲン繊維に水分や栄養を供給するため、肌にハリや艶、弾力を与え、美肌効果をサポートします。

また、髪や爪等にも保水性を向上させる働きがあります。

 

痛みの抑制

コンドロイチンには痛みをコントロールする働きもあります。

痛みの発生には筋肉痛、腰痛、神経痛、関節痛の原因となる「発痛物質」と言われる物質が関与しています。コンドロイチンには痛みの根本原因である発痛物質を吸着し、排泄することによって痛みを抑える働きがあります。

コンドロイチンは加齢とともに減少することにより、軟骨がすり減って関節痛を起こしやすくなります。

コンドロイチンは軟骨の成分であることから、加齢によってすり減った軟骨に保湿性や弾力性を与えて修復、再生することによって、関節痛の改善に役立てるのです。

コンドロイチンはこのように老化と関係の深い水分保持や発痛物質に対する優れた働きがあるので、高齢者にとって特に重要な成分であることが言えます。

 

高血圧や動脈硬化の予防

コンドロイチンには血液中の過酸化脂質やコレステロールを除去する働きもあるのです。

その為、高血圧や動脈硬化等の循環器疾患の予防にも役立てます。

また、コンドロイチンは各組織の構成の働きを正常にするため、腎疾患等臓器に関わる疾患の改善をサポートすると言われています。


 

カルシウムの代謝

コンドロイチンはカルシウムの代謝にも関係しています。

骨の成長や回復にも関わっております。

この働きを十分に生かすには骨の栄養となるカルシウムやマグネシウム、リンをバランス良く摂ることです。

 

角膜の成分

コンドロイチンは涙に近い成分で角膜の成分でもある為、ドライアイの改善を助けます。

また、コンドロイチンは白内障術後の眼圧上昇を抑制する働きもあり、目に対する症状の改善を助けます。

 

コンドロイチンを含む食品

コンドロイチンを含む食品には納豆、山芋、オクラ、海藻類、なめこ、フカヒレ、うなぎがあります。

 

注意点

コンドロイチンは薬品やサプリメント不適切な摂取により、上腹部通、吐気、咳嗽、発熱、呼吸困難の症状を起こす場合があります。

薬品やサプリメントから摂取する場合は1日あたりの摂取量を守る必要があります。

 

まとめ

コンドロイチンの働きについてまとめます。

  • 水分調整
  • 痛みの調整
  • 高血圧や動脈硬化の予防
  • カルシウムの代謝
  • 角膜の成分

コンドロイチンを含む食品の中でも手軽に食べられるものは、ネバつきやヌルつきのある食品が占めています。

このような食品を日常的に取り入れることを心がけると良いですが、ネバネバしたものおやヌルヌルしたものが苦手な場合はサプリメントを活用すると良いでしょう。

その際には使用量を守った上でサプリメントを摂るようにしましょう。

 
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