糖の吸収が緩やかで腸内環境を整える「マルトース」

マルトース(麦芽糖)はグルコース二分子がα1.4グリコシド結合した二糖類で、麦芽、水飴、蜂蜜、米、麺類、さつま芋等に含まれています。

御飯をしばらく噛んでいるとほんのり甘さが出るのがマルトースの甘さであり、その甘さはフルクトースの3割程度です。

マルトースは水に溶けやすく、加熱による変化の影響を受けにくく澱粉質食品の老化抑制作用があることから、菓子類や佃煮類に用いられます。

 

マルトースの特徴

マルトースは二糖類の為、砂糖を摂取したよりも糖の吸収が抑えられます。

砂糖の場合はそのまま腸管までダイレクトに行き渡り、小腸において素早く吸収されます。

一方。マルトースは砂糖より分子が多いことから腸管からの吸収を抑え、食後の血糖値上昇を緩やかにします。

マルトースには発酵作用によって腸の蠕動運動を促進する為、腸内環境を整える働きがあり、酸に反応しにくい性質もあるので、虫歯予防効果もあると言われています。

 

「ダイエット効果」に釣られないように

太りにくく虫歯になりにくく、便秘にも良いとなると、マルトースは沢山食べても大丈夫!と思うかもしれませんが、マルトースは易消化性炭水化物の一つです。

いくら糖の吸収が緩くて血糖値を上げにくく肥満になりやすいからと言って沢山食べてしまうと、間違いなく太ってしまいます。

マルトースは甘さが控えめなことから、甘味を付けるのに物足りないと思って沢山摂ってしまうと、糖分摂取量もカロリー摂取量も増えてしまう為、肥満や糖尿病、中性脂肪の上昇に繋がってしまいます。

また、マルトースの摂り過ぎは脂肪を肝臓に蓄える際、そのキャパシティーを超えてしまって、脂肪肝に罹患し、肝機能悪化を招いてしまいます。

体内に糖が余分に蓄積してしまうと、AGEsという老化物質が体内に増えてしまいます。

この老化物質は体内のあらゆる部位を痛め付けてしまい、骨粗鬆症、腎機能低下、動脈硬化、脂質異常症、糖尿病合併症等の症状を引き起こす上、皮膚や髪を老化させてしまいます。

くれぐれも「ダイエット」の一言に釣られないように気を付けましょう。


 

アレルギー

大麦アレルギーがある場合は一度に大量摂取した際にアレルギー反応を起こすことがありますので、身体に合わない場合は摂取を控えておくと良いでしょう。

 
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