5-ALAとは、5-アミノレブリン酸のことを言います。
この成分は動物や植物から作り出される成分であり、生命の根源物質と呼ばれるアミノ酸の一つなのです。
この成分はヘム鉄の前駆物質となっています。
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5-ALAの代謝
ヘム鉄の前区物質となる5-ALAは、ミトコンドリアにて生成されます。
生成された5-ALAはミトコンドリアの外に出て、ほぼ完成状態であるプロトポルフィリンⅨに組み立てられ、再びミトコンドリア内に入ります。
この5-ALAに鉄原子が結合され、ヘム鉄が形成されます。
5-ALAはジペプチドというアミノ酸が二つ重なった構造をしている為、トランスポーターにて細胞内に取り込まれます。
5-ALAの働き
ヘモグロビンに含まれる5-ALAは酵素とヘムが周囲の状況によって結合、遊離を繰り返し、取り入れた酸素を肺から全身に運搬します。
また、動植物の「呼吸鎖複合体」としての役割を担います。
植物に含まれる5-ALAは光合成の際に、8つの5-ALAが結合することで葉緑素(クロロフィル)が生成されます。
クロロフィルは体内に入ると鉄と結合してヘモグロビンの色素となります。
5-ALAには次の作用があります。
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ミトコンドリアの活性化
ミトコンドリアはエネルギーを利用する器官であり、ミトコンドリアで生成されたヘムは、呼吸鎖複合体として取り込まれていきます。
このエネルギー消費の過程において、呼吸鎖複合体は食物から取り入れたエネルギー源からATPを生成します。
癌細胞の発見
ヘム鉄の前区物質であるプロトポルフィリンⅨ(PpⅨ)は、ブルーライトが当てられると赤い光を跳ね返します。
また、癌細胞はヘム鉄を生成する時に、多量の5-ALAが取り込まれると癌細胞はヘム鉄を作ることが出来なくなります。
その為、5-ALAが取り込まれた癌細胞はブルーライトで青く光ります。
PpⅨは光を浴びることによって活性酸素を生成します。
この活性酸素の毒性が癌細胞を選択的に死滅させると言われます。
抗酸化作用
活性酸素は本来存在すべきではない部位にあると、毒性を示します。
これを制御する物質がヘムオキシナーゼ-1(HO-1)です。
HO-1はヘム鉄が過剰に生成されると破壊することによって体内のヘム鉄の量を一定に保ちます。
ヘム鉄が破壊されると、ビリルビンと一酸化炭素が活性酸素を消去します。
この時、5-ALAがHO-1を誘導してビリルビンと一酸化炭素を生成し、抗酸化作用としての作用を発揮します。
免疫力強化
5-ALAは免疫細胞の中でHO-1を増殖させます。
この時、免疫細胞の暴走による生態への有害な反応を抑える作用を持つということが知られるようになりました。
また、5-ALAは、mRNAのG4構造を阻害し、サイトカインストームを抑制することが知られるようになっています。
5-ALAを含む食品
5-ALAを含む食品には次のものが挙げられます。
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この中でも特にユーグレナは血液を作るのに必要な鉄分、葉酸、ビタミンB12が含まれる上に、ビタミンCも豊富です。
納豆は腸内環境を整える上に、抗血栓薬に匹敵する程の血栓症予防効果や癌予防効果に期待があり、大豆由来の発酵食品にはビタミンB12も含まれています。
但し、ユーグレナやほうれん草のような緑色の野菜や納豆の摂取は、ワーファリン服用の場合、薬との相互作用によって薬の効果を弱めてしまいます。