トレハロースはきのこ類や海藻類等の動植物の細胞内及び酵母に含まれている天然の糖質です。トレハロースのカロリーは砂糖と同じ4kcalです。
甘さは砂糖の半分以下ですが、砂糖よりは血糖値の上昇が緩やかです。
但し、基本手には糖質なので、糖尿病の場合は血糖調整機能が困難なことから、糖尿病の方の砂糖の代替え甘味料には不向きであることが言えます。
トレハロースはグルコースが2分子結合した組成となっています。
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トレハロースは抽出が難しい
トレハロースの抽出は難しく1kgあたり3~5万円とコストが嵩むことから、かつては食品としての扱いはなく、化粧品等に用いられていました。
トレハロースやマービー、粉あめ等の甘味料を扱うメーカーである林原研究所は、元々澱粉を分解して甘味料を作ることを得意としていました。
林原には酵素を扱うノウハウがあり、2000種類と数多くの研究を重ね続けてきた結果、トレハロースの抽出方法が発見されたのです。
1995年以降、食品、医薬品、化粧品、肥料、飼料、工業用素材等、トレハロースの用途は広まっていきます。
トレハロースは動植物の細胞、蛋白質を寒さやストレス、乾燥から守る働きがあります。
このような作用を持っていることから、甘味料と言うよりは、食品の品質保持を目的として様々な商品に添加されています。
品質の劣化抑制
トレハロースには冷凍による食品の変質を抑える働きがあります。
トレハロースは寒冷地に住む動物の細胞内にも含まれており、寒さやストレスから守っていることが言えます。
冷凍加工する際にトレハロースを添加すると、食品の味や食感、品質の劣化を抑制する為。冷凍食品に利用されています。
澱粉の劣化防止
トレハロースには澱粉の老化を防止する働きがあります。御飯や糖質類の入った加工品は、作られてから時間が経つとパサついてしまい風味が落ちてしまいます。
御飯を炊く時や手作りパンを作る時にトレハロースを添加すると、パサつきによる品質劣化を防ぐことが出来ます。
トレハロースの澱粉の老化防止作用を利用した商品には、カステラや団子、ケーキ、コンビニ弁当等に用いられています。
酸化による劣化防止
脂質は時間が経つと酸化によって劣化を引き起こします。
トレハロースには脂質の劣化防止に利用されていることから、トレハロースは酸素から脂質を守る働きがあります。
抗酸化作用と働きが似ていますが、人間の体内で抗酸化作用を起こす働きをするのではなく、食品の酸化抑制作用という意味で酸化抑制作用があります。
この性質を利用して焼き菓子食肉加工品から脂質の劣化から守っています。
蛋白質の劣化抑制
トレハロースには蛋白質の変性を抑える働きがあります。
この働きによって卵焼きやハンバーグに加えることによって、ふんわりと仕上がることが出来ます。
保湿性を高める働きもある為、化粧品にも活用されています。
料理の質の向上
トレハロースには上記の働きを持っていることから料理に活用出来、作る料理によって様々な形で料理の質を上げます。
御飯 | ふんわり仕上がる |
天ぷら | 衣がサクサクになる |
和え物 | シャキっとした仕上がり |
茶碗蒸し、プリン | 「す」が入らなくなめらかな仕上がり |
お茶、コーヒー | 渋みを抑える |
安全性は?
トレハロースはじゃが芋やとうもろこしの澱粉から作られていることから遺伝子組み換え食品であることが懸念されます。
遺伝子組み換え食品は原産地によってですが、多くの加工品に用いられているものはコスト削減の為に海外産のものを用いているといっても間違いないでしょう。
日本においてはとうもろこしはほぼ100%という位、海外産に頼っています。
アメリカ産のとうもろこしの作付面積は9割が遺伝子組み換えを施されています。
アメリカに限らず、海外産のものは殆どが遺伝子組み換えの割合が圧倒的に多いのです。
遺伝子組み換えが施されているということは除草剤や殺虫剤によって汚染されている為、日常的に加工食品ばかり食べていると、これらの化学物質が体内に蓄積されてしまいます。
トレハロースを全く摂らない生活を送るのは困難ですが、出来るだけ自然に近い物を摂取して、トレハロースは必要最低限にとどめておくと良いでしょう。