世の中、肥満に悩む人が多い中、一部の人はいくら食べても太れなくて悩みに悩んでいます。
そして、痩せている人ならではのコンプレックスがあります。
太っていることも弄られる原因ですが、痩せていても弄られますよね?
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このような不快な言葉をかけられることさえあります。
しかし、太りたいばかりに行動を起こしてしまうと、取返しのつかないことを起こしてしまいます。
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肥満の種類と太らない原因
人の外見は個人差が激しく、太りやすい人もいれば太りにくい人もいますし、顔の良し悪しもそれぞれです。
不摂生が原因で太れば、それは自己管理不足によって引き起こしたものですが、外見上の問題は遺伝的要因もあり、それは宿命というように生まれながら持っているケースもあります。
そして肥満のタイプも然りです。
肥満のタイプは男性によく見られる上半身に脂肪が付きやすい内蔵脂肪型肥満と呼ばれる「リンゴ型肥満」、女性によく見られる下半身に脂肪が付きやすい皮下脂肪型肥満と呼ばれる「洋ナシ型肥満」があります。
この他にもやせ型と呼ばれる「バナナ型肥満」があります。
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このバナナ型というのは、その名のとおりバナナのようにひょろひょろしていてほっそりした体型の人のことを指します。
このようなバナナ型の人は基礎代謝が高く、いくら食べてもすぐに燃焼されてしまうため、中々体脂肪として蓄積されません。
また、太らない原因には暴飲暴食によって胃腸が付かれている場合があります。
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遺伝的要因
このバナナ型が何故、基礎代謝が高いのかと言いますと、「β2アドレナリン受容体遺伝子」を持っているからなのです。
この遺伝子が基礎代謝を上げて素早く脂肪燃焼してしまう原因のものですが、遺伝子であることから生まれつきのものとなっています。
これとは対照的に「β3アドレナリン受容体遺伝子」を持っている人は太りやすい傾向があります。
バナナ型肥満は厄介
いくら食べても太らないと言われるバナナ型肥満は、傍から見ると羨ましく見えます。
…というのは痩せているうちの話です。
しかし、このやせ型の人も太るのです。
とは言っても、このやせ型の特徴には「筋肉が付きにくい」というものがあります。
筋肉が付きにくいということは体脂肪率が高くなりやすいことであり、所謂「隠れ肥満」のリスクも高いのです。
何とか太りたいと思って頑張ってカロリーの高い食品を食べ始めますが…
成果が出ないのでそのまま暴飲暴食を続けます。
しかし、食事はすぐに結果が現れないもので、忘れたころに肥満となって現れます。
さすがに「ヤバい」と思ってダイエットをし始めるのですが、中々贅肉が落ちません。
そして、元々筋肉が少なく、肥満によって体重が増えているので身体を動かすことが人一倍億劫になります。
このダイエットを成功させるには、人一倍強い意志を持ってやり遂げなければならないのですが、バナナ型肥満の人には大着な人も少なくなく、元々筋力が弱いことから、身体を動かすことが苦になります。
しかし、これを放置するともっと大変なことが起こります。
自分を抑制出来ず、そのままダイエットを挫折して暴飲暴食を続けてしまえば、気付いた時には高度肥満症となり、周囲を驚愕させる位の体型に化け果ててしまうのです。
サルコペニアフレイルのリスクが高い
高齢者の栄養の問題でサルコペニアフレイルの件がクローズアップされている昨今です。
これは、バナナ型肥満の人にとっても他人事ではありません。
高齢者が何故、ロコモティブシンドロームやサルコペニアを起こすのかと言いますと、年齢を重ねることによって生じる筋肉量の低下によって引き起こされるからです。
これは筋肉が付きにくい女性も気を付けなければならないことですが、もし、以下の症状が見られるようになったら危険信号です。
- 信号を一気に渡れなくなった。
- 階段を二回まで上がるのが大変。
- 重い物を持ち上げられなくなった
そして、動かない、食べないを繰り返すことによってサルコペニアの負のスパイラルに陥ります。
そうなると更に筋肉量低下が進行し、やがては要介護状態に至ってしまいます。
更に最悪の場合、筋力低下によって嚥下障害を起こしてしまい、口から食事を食べられなくなることさえあります。
ただ、疾患によってもるい痩を起こす場合があります。
例えば、COPD、癌、心臓疾患、甲状腺機能亢進症等によって基礎代謝が著しく向上し、糖分や体脂肪からのエネルギー供給から間に合わなくなり、筋蛋白を分解してエネルギー消費をすることによってるい痩に至ってしまうケースです。
病気によってるい痩を起こしてしまっている場合は、医師の指示によって治療にあたりましょう。
暴飲暴食によって生活習慣病を起こすのも悲劇
暴飲暴食をすれば、その結果肥満を招きます。
食べた食品が不健康なものであれば生活習慣病を引き起こします。
生活習慣病の中でも、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満の4つの疾患は死の四重奏と呼ばれ、罹っている疾患の数が多ければ多いほど、心疾患や脳血管疾患に罹りやすくなります。
これらによっても要介護状態に陥りやすくなり、元々サルコペニアに罹りやすい体質なので、これらが合併すると改善することが困難となります。
この生活習慣病も寝たきりのリスクを伴い、最悪の場合は口から食事を食べられなくなります。
筋肉を付けるには?
まずは自分の食生活を振り返ってみましょう。
栄養バランスと蛋白質の摂取を意識
以下のことに思い当たることがあれば、改善の必要があります。
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そして、五大栄養素を必ず摂ることを意識します。
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この中でも摂り忘れていけないのが蛋白質 です。
でも、蛋白質は摂りすぎもデメリットとなります。
蛋白質の摂取量には個人差がありますが、少なくとも「体重/1000(g)」は摂るようにしましょう。
かと言って、いちいちカロリー計算をしながら蛋白質の摂取方法を考えるのも大変なことですよね?
目安として次の量を参考にしていただければと思います。(一食あたり)
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このように毎食蛋白質を意識して摂ることです。
そして、このような蛋白質はアミノ酸の摂取にもつながり、筋蛋白合成に関わるBCAAも摂ることが出来ます。
ビタミンB6
ビタミンB6は蛋白質の代謝に関わり、筋蛋白合成に必要な栄養成分です。
ビタミンB6を含む食品には次のものが挙げられます。
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ただ、まぐろの摂りすぎは水銀の件も絡みます。
全粒穀物は精白された穀物よりも遥かに栄養価が高いのですが、体質的に合わない方もいます。
その場合は、発芽玄米や胚芽米を用いたり、部搗き米にして不足ミネラルを雑穀でまかなう方法もあります。
中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸とBCAAの組み合わせは筋蛋白合成を促進する上に、筋蛋白分解を抑制すると言われます。
中鎖脂肪酸を含む油には
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これらが挙げられます。
この組み合わせは、サルコペニアやGOPDの食事療法に用いられていますが、バナナ型の筋肉がつきにくい体質をカバーするために役立つ上に、バナナ型の人が太ってしまった時のダイエットサポートとしても役立ちます。
筋肉を付ける努力を忘れずに
食事の基本は「まごはやさしい」を基本としたバランスの整った食事であり、蛋白質の摂取は欠かせません。
これに加えて、筋力アップのためのトレーニングや適度に身体を動かすことによって筋肉量の低下を防ぎます。
胃腸の疲れが見られる場合は?
食べても太らない原因には胃腸の疲れが見られる場合もあります。
この時は「断食」がお勧めです。
痩せていて筋肉が少ないのに何故?と思いますが、胃腸が付かれている時は、消化吸収状態が良くない為、食べたものが栄養として吸収されにくくなっています。
この断食というのは、疲れた臓器に休息を与えるために行うものです。
ただ、断食を行う際、治療中の方は一度主治医に相談してみると良いかと思います。
また、断食を機に食生活の改善を図りましょう。
まとめ
太りにくい原因として以下の二点を上げました。
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基本は栄養バランスを考慮した食事、そして筋肉量低下を防ぐために適度に身体を動かすことです。