サポニンはラテン語の石鹸を意味する「サポ」が由来となって名前が付けられています。
サポニンには水に溶かしてよく混ぜると石鹸のような安定した泡が出来る特徴があります。
サポニンは豆類や根菜類に主に含まれ、大豆もその一つです。
大豆を茹でると白い泡が出来るのはこのサポニンによるものです。
この泡は界面活性剤とも言われています。
サポニンには抗酸化作用、免疫力向上、肥満予防等の効能があり、摂取する食品によって効能は様々です。
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サポニンの働き
サポニンを主に含む食品は、大豆、大豆製品をはじめとする豆類、ごぼう、田七人参、高麗人参、アマチャヅル、桔便などに含まれています。
サポニンに期待する効能には次のものが挙げられます。
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血流促進
大豆製品の中では特に高野豆腐がサポニンを多く含んでいます。
大豆に含まれるサポニンにはLDLコレステロールを低下させる働きがあり、田七人参や高麗人参には血栓予防効果があります。
この為、体内の血流を促進する働きたあることが言えます。
抗酸化作用
サポニンには抗酸化作用があります。
動物性脂質の摂り過ぎや血液中のコレステロールが活性酸素によって酸化され、LDLコレステロールに変化してしまうと、血液はドロドロにはり血管を傷つけやすくしてしまいます。
血管が傷つくことによってアテロームが形成され、ドロドロになった血液が流れると、動脈硬化を起こし、脳血管疾患や心疾患を起こすリスクが高まります。
サポニンには活性酸素の働きを抑えることから、循環器疾患予防効果があることが言えます。
大豆に含まれるサポニンにはLDLコレステロールを低下させる働きがあり、田七人参や高麗人参には血栓予防効果があると言われ、このような症状を予防する働きがあることが言えます。
肝機能向上
活性酸素によって酸化された脂質は肝機能障害の原因となります。
酸化した中性脂肪やコレステロールが肝臓に蓄積されると脂肪肝となり、過酸化脂質が蓄積された肝臓は更に肝機能低下を起こしてしまいます。
サポニンには抗酸化作用があることから、過酸化脂質が肝臓に蓄積されることを防ぎ、肝機能を高める働きがあることが言えます。
生活習慣病予防
大豆サポニンにはアディポネクチンの分泌を促進する働きがあります。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されます。
アディポネクチンにはインスリン受容体の感受性を上げる作用、脂肪燃焼、インスリン受容体を介さない糖の取り込み作用、細胞内の脂肪燃焼促進、インスリン感受性の亢進、抗炎症作用、動脈硬化予防、心肥大予防等の働きがあると言われます。
このようなことから肥満予防が期待されています。
インスリン感受性が高い場合、血糖値を下げる為のインスリン分泌量を抑えることが出来ます。
インスリン感受性が弱まると、インスリンが正常に分泌されていても血糖値が下がらなくなります。
インスリンが分泌されているにも関わらず血糖値が下がらないと、糖尿病と肥満のリスクを伴います。
インスリンは太るホルモンでもあり、分泌量が増えてしまうと却って肥満に繋がってしまいます。
インスリン分泌の面から見ても、サポニンには肥満予防の効果があることが言えます。
また、分泌量を抑えることから、膵臓への負担及び糖尿病のリスクを軽減します。
冷え改善
小豆に含まれるサポニンには身体の余分な水分を排出させ、冷えから守ると言われます。
免疫力向上
サポニンには免疫機能を司るNK細胞を活性化させる働きがあります。
サポニンには人が本来持っている免疫機能を高めます。免疫機能が高まることによって、風邪やインフルエンザの感染症から身体を守ることが出来ると言えます。
呼吸器疾患予防
アマチャヅルのサポニンには咳を抑える働きがあります。桔便のサポニンには、肺に侵入した異物を排除する為、痰を除去し、咳を鎮める働きがあります。
注意点
サポニンには抗酸化作用や肝機能を高める働き等、身体にとって有益な働きがある一方、毒性があると言われています。
これはアブシジン酸にも言えることであり、この毒性は食物の種子を守るために存在するものです。
サポニンには界面活性作用があり、細胞膜を破壊すると言われています。
これが血液中に入ると、溶血作用によって赤血球が破壊されてしまいます。
サポニンの毒性による影響を抑えるには、しっかりとあく抜きをしてから召し上がりましょう。
また、サポニンの健康効果に期待して、特定の食品ばかり沢山食べたり、サプリメントの不適切な摂取を避けることです。
まとめ
サポニンに期待する効能についてまとめます。
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サポニンの1日あたりの目安摂取量は設定されていませんが、1日1~2回を目安に大豆やごぼうなどのサポニンを摂ると良いでしょう。
高麗人参や田七人参等の健康食品やサプリメントから摂取する場合は、1日の摂取量を必ず守った上で摂取しましょう。
アマチャヅルをハーブとして摂取する場合、副作用は特にありませんが、大量摂取したところで効果が増強するわけでもありません。
高麗人参、田七人参、アマチャヅルについては妊娠中、服薬との相互作用が気になる場合、疾患を持っている場合は医師に相談してみるとよいでしょう。