潤い成分と軟骨成分の糖蛋白「プロテオグリカン」

プロテオグリカンとは糖蛋白質であり、人や動物の体内に存在する成分です。

プロテオグリカンは特に皮膚や軟骨に含まれています。

プロテオグリカンはコラーゲンやヒアルロン酸とマトリクスを作ることによって組織を維持する働きがあります。

 

プロテオグリカンは貴重な成分だった

プロテオグリカンは19世紀末に発見され、当時は貴重な成分として1gあたり3000万円という高値で取引されていました。

プロテオグリカンには「グリコサミノグリカン」と呼ばれる糖が多数含まれています。

この糖は水と馴染みやすいため、スポンジのように多量の水を保持することが出来ます。

また、プロテオグリカンに含まれるコア蛋白質は、分子中にヒアルロン酸結合を持っている為、衝撃を吸収する機能があります。

皮膚のプロテオグリカンは美肌効果に役に立ち、軟骨のプロテオグリカンは関節のサポートに役立っています。

プロテオグリカンは細胞と細胞の間を満たす成分として、コラーゲン等の美容成分と一緒に健康を維持してくれています。

現在、プロテオグリカンは鮭の鼻頭の軟骨から抽出され、サプリメントやコスメとして販売されております。技術の進化により鮭からの抽出が可能なり、現在ではコストを下げられることによって手に入れやすくなりました。

 

プロテオグリカンの働き

プロテオグリカンには主に次の働きがあります。

  • EGF用作用
  • 潤い成分生成促進
  • ニキビ予防
  • 変形性関節症の緩和
  • 炎症抑制作用

 

EGF作用

プロテオグリカンにはEGF様作用による肌のターンオーバーを活性化させる働きがあります。

EGFとは「上皮細胞増殖因子」とも呼ばれ、細胞の成長と増殖の調整に重要な役割を持っています。

EGFは20代後半から減少し始めますが、EGFが減少することによって細胞の新陳代謝機能が低下し、肌のターンオーバーが遅れてしまうことによって老化が進行してしまいます。

プロテオグリカンはEGF様作用によって、肌の新陳代謝を高め、老化防止に役立つことが出来るのです。

 

潤い成分産生促進

プロテオグリカンはヒアルロン酸やコラーゲンの産生促進作用があると言われています。

ヒアルロン酸は分解速度が極めて速く、更に加齢によって産生量が減ると、皮膚の水分量低下に繋がります。

プロテオグリカンはヒアルロン酸産生促進作用によって皮膚の水分量が増え、細胞やコラーゲン、エラスチン等の皮膚組織の骨組みの隙間を埋めて、潤いのある肌作りに関与するのです。

更にプロテオグリカンにはヒアルロン酸同等またはそれ以上の保水力があると言われています。ヒアルロン酸と違い、サラサラした肌触りで高い保湿力を持った肌を作ります。

プロテオグリカンはコラーゲン産生促進作用がある為、摂取量に応じてコラーゲンが増加します。

コラーゲンは人の真皮の7割を占める主要な構造体で、皮膚の構造を維持する働きがあります。コラーゲンは肌の弾力を保ち、しわやたるみに有効的です。

プロテオグリカンには、このように肌の潤いと弾力を保ち、アンチエイジングが期待できるのです。

 

ニキビ予防

プロテオグリカンは肌に潤いを与えることからニキビ予防に役立ちます。

肌が潤うことでバリア機能が向上し、外部刺激によるニキビ発生を防止します。

 

変形性膝関節症の緩和

プロテオグリカンは関節のサポートに役立っており、軟骨を構成することによって関節をサポートすることから、関節における衝撃を吸収する働きがあります。

また、プロテオグリカンの軟骨を形成する細胞を増殖させたり、増殖した細胞が形成促すことから、変形性関節症の症状を緩和する効果があると言われます。

 

炎症抑制作用

プロテオグリカンは炎症を抑えるサイトカインの働きを促します。

この働きによって炎症性を抑え、大腸炎などの炎症性疾患の予防や炎症抑制効果があることが言えます。

また、炎症を抑えることによって生活習慣病の予防にも役立ちます。

炎症抑制作用は活性酸素の産生を抑制し、動脈硬化や脳血管疾患、心筋梗塞などの生活習慣病予防、癌予防、アンチエイジング効果に期待出来ます。

 

副作用やアレルギーは?

プロテオグリカンを含む化粧品やサプリメントは、天然由来成分の為、副作用の心配はありません。

但し、市販されているものの多くは鮭から抽出されている為、アレルギーのある方は医師に相談することをお勧めします。

 

まとめ

プロテオグリカンの効能についてまとめます。

  • EGF用作用
  • 潤い成分生成促進
  • ニキビ予防
  • 変形性関節症の緩和
  • 炎症抑制作用

プロテオグリカンの摂取量は1日あたり1000mgが適度と言われています。

摂取量においても1日あたり1500㎎を継続して摂取しても、危険性は特に見られないとのことです。

サプリメントで摂取する際は商品に記載されている量に基づくと良いでしょう。

 
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