積極的に摂る必要があるオレイン酸もその一つ「オメガ9脂肪酸」

オメガ9脂肪酸は一価不飽和脂肪酸であり、二重結合の位置がメチル基から9番目にあることからオメガ9脂肪酸と呼ばれています。

オメガ9脂肪酸というとオリーブオイルやアボカド、アーモンド等のオレイン酸のイメージがありますが、実は危険な油も紛れているのです。





 

オメガ9脂肪酸の種類とオメガ9脂肪酸を含む油

オメガ9脂肪酸にはオレイン酸、エイコセン酸、ミード酸、ネルボン酸、エルカ酸があります。

オメガ9脂肪酸を含む食品は、オリーブオイル、こめ油、菜種油、紅花油、アーモンドオイル、アボカドオイル、マカダミアナッツオイルなどの植物油や、アボカド、アーモンド、マカダミアナッツ、あんこう、鯨、鮎に含まれています。

植物油の中でオリーブオイル、こめ油、菜種油、紅花油が料理で使われることが多いです。

アーモンドオイルやマカダミアナッツオイルは高額ですが、保湿目的の為の美容液としても活用出来ます。

オメガ9脂肪酸は体内で生成することが出来るので必須脂肪酸ではないですが、出来れば食品や油から適量摂取していくべき成分でもあります。

またオメガ9脂肪酸は細胞膜を作る働きはエネルギー源となっている為、不足にならないように気を付ける必要があります。

 

オレイン酸

オレイン酸は動物性脂肪は植物油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸であり、炭素原子間の二重結合を介して結合されています。

オレイン酸という名称はオリーブが由来であり、浅い黄色~黄褐色をした液体をしており、ラードのようなにおいがします。

オレイン酸は食用としての他に、クリームやローションの化粧品やヘアオイル等キャリアオイルとしても用いられています。

循環器疾患予防

オレイン酸にはLDLコレステロールを減らしてHDLコレステロールを維持する働きがあると言われます。

更に血管内に付着したコレステロールを回収させる為にHDLコレステロールを増やす働きがあります。

オレイン酸には抗酸化作用があることから過酸化脂質の生成を抑え、中性脂肪やコレステロールが酸化することを防ぎ、血栓が出来ることを予防すると言われます。

血液中のオメガ9脂肪酸が増えると、LDLコレステロールの中のオメガ9脂肪酸も増えます。

その代わりオメガ6脂肪酸が減ってコレステロール内の脂肪酸バランスが変わり、LDLコレステロールは酸化しにくくなり、動脈硬化が起こりにくくなります。

このような作用から脂質異常症の予防や動脈硬化、心筋梗塞、脳血管疾患等の循環器疾患予防に良いとされる脂肪酸であることが言えます。

ただし、出血リスクが高い為、血液凝固剤、抗血小板剤などを服用されている場合は摂取に注意が必要です。

デトックス

オレイン酸には腸を刺激する働きがある上、乳化作用がある為、便を軟らかくし、便の滑りを良くして、便秘を解消する働きがあります。

その為、便秘解消及び腸内に溜まった毒素の排泄を促す効果があると言えます。

美容効果

オレイン酸には抗酸化作用があり、しわやシミなどの老化の原因からアンチエイジング効果に役立ちます。

オレイン酸は皮膚に弾力を与えるとのことです。

肌に含まれている脂はオレイン酸が大部分を占めていると言われます。

食品から摂取することによって肌に対する作用を持ち、ゴワツキや小さいシワなどを改善していく効果に期待があります。

胃もたれを起こしにくい

酸は肉類のように消化に時間がかからず、胃酸の分泌も少なくて済みます。

オレイン酸は肉と違って、胃を通過する時間が早いため、油分を摂っても胃もたれの症状を起こしません。

オレイン酸には特に副作用はないとのことです。

オレイン酸を含む油

オレイン酸を含む油には、オリーブオイル、ひまわり湯、紅花油、米ぬか油、グレープシードオイル、菜種油等に含まれます。

またラードやヘッド等の動物性の油にも含有されています。

摂りすぎは太る

オレイン酸は油なので、過剰摂取をすればカロリーオーバーによって肥満を招いてしまいます。

動物性脂質にもオレイン酸が含まれているからといって摂り過ぎてしまうと、LDLコレステロールを増やし、血管壁を厚くしてしまいます。




 

エイコセン酸

あんこう、鯨、鮎、ニシン等の魚類やアボカドに含まれている油です。

高血圧予防効果があるそうですが、まだまだ不明な部分も多いです。

 

ミード酸

体内の必須脂肪酸欠乏時にオレイン酸によって産生され、多価不飽和脂肪酸の役割を代行すると言われています。

 

ネルボン酸

神経細胞の生合成に関わり、脱髄疾患の治療に用いられたり、抗けいれん剤として使用されています。

 

エルカ酸

オメガ9脂肪酸の中でもオレイン酸の健康効果が知られている一方、エルカ酸は人体に害を与えると言われます。

エルカ酸は発癌作用、心臓障害、消化管や肝機能障害、成長障害等人体に悪影響を及ぼすことから、エルカ酸は危険と言われています。

エルカ酸は菜種油に含まれていますが、全ての菜種油が人体に悪影響を及ぼすとは限りませんので、未精製の低温圧搾法で製造されたものを選びましょう。

 
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