メイラード反応は、糖質と蛋白質が加熱によって結合し、酸化することによって起こる反応です。
例えば、照り焼きを焼いた時の焼き目、パンケーキの焼き目、ハンバーグの焼き目がこれらに該当します。
これがAGEsを体内に取り込む原因となります。
これを聞くとメイラード反応は身体に悪い影響を与えるのではないかと懸念されるかもしれませんが、メイラード反応には身体に有益に働きかけるものもあります。
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メイラード反応はどのようにして起こるのか
メイラード反応は、お菓子を焼いた時、肉や魚を焼いた時、フライや唐揚げを挙げた時に衣に焼き目が付く時、黒にんにくを熟成させたとき、味噌や醤油が発酵する時、玉葱を飴色に炒めた時などが挙げられます。
これを見ると、体に良い食品もメイラード反応を起こしていることが分かります。
メイラード全般にして言えることは、料理に香ばしさが加わることです。
加熱料理の際の、この反応の温度は、110度から160度の温度帯で行われます。
使用する甘味料によって温度帯が異なり、果糖の場合は110度という低めの温度で反応を起こします。
一方、ショ糖は160度まで温度を上げることによってメイラード反応が起こります。
メイラード反応は熟成によっても起こる
味噌や醤油を製造するときや、黒にんにくを作る時にもメイラード反応が起こります。
これらは、加熱の行程において行われるものではありません。
味噌のメイラード反応
味噌を製造する際、材料として大豆と麹と塩が用いられます。
蒸した大豆を麹で発酵するとき、大豆の蛋白質と糖質は、アミノ酸とブドウ糖に分解されます。
これが数か月経つと味噌が出来上がります。この熟成期間が長ければ長いほど、味噌の色が濃く仕上がります。
味噌にはメラノイジンという物質が含まれます。
メラノイジンとは、メイラード反応の最終産物です。
このメラノイジンは、熟成期間が長い味噌ほど多く含まれています。
醤油
醤油を製造する際もこのメイラード反応が利用されます。
これは醤油を本醸造方式という伝統的は方法で製造される時です。
本醸造方式にて作られる醤油は、大豆と炒った小麦を混合し、麹菌を用いてもろみを作ります。
これを半年以上寝かせておくと、麹菌、酵母、乳酸菌の働きによって大豆や小麦粉に含まれるたんぱく質と糖質が分解されます。
熟成が進行すると色が濃くなり、醤油の香りや風味が生じるようになります。
このような行程においてメイラード反応が起こります。
黒にんにく
黒にんにくは、にんにくを高温多湿の環境において約一ヶ月熟成させることによって黒にんにくになります。
黒にんにくは、ニンニクに含まれる糖質とアミノ酸化合物がメイラード反応を起して熟成し、ニンニクが黒くなることによって黒にんにくとなって熟成が完了します。
善玉AGEs
味噌や醤油、黒にんにくなど、高温調理をしなくても生成されるメラノイジンは、善玉のAGEsに分類されます。
メラノイジンは、腸内環境を整え、強い抗酸化力を持つことから、血液中の中性脂肪やコレステロールを酸化から守ります。
また、コレステロール値を抑えることから、生活習慣病予防に期待があります。
つまり、メイラード反応によって褐色化された食品を選ぶのなら、加熱によってメイラード反応を起こしたものよりも、発酵や熟成によってメイラード反応を起こしたものの方が、体にメリットをもたらすのです。
メイラード反応とカラメル化が同時に行われるケース
玉葱を飴色に炒めることによって起こるメイラード反応は悪玉かというと、善玉と悪玉の両方の要素があります。
玉葱を炒めることによって起こるメイラード反応はメラノイジンによるものです。
しかし、炒めた玉葱に限らず、炒め料理からはかなりのアクリルアミドが発見されています。
そして、玉葱はメイラード反応のほかにも、カラメル化によっても加熱によって褐色化します。
メイラード反応は、糖と蛋白によって起こりますが、カラメル化は、糖が変化することによって起こります。
玉葱は、案外糖分の多い食品であり、飴色になると甘さが引き立ちます。
この甘さを活かしてカレーなどの煮込み料理に用いられます。
ただ、炒めた玉葱にはアクリルアミドが含まれることから、頻回に食べることは控えておきましょう。
まとめ
善玉AGEsを摂り入れることは、腸内環境改善や生活習慣病予防に役立ちます。
ただ、味噌や醤油は、商品を選ぶ際に原材料や製造方法を確認しておきます。
メラノイジンによる健康効果を享受するのであれば、原材料がシンプルで、尚且つ伝統的な製造方法で作られた商品を選びましょう。