ブドウ糖がなくなった状態で脂肪が燃焼すると脳にエネルギー源を供給する為、肝臓でケトン体が生成されます。
この場合、有酸素運動によって脂肪燃焼モードに切り替わり、ケトン体がエネルギー源として利用されると、蓄積された体脂肪は燃焼されます。
Table of Contents
好転反応が起こる
脂肪酸の酸化が促進されるとアセチルCoAが過剰に作られ、肝臓ではアセト酢酸やβヒドロキシ酪酸の合成が進み、ケトン体の血中濃度が上がります。人によって頭痛やだるさ、吐き気などの症状が現れます。
これは、長時間に及ぶ有酸素運動を行った場合や断食中の好転反応が激しく現れることによって起こります。
この症状が治まるまで2~3日かかりますが、あまりにも酷い場合は水分や塩分を補給することによって少し緩和されます。
体質改善を図る
ケトン体質は「糖尿病性ケトアシドーシス」のイメージもありますが、見方を変えれば断食による体質改善効果の過程であります。
断食による効果は測り知れない程沢山あります。
体脂肪燃焼によって体内に長年蓄積されていた有害物質が排泄されるなど、普段の排泄行為では中々排泄出来ないものを体外に排出することから、強いデトックス効果があります。
このほかに、美肌効果や味覚改善、免疫力向上、便通解消等沢山の効果があります。
断食機関が長いと筋肉が痩せてしまう
但し、断食を行う上で気を付けてもらいたいのが、断食期間は長ければ長い程良いわけではありません。
また、水分だけでの断食は酵素等による断食と違って栄養が摂れない為、糖新生が起こり、寧ろ筋肉が痩せてしまい、体質悪化を招く恐れや却って太りやすい体を作ってしまいます。
運動を行う際は無理のない範囲で行うことです。
脂肪燃焼モードに切り替わる時に、普段から栄養が十分に摂取されていないと、糖新生によって体蛋白がエネルギー源として利用されてしまいます。
そうなると筋肉が減ってしまい、筋力低下や太りやすい体質の原因を作ってしまいます。
糖尿病性ケトアシドーシス
ケトアシドーシスで気を付けなければならないのは糖尿病性ケトアシドーシスです。
糖尿病性ケトアシドーシスは、インスリンが分泌されないことによって糖をエネルギーとして利用されず、代わりに脂肪酸を利用することによって身体が酸性に傾く症状です。
喉の渇き、多尿、意識障害、呼吸の異常、腹痛などの症状が見られる場合は、かかりつけの医師に診てもらうと良いでしょう。
エネルギー代謝更新による蛋白質の異化
手術や重度外傷、熱傷等の高度な侵襲や肺炎等の炎症、COPDやカヘキシア、癌悪液質の時も糖新生が起こります。
この時はエネルギー代謝が亢進している状況であり、ブドウ糖もなく、体脂肪の貯蓄もなくなってしまう為、緊急用として蓄えられている蛋白質を異化作用によってブドウ糖に変換して生命をつないでいる状況です。
この場合は、健康な方が断食を行うことによってケトン体質になり、脂肪燃焼モードに切り替わるのとは別の問題となります。
手術等の侵襲時の時は絶食して点滴のみの期間を出来るだけ短くし、経口、非経口のいずれの方法で早期な栄養介入が必要となります。
早期に行えば行うほど回復が早く予後も良好になります。回復が早ければ早期退院にも繋がり、入院前の生活に戻ることが出来ます。
COPDやカヘキシアのリスクのある心不全、癌の場合は栄養介入によって改善が可能な場合とデメリットになる場合があります。
栄養介入による改善が可能な場合は、消費エネルギーに応じた高カロリー食が必要となります。
また、筋肉量低下も著しい為、BCAAと中鎖脂肪酸を補給して、体蛋白減少の抑制に努めます。