果物に含まれる水溶性食物繊維の一つ「難消化性デキストリン」

難消化性デキストリンは熟した果物に含まれている水溶性食物繊維の一種です。

現在では食物繊維は第6の栄養素として位置付けられていますが、以前は消化されず役に立たないものと言われていました。

 

難消化性デキストリンとデキストリン

難消化性デキストリンはとうもろこしの澱粉分解物から作られています。

澱粉は通用アミラーゼという酵素によって分解されます。

とうもろこしやじゃが芋がアミラーゼによって作用されるとブドウ糖やデキストリンに分解されます。

ここでできたデキストリンはアミラーゼで完全に消化できないことから難消化性デキストリンと呼ばれています。

難消化性デキストリンは大腸内において腸内細菌が嫌気発酵することによって一部が短鎖脂肪酸に変換され、エネルギー源となって吸収されます。

この為、難消化性デキストリンのエネルギーは1kcal、砂糖の1/4のカロリーとなります。

難消化性デキストリンとは別にデキストリンがありますが、難消化性デキストリンは食物繊維であるものの、デキストリンは食物繊維と糖質で構成されています。

デキストリンは小腸で吸収される上、澱粉に近い物からブドウ糖に近いものまで様々な為、難消化デキストリンのような効能が必ずしも期待出来るとは限りません。

 

メタボ予防

難消化性デキストリンは水溶性食物繊維であることから、食後の糖分や脂肪分の吸収を緩やかにする働きがあります。

その為、食後の血糖を急激に上昇させる事を抑制する為、糖尿病の予防に役立てます。

血糖値の上昇が緩やかなことからインスリン分泌量を抑えられ、肥満予防にも繋がります。

中性脂肪の上昇も抑える為、脂質異常症の予防にも繋がり、糖尿病予防効果と併せ、生活習慣病予防に良いとされています。

難消化性デキストリンは、血中の余計な脂質を体外に排出する働きがあります。

難消化性デキストリンが血液中の中性脂肪やLDLコレステロールに付着し、排泄することによって、脂質異常症や動脈硬化の予防に役立てるのです。

難消化性デキストリンには糖分や脂質の吸収を抑える上に、余分なものを排泄する働きがあることから、体内に蓄積されて内臓脂肪を低減させる働きもあります。

 

整腸作用

難消化性デキストリンには整腸作用があります。

便秘解消や腸内に溜まった老廃物を排泄する働きがあるのは主に不溶性食物繊維の役割ですが、水溶性食物繊維にも同様の働きがあります。

難消化性デキストリンと発酵食品を一緒に摂取すると発酵食品から摂取した善玉菌を増やす働きがある為、便秘や下痢に効果的な上、免疫力向上や太りやすい体質を改善する等、腸内環境改善によって得られる効果が期待出来ます。

一方、難消化デキストリンはミネラルの吸収を促進する働きがあります。

食物繊維は摂取しすぎるとミネラルの吸収を阻害するデメリットがありますが、難消化デキストリンは粘度が低く、プレバイオティクスとして働くことからミネラル不足による症状を改善すると言われています。

 

安全性は?

難消化デキストリンはとうもろこしが原料となっていることから遺伝子組み換え食品であることが心配されます。

海外で生産されたとうもろこしの9割が遺伝子組み換え食品であることが言われています。遺伝子組み換え食品の被害は少ないものの白血病や自閉症、アレルギーの原因となると不安をかき立てられるのではないでしょうか。

「遺伝子組み換え食品不用」と表示されている場合もありますが、心配な場合はメーカーの直接問い合わせてみると良いでしょう。

難消化性デキストリンは過剰摂取するとおなかが緩くなることがあります。

難消化性デキストリンの1日あたりの目安摂取量は特定保健用食品として表示できる分量として下記のように挙げられています。

  • お腹の調子を整える…3~8g
  • 糖の吸収を緩やかにする…4~6g
  • 食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる食物繊維の働きにより、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにするので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の中性脂肪が気になる方の食生活の改善に役立つ…5g

難消化性デキストリンを含んでいる商品は数多く流通しています。また、サプリメントとしても販売されています。

「便秘に良い」「肥満予防に良い」というキャッチフレーズ惹かれて、ついつい過剰摂取してしまうことも無きにしも非ずです。

難消化デキストリンをサプリメントで摂取する場合、妊婦や子供においては十分な安全性が確認されていません。

妊娠中、授乳期の方、お子様には難消化性デキストリンのサプリメントの摂取は避けておいた方が安心でしょう。

 
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