スギナはトクサ科の多年草であり、つくしが成長したものです。
シダ植物のため、胞子によって増殖します。
春先には大量繁殖するので、周りの植物の成育に悪影響を及ぼすことから、雑草としてのイメージも強いでしょう。
しかし、雑草でありながらも、自然療法に多いに役立てるのです。
ハカマの部分を取り除いて調理して召し上がる方法もありますが、主にお茶として摂取することが多いです。
Table of Contents
スギナの栄養と期待する効能
スギナには、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、ケイ素、クロロフィル、サポニン等が含まれています。
ミネラルの中でも特にカルシウムが豊富に含まれ、ほうれん草の155倍とも言われています。
リン、カリウム、マグネシウムも豊富に含まれています。
スギナは、お茶にすることで、癌や糖尿病、腎炎、肝疾患、結石、胆嚢炎等の疾患予防に期待があります。
また、ケイ素の含有量も多く含まれています。
スギナには次のような健康効果に期待があります。
|
利尿作用
スギナにはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。
ナトリウムの排泄を促すことにより、余分な水分に含まれている老廃物を排泄することになります。
その為、浮腫みの解消に繋がり、全身の血流促進にもなります。
全身の血流が促進されると、冷えや肩こり、腰痛等の症状改善に期待があります。
癌予防
スギナには、ビタミンA、ビタミンC、クロロフィルのといった抗酸化作用のある成分が含まれています。
抗酸化作用の一つに、細胞分裂の際に遺伝情報が誤ることを防ぎ、細胞の損傷を防ぐというものがあります。
クロロフィルやマグネシウムには強いデトックス作用があることからも、有害物質の蓄積を防いで癌から身を守ると言えます。
美肌効果
抗酸化作用には、紫外線による肌のダメージから守り、シミやしわ、たるみを防ぐ働きがあります。
ビタミンAには粘膜生成作用があり、皮膚の表面の新陳代謝を高めて皮膚を若返らせる働きがあります。
ビタミンB2にも粘膜生成作用があり、皮膚や爪の形成といった働きがあります。
ビタミンCも粘膜生成作用があるとともに、ビタミンAや鉄分とともにコラーゲン生成に携わります。
また、ビタミンCは、一度出来てしまったシミやそばかすを目立たなくする働きがあります。
ケイ素には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の結びつきを強化する働きがあると言われています。
腸内環境改善
クロロフィルは腸管において、便の動きを円滑にさせる働きがあります。
ケイ素は、食物繊維の主成分となる物質です。
ケイ素は水溶性食物繊維として働き、腸内を弱酸性に傾けて、善玉菌優位の環境を作ります。
老廃物排出
スギナにはマグネシウムが豊富に含まれている上に、クロロフィルにはマグネシウムが含まれています。
マグネシウムにはダイオキシンや鉛、カドミウム等の有害物質を排出する程の強い解毒効果があります。
止血作用
ビタミンKは、出欠した際に、傷口の血液を凝固させ、大量出血から守ります。
その為、スギナには止血作用があると言えます。
骨形成
スギナには、骨の材料となるカルシウムが非常に豊富に含まれており、リンもふくまれています。
骨や歯にカルシウムを定着させるマグネシウムも豊富に含まれています。
ビタミンKは骨芽細胞を形成するとともに、骨にコラーゲンを沈着させます。
スギナには、コラーゲン生成に関わる栄養成分も含まれるため、骨形成を助長する働きがあると言えます。
抗菌作用
スギナに含まれているケイ素には、殺菌作用、抗菌作用があります。
殺菌作用や抗菌作用が、歯周病の予防に役立つと言われています。
また、クロロフィルの強いデトックス作用が、老廃物排泄に伴い、消臭効果をもたらします。
そして、クロロフィルは悪臭因子を分解することからも消臭効果を得られることが出来るのです。
筋肉の硬直予防
スギナに含まれているマグネシウムは、筋肉が収縮する時に、筋小胞体から放出されるカルシウムの量を調節する働きがあります。
その為、血中カルシウム濃度が高くなることを防ぎ、筋肉が緊張することを防ぎます。
ケイ素には筋肉の弾力を維持することから、筋肉の硬直による様々なトラブルをふせぐと言えます。
循環器疾患予防
スギナには抗酸化作用があることから、血液中の中性脂肪やコレステロールを酸化から守り、脳血管疾患や心疾患を未然に防ぐことに期待があります。
ケイ素やマグネシウムには筋肉の硬直を防ぐことから、心臓や血管の硬直を抑制します。
ケイ素には血管修復作用があります。
そして、ビタミンKは血管内の石灰化を抑制すると言われ、動脈硬化や心筋梗塞等の循環器疾患予防や臓器不全の予防に寄与すると言えます。
生活習慣病予防
ケイ素には水溶性食物繊維としての働きがあります。
その為、体内の余分なナトリウムや中性脂肪、コレステロールと吸着して、体外に排出します。
スギナにはカリウムが豊富に含まれています。
マグネシウムはコレステロール値を下げるとともに、酸化したコレステロールや中性脂肪の値の上昇を防ぎます。
その為、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症、胆石症、脂肪肝、心疾患、脳血管疾患の予防に良いと言えます。
お茶としての飲み方
スギナをお茶として召し上がる場合は、生の状態でも乾燥した状態でも良いのです。
緑茶を入れる時と同様に、葉を一掴み分急須に入れて、5~6待ってから飲みます。
また、煎じる時は5分程度にしておきます。
飲む時は一度に沢山飲むのではなく、少しずつ飲みます。
塗り薬や入浴剤として
スギナをすり潰して幹部に貼りつけたり、入浴に用いることで、スギナが持つ薬効にも期待があります。
すり潰したものを直接皮膚に貼ることによって、アトピー性皮膚炎の改善を図ったり、スギナを煎じたものを湿布することで、皮膚の爛れや癌性の腫瘍の改善効果があると言われています。
化粧水として用いれば、ニキビなどのトラブル予防にも期待があります。
傷や捻挫、内臓の痛み、水虫にも湿布効果があるとのことです。
注意点
スギナには美肌効果やデトックス作用、生活習慣病予防等、様々な効能に期待がありますが、摂り過ぎは禁物です。
ビタミンB1不足
スギナにはチアミナーゼという成分が含まれています。
このチアミナーゼはビタミンB1を壊してしまいます。
ビタミンB1が不足してしまうと、糖の代謝が正常に行われにくくなり、乳酸の過剰産生や肥満、脳機能の低下を招くことになります。
循環器疾患、腎疾患に罹っている場合
スギナにはニコチンが微量に含まれています。
健康な人が飲む場合は、循環器疾患予防に役立てると言えますが、既に循環器疾患や腎疾患に罹っている場合は、ニコチンによって症状が悪化する場合があります。
まとめ
スギナの効能についてまとめます。
|
スギナは、食用としても、塗り薬や湿布としても効能を発揮することが出来ます。
但し、スギナを食品として調理する際は、少量にとどめておかないと、チアミナーゼによる影響が懸念されます。
沢山の効能を持つスギナですが、健康効果を求めるのであるのなら、一つの食品にこだわるのではなく、時々取り入れる程度にしておきましょう。
スギナは繁殖しやすく、農作物の成長を阻害するというマイナスのイメージもありますが、自然療法として用いられるのに、十分な力を備えているのです。