チコリとはキク科の多年草野菜であり、ヨーロッパから中央アジアにかけての地域で栽培されています。
チコリはサラダやオードブル、フランス料理の前菜等でよく使われますが、苦み成分があることからコーヒーの代替品として用いられたり、薬草としても使用されています。
Table of Contents
チコリの栄養
チコリにはビタミンB6,カリウム、マンガン、食物繊維、タラキサステロール、チコリ酸、タンニンが含まれています。
チコリには次のような健康効果に期待があります。
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アミノ酸代謝に関わる
ビタミンB6はアミノ酸代謝に関わり、チコリと蛋白質、アミノ酸を含む食品と一緒に摂取すると、筋蛋白合成に役立てると言えます。
特にアミノ酸はBCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸の摂取を心掛け、筋蛋白合成促進及び脂肪分解促進作用があると言われるレプチンの分泌を促す働きのある中鎖脂肪酸と共に摂取すると、更に筋蛋白合成に役立つと言われます。
チコリはこのようにアミノ酸や中鎖脂肪酸と摂る事によって筋肉量を増やし、有酸素運動による脂肪燃焼を効率的に行う為の身体を作ることからダイエットに良いと言われています。
筋蛋白合成は子供にも高齢者にも必要なものであり、子供であれば成長を目的としたもの、高齢者であればサルコペニアフレイルの予防にも役立つと言われています。
リラクゼーション
ビタミンB6の主な働きの一つとしてセロトニン、ドーパミン、GABA、アドレナリン等の神経伝達物質の合成があります。
セロトニンの分泌を促進するには、炭水化物、トリプトファン、鉄分、マグネシウム及びビタミンB群と組み合わせ、更に有酸素運動や日光浴を心掛けると良いでしょう。
つわりの軽減
ビタミンB6にはPMSの症状改善やつわりの軽減に期待があると言われています。
その為、特に女性はビタミンB6を意識することが大事です。
つわりの時は栄養摂取が困難な食品もある為、どの栄養素が不足しやすいかを知っていただくには医師や栄養士に相談すると良いでしょう。
つわりの原因となっている食品がビタミンB6を多く含む食品の場合はサプリメントを活用するのも一つの方法でしょう。
浮腫み解消
チコリにはカリウムが豊富に含まれ、更に加熱せずに食べることが多い食品です。
カリウムには電解質均衡を図り、細胞を正常に働かせる働きがあることから、血液中のナトリウムが過剰になっている場合はナトリウム排泄を促し、血圧を正常値にコントロールすると言われています。
血液中の余分なナトリウムは浮腫みの原因となる為、ナトリウムを排泄することによって血流が良くなり、浮腫み解消をはじめ、冷えの改善、肩こり等の症状改善に期待があります。
軟骨細胞の形成
チコリに含まれるマンガンには脂肪代謝の補酵素として役立つと言われています。
また、カルシウムやリンと共に骨形成にも関わると言われます。
更にプロテオグリカンの合成に必要であるグリコシルトランスフェラーゼの酵素の構成成分であることから、軟骨の細胞形成に関わっていると言われています。
腸内環境改善
チコリは腸内環境改善に役立つ食材であることが言えます。
チコリにはイヌリンという水溶性食物繊維が含まれています。
イヌリンは分解されるとオリゴ糖となって善玉菌餌となる為、腸内で善玉菌を増やすことに役立ちます。
更に腸の蠕動運動を促す為、排便を促すことによって便秘の改善に期待があります。
生活習慣病予防
チコリに含まれているイヌリンは水溶性食物繊維であることから、腸管から余分な糖分や中性脂肪の吸収を抑制すると言われます。
水溶性食物繊維は血液中の余分なコレステロールや中性脂肪を排出することに役立つとされています。
チコリには生活習慣病予防に役立てることが言えます。
食欲増進
チコリにはタラキサステロールが含まれています。
タラキサステロールはチコリの苦味成分であり、胃を刺激して消化器官の働きを活発にして、食欲を増進すると言われます。
抗酸化作用
チコリに含まれるチコリ酸やタンニンは抗酸化作用があると言われます。
循環器疾患予防
抗酸化作用によって血液中のコレステロールや中性脂肪の酸化を抑制され、血管内がもろくなることを防ぎ、血管が傷つくことによって傷口からアテロームが形成されることを防ぎます。
このようなことから、抗酸化作用は動脈硬化、心疾患、脳血管疾患の予防に役立つと言われています。
癌予防
抗酸化作用は活性酸素によって体内で細胞が傷つくことを防ぐ働きもあると言われます。
その為、癌予防効果に期待があるとされています。
生活習慣病予防
チコリ酸には強い抗酸化力があり、肝機能強化や糖尿病予防に役立つと言われています。
更にチコリ酸には解毒作用や利尿作用、便秘解消等を担うことが知られ、老廃物や有害物質を排泄することによって内臓機能が維持されると言われます。
老化防止
抗酸化作用には肌を紫外線から守ることによってシミやシワ、たるみを予防すると言われています。
その為、チコリは老化防止に役立つ食品であることが言えます。
その他
チコリ酸やタンニンにはこのほかにも抗菌効果、抗酸化作用、脂肪吸収抑制作用、下痢の予防といった効果があると言われます。
注意点
チコリを摂取する際には次のことに注意します。
腎機能低下
チコリはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは高血圧予防に良いと言われることから生活習慣病予防に良いイメージがありますが、腎不全が悪化している場合は摂取量を減らす必要がある成分です。
腎臓での排泄機能が正常に行われているのであれば問題ありませんが、腎機能悪化により腎不全が悪化すると腎臓からの排泄が殆どなくなります。
腎臓からの排泄量が少なくなると血中カリウム濃度が上がります。
血中カリウム濃度が高い状態が続くと不整脈を起こしやすくなり、心不全のリスクが高まり最悪の場合には死に至ってしまいます。
その為、腎機能が悪化している場合にはカリウムの摂取量について注意を払う必要があります。
タンニンの過剰摂取による便秘
チコリには腸内環境を整えるイヌリンが含まれていますが、その一方、タンニンの過剰摂取によって便を固めてしまい、却って便秘を招いてしまう場合もあります。
くれぐれもデトックス効果があるとされるイヌリンの効能に期待して大量摂取することは避けましょう。
鉄の吸収抑制
チコリにはタンニンが含まれていることから、過剰摂取によって鉄分の吸収を抑えてしまうと言われます。
特に貧血が見られる方の場合は、摂り過ぎに気を付けた方が良いでしょう。
まとめ
チコリについてまとめます。
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チコリは苦味があることから、人によっては苦手な場合もあります。
何気にオードブルに使われるチコリですが、このように健康効果に期待の大きい野菜であることが言えます。