ポリフェノールの一つであるレスベラトロールを含む「マルベリー」

マルベリーとは日本でも食べられてきた桑の実のことです。

桑というと蚕の餌である桑の葉が有名ですが、アメリカなどではマルベリーという名で知られており、中国ではお茶や漢方薬として長年使われてきました。

サーチュイン遺伝子を働かせ、ミトコンドリアの数を増やすことによる若返り効果のある「レスベラトロール」を含む食品の一つです。





 

レスベラトロールが含まれる

マルベリーには長寿遺伝子「サーチュイン」を活性化する「レスベラトロール」が含まれていると言われています。

レスベラトロールはポリフェノールの一種であり、化学構造の違いによりトランス型とシス型に分類されます。

トランス型は新鮮な原材料から摂れる安定した分子構造を持ち、シス型は太陽光や熱、酸化などによって不安定な状態の分子構造を持ちます。

トランス型レスベラトロールは太陽光などによってシス型に変化します。体内で有効に働くのはトランス型と言われています。

レスベラトロールには長寿遺伝子を活性化させたり、放射能から身を守る働きがあることがいわれていることから、マルベリーにも同様の効果が期待されます。

 

マルベリーの栄養

マルベリーに含まれる栄養成分にはレスベラトロールの他にも、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、鉄分、カリウム、アントシアニン、ゼアキサンチン、ルテイン、デオキシノジリマイシン、ケルセチン、食物繊維が含まれます。

マルベリーには次の効果に期待があります。

  • 目のトラブル予防
  • 美肌効果
  • 生活習慣病予防
  • 癌予防
  • 抗アレルギー


 

目のトラブル予防

マルベリーはストロベリーやベリーなど語尾に「ベリー」が付く食品であり、これらに共通するのは抗酸化物質であるポリフェノールです。

マルベリーにも数種類のポリフェノールが含まれ、その中でも一番豊富に含まれているのが「アントシアニン」です。

アントシアニンはブルーベリーに含まれ、「目に良い」と良く言われます。

アントシアニンは目の網膜にあるロドプシンとある蛋白質を生成するのに必要です。

パソコンやスマホなどで目を酷使すると、ロドプシンの再合成が間に合わなくなり、減少することによって眼精疲労を招きます。

アントシアニンロドプシンの再合成を促進し、眼精疲労を回復して視力を改善する働きがあると言われます。

アントシアンには角膜・水晶体に含まれるコラーゲンを安定させる働きがあり、マルベリーにはコラーゲン生成に関わるビタミンCと鉄分も含まれる為、これらの働き助長します。

アントシアニンには網膜の血流を良くする作用によるものと、ルテイン、ゼアキサンチンによって加齢黄斑変性の予防効果や、目に悪影響を及ぼす活性酸素除去力により、白内障や緑内障の予防効果が期待されます。

そしてビタミンAは目の網膜生成や光刺激反応に重要な役割を担っています。

また、アントシアニンにはビタミンPのような働きもあり、毛細血管の強化、拡張による血流促進によって、糖尿病合併症による目のトラブルから守ると言われます。


 

美肌効果

また、抗酸化物質であるアントシアニンに加え、ビタミンC、Eも含まれており、更に抗酸化力を発揮します。

抗酸化作用は、紫外線による肌のダメージを軽減するため、アンチエイジング効果も期待出来ます。

ルテインは「天然のサングラス」と呼ばれ、目からの紫外線の侵入を防ぎます。

目から紫外線の侵入を防ぐことによって、皮膚の老化を防ぐと言われます。

マルベリーにはビタミンCが多く含まれることによってコラーゲン生成を促すため、アンチエイジング効果に加え、美肌効果も期待出来ます。

更にビタミンCにはメラニン色素の合成を抑制する働きもあります。

マルベリーにはレスベラトロールが含まれ、サーチュイン遺伝子活性化によって老化を遅らせることに期待があります。

マルベリーには食物繊維も多く含まれるので、毒素排泄による肌荒れやニキビを改善することに期待があります。




 

生活習慣病予防

マルベリーにはカリウムが含まれ、血液中のナトリウム量が過剰になると排泄を促し、血圧を正常値に調節します。

そして、マルベリーには食物繊維が含まれることによって、余分な糖の吸収を抑えたり、血液中の余分な糖分や中性脂肪、コレステロールを排出します。

マルベリーには抗酸化作用によって血液中の中性脂肪やコレステロールの酸化を防ぎ、これによって血管が傷つくことを予防します。

ケルセチンには血流改善、LDLコレステロールの低下、動脈硬化を予防する働きがあります。

抗酸化作用によって血栓症や動脈硬化の予防に役立ち、心疾患や脳血管疾患の予防にも期待があるでしょう。

マルベリーにはデオキシノジリマイシンという成分が含まれています。

デオキシノジリマイシンは糖質を分解する酵素の働きを阻害する為、血糖の吸収を妨げます。

血糖の吸収が抑えられることによって血糖値上昇を抑え、インスリンのような働きをしてくれます。

レスベラトロールはミトコンドリアを増やすことから、脂肪燃焼効果を増強すると言われます。

レスベラトロールにはサーチュイン遺伝子を働かせることによってインスリン感受性を高め、糖尿病や肥満、脂質異常症を予防すると言われます。

アントシアニンには血管拡張による血流促進、毛細血管の強化、抗酸化作用があることから、血管トラブルによる糖尿病合併症の予防に役立ち、糖化の予防と言う観点からも糖尿病の合併症から守ります。

マルベリーは、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、肥満、血栓症、動脈硬化、心疾患、脳血管疾患等の疾病予防に期待があると言えます。

 

癌予防

マルベリーは抗酸化作用があることから、細胞の損傷や劣化から守ることによって癌予防に期待があります。

そしてビタミンCには、NK細胞を活性化して、癌から守る働きがあることが言えます。

レスベラトロールには免疫力を高める働きがあり、NK細胞における癌細胞の攻撃を促進します。

食物繊維による腸内環境改善によって免疫力アップにも期待があるでしょう

 

抗アレルギー

マルベリーのポリフェノールには抗ヒスタミン作用があり、花粉症の軽減及び予防の効果が期待できます。

 

鉄欠乏性貧血予防

マルベリーには複数のミネラル類が豊富に含まれ、その中には鉄分もあります。

ビタミンCと鉄分の両方が含まれることから、ビタミンCによって鉄分の吸収が促され、貧血の予防や改善に繋がります。

 

マルベリーの摂り方

マルベリーはドライフルーツや冷凍品として手に入れることが可能です。

そのままおやつとして召し上がれますし、サラダ、フルーツサラダのトッピングとしても活用出来ます。

 

副作用及び1日あたりの目安摂取量

マルベリーは食品なので副作用は特にありません。

アレルギーについても特に報告がありませんが、摂取してみて疑わしい症状がある場合には摂取を控えると良いかと思います。

1日あたりの目安摂取量は小鉢1杯程度です。


 
栄養相談、サポート詳細
 

関連記事

最近の記事

  1. 大豆の大量摂取が甲状腺に影響を及ぼす…ゴイトロゲンとは?

  2. 強い抗酸化作用が秘められる「チコリ酸」

  3. いくら食べても太らない…隠れ肥満とサルコペニアのリスクの低減を図るには?