60種類に及ぶポリフェノールを含む「メイプルシロップ」

メイプルシロップはサトウカエデ等の樹液を濃縮して作られます。

サトウカエデはカナダ南東部からアメリカ北東部にサトウカエデが多く分布されています。

メイプルシロップはカナダのケベック州、オンタリオ州、アメリカのニューイングランド地方で出回っている他、日本でも埼玉県秩父市、山形県金山町、長野県北安曇分小谷村で生産されています。

但し、国産のものは樹液の濃度が低く、製造コストがかかることから値段も高くついてしまい、流通の問題において課題があるようです。

ケベック州で生産されたものがメイプルシロップの7割を占めています。

サトウカエデから作られるものはメイプルシロップの他にもメイプルシュガー、メイプルバターがあります。





 

メイプルシロップの分類と栄養

メイプルシロップは色味によって味が変わります。

種類 特徴
ゴールデン 早いうちに採取され、色が最も淡い
アンバー ゴールデンの次に早い時期に採取され、美しい琥珀色をしている
ダーク アンバーより後の時期に採取さらえ、肉や魚料理に使用される
ベリーダーク 採取時期の最後に作られ、甘さは低いもののメイプルの濃さがあり、肉や魚料理に使われる

この中でアンバーは一番メジャーに使われている物と言われます。

メイプルシロップにはカリウム、カルシウム、マグネシウム、ポリフェノールが含まれています。

メイプルには以下のような健康効果に期待があります。

  • 低GI
  • 高血圧予防
  • 骨粗鬆症予防
  • 抗酸化作用


 

低GI、低カロリー

メイプルシロップは100gあたり257kcalと甘味料の中では低カロリーであり、砂糖の384kcalと比べると100kcal以上の差があります。

GI値も低く、砂糖が109に対しメイプルシロップは73の為、砂糖より低いですが、基本的には甘味料なので他の食品と比べると決して低いとは言えません。

甘味料として使う場合は砂糖より低カロリーでGI値が低く、ミネラル類も多く含む為、砂糖から摂るよりは明らかに健康的です。

GI値が砂糖より低いことから、砂糖を摂取した時よりも食後の血糖上昇が抑えられ、インスリン分泌量も抑えられます。

その為、糖尿病や肥満予防に適している甘味料であることが言えます。

 

蜂蜜の10倍以上のカリウムを含む

メイプルシロップにはカリウムが沢山含まれており、その含有量は蜂蜜の10倍以上となります。

カリウムはナリウムとともに電解質の均衡を図り細胞を正常にさせます。

ナトリウムが過多な時は体内の余計なナトリウムを体外に排出する働きがある為、血圧を正常値に調整する働きがあると言えます。

また、カリウムによって老廃物を排泄する為、浮腫み解消に効果的であると言われ、血流を促します。

但し、メイプルシロップはカリウムを非常に多く含んでいる為、腎不全が進行してステージが進んでしまっている方には注意が必要です。

腎臓からカリウムの排泄が出来なくなってくると体内にカリウムが溜まってしまい、血中カリウム濃度が上がります。

これによって不整脈や心不全を起こす危険性があり、最悪の場合には死に至ってしまいます。腎機能低下が見られる場合は摂取を避けた方が良いでしょう。

 

骨粗鬆症予防

メイプルシロップはカルシウムとマグネシウムの両方を含んでいます。

蜂蜜にもカルシウムとマグネシウムが含まれますが、微量の為、それほど健康効果が期待出来るとは言えません。

メイプルシロップはカルシウムとマグネシウムが豊富に含まれています。

骨の材料となるカルシウムとカルシウムを骨に定着されるマグネシウムにより、骨形成に良いと言われ、閉経期や高齢者の骨粗鬆症予防にも効果的であると考えられます。

 

60種類以上に及ぶポリフェノール

メイプルシロップは数多くのポリフェノールが含まれており、その数は60種類以上に及びます。そのうち9種類はメイプルシロップ特有のものとなります。

ポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の活性酸素の産生を抑制する働きがあります。

この働きによって血中コレステロールが酸化されるのを抑制する為、血管を傷つけることを防ぎ、血管内にアテロームの形成を予防することによって動脈硬化予防に良いとされ、更に、心疾患や脳血管疾患等の生活習慣病予防に役立つと言われます。

そして抗酸化作用には抗癌作用もある上、紫外線から肌も守る効果もある為、シミやシワを防止して美肌効果を持続させる働きもあると言われます。




 

乳児に与えるのは10ヶ月を過ぎてから

メイプルシロップは蜂蜜に似ていることから乳児ボツリヌスを心配されるかと思います。

蜂蜜には土壌に存在する菌が含まれています。

メイプルシロップは製造工程において樹液を煮詰めて濃縮する為、高温殺菌されています。

その為、メイプルシロップは乳幼児のお子様にも安心して与えられます。

ただ、アレルギー症状が現れる場合もありますので、離乳食を始めて3~4ヶ月(生後10ヶ月位)が開始の目安となります。

 

注意点

メイプルシロップの摂取上の注意点は摂り過ぎに注意することです。

生活習慣病や糖化

カロリーやGI値が低めの甘味料であっても、摂り過ぎは肥満や生活習慣病の原因となってしまい、糖化に繋がります。

既に糖尿病に罹っている場合、糖化によって合併症を引き起こしやすくなります。

腎機能が低下している場合は控える

カリウムが非常に多く含まれていることから、腎不全が進行している場合は血中カリウム濃度が上がることによる心不全の発症に繋がりやすいことから、腎機能が低下していしまっている場合は摂取を避けた方が良いでしょう。

原材料を確認すること

中にはパッケージにはメイプルシロップと書かれているものの、コーンシロップにメイプルの風味を付けた商品もあります。

メイプルシロップの効能を得られる為にも原材料をしっかりチェックしてから商品を選ぶようにしましょう。

 

まとめ

メイプルシロップについてまとめます。

  • 低GI
  • 高血圧予防
  • 骨粗鬆症予防
  • 抗酸化作用

メイプルシロップはあくまでも甘味料です。

健康食品というより、甘味料として扱うことを基本に、1日あたりの摂取量を少量に留めておきましょう。


 
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