ホメオスタシスとは、外部からの沢山の刺激に対して身体が調整し、常に安定した状態を保つ機能を言います。
ホメオスタシスによって人の身体は一定のバランスをとることが出来ます。
実を言うと人間の持つ恒常性は精密機械よりも複雑かつ柔軟性があるのです。
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身体は常に刺激と隣り合わせ
身体を取り巻く環境は、必ずと言っても気候の変化をはじめ、数々の刺激にさらされています。
熱さや寒さ、湿度、気圧の変動によって身体は刺激を受けますし、生きている以上、空気を吸って食物を取り入れることが欠かせません。
そのために身体は外部の刺激から守るように反応します。
気温が熱くなると汗をかいて体温を下げようとします。
寒い時期は低体温を起こさないために鳥肌が立ったり震えたりして体温が冷えることから身体を守ります。
食事を食べれば血糖値が上がり、血糖値を下げようと働きかけます。
血中カルシウム濃度が下がれば、骨吸収によってカルシウムを血液中に流出してカルシウム濃度を一定に保ちます。
内分泌系による恒常性の維持
身体の恒常性を保つにはホルモンが大きく関与しています。
これはホルモンのフィードバック調節系によって、各機能の安定を図っています。
フィードバック調節系にはポジティブフィードバックとネガティブフィードバックがあります。
例えば食事をした後に血糖値が上がるとインスリンが分泌されて血糖値を下げようとします。
血糖値が下がり過ぎるとグルカゴンが分泌して血糖値を上げます。
膵臓にはインスリンとグルカゴンの他にもソマトスタチンというホルモンもあり、ソマトスタチンはインスリンとグルカゴンの分泌量を調節して血糖値を正常に保ちます。
これをポジティブフィードバックと言います。
一方、機能が低下している器官を亢進させるためにホルモンを分泌させたり、機能が亢進している器官を抑制させるためにホルモンを分泌させて均衡を図るものをネガティブフィードバックと言います。
自律神経系による恒常性
神経系は身体の状況に適切な反応を発現するための器官です。
神経系には中秋神経系と末梢神経系があります。
中枢神経は頭蓋骨に存在する脳、脊柱管に存在する脊髄が該当します。
脳は、大脳半球、中脳、間脳、小脳、橋、延髄に分けられ、脊髄は頚髄、胸髄、腰髄、選髄に分けられます。
末梢神経には意識や知覚を司る耐性神経、内臓の機能調整にあたる自律神経、感覚器を中枢神経に伝達する知覚神経、筋肉の収縮に関わる運動神経があります。
その中で恒常性に関わるのが自律神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は活動する際、あるいは窮地に迫った時に身体を緊張状態にして周囲の状況に即座に対応するように働きかけます。
ただ、その一方で内臓の動きが抑制されます。
副交感神経は内臓機能を活発化して、身体を緊張状態から放ちます。
まとめ
身体はこれら恒常性によって身体の安定を図るために調節されています。
しかし、ストレスや不摂生な食事、不健康な生活習慣によって、本来備わっている恒常性が十分に働かない場合もあります。
恒常性を正常に保つには、日々の健康管理が必要になります。