ひよこ豆はマメ亜科の植物からなり、その歴史は紀元前7500年前と長く、トルコで生産されていたそうです。
紀元前4000年には地中海に、紀元前2000年にはインドに伝えられたそうです。現在はアメリカやカナダ、メキシコで生産されています。
ひよこ豆はひよこの様な形をしており、ひよこ豆の名称はラテン語から来たものと言われています。
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ひよこ豆の栄養
ひよこ豆は芋や栗のようなホクホクした食感があります。
その為、糖分が多く含まれているように思われますが、実は蛋白質の摂取源になります。
蛋白質の他にもビタミンB群、ビタミンE、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維、イソフラボンが含まれます。
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蛋白質が豊富
ひよこ豆は蛋白質が豊富であり、必須アミノ酸全てを含み、準必須アミノ酸も含まれています。
ただ、必須アミン酸のメチオニンがやや不足するので、大豆や魚介類と併せると良いでしょう。
ひよこ豆は大豆と比べると炭水化物の割合が多めで脂質含有量が控えめになります。
肉や魚のような動物性食品と比べても蛋白質含有量がやや少ないですが、大豆同様に蛋白質源でありながら食物繊維が含まれており、蛋白質を補給しつつも腸内環境の悪化を防止できるという点では大豆と共通しています。
ひよこ豆には蛋白質とビタミンB6が含まれています。
蛋白質は生物の構成成分として重要な役割を持っています。
ビタミンB6は蛋白質の合成に関わります。
ひよこ豆には筋蛋白合成に役立つことから、お子様の成長や高齢者のサルコペニアフレイル予防、そして体脂肪率を下げることによってダイエット効果が現れやすい身体を作る働きがあることが言えます。
三大栄養素の代謝
ひよこ豆はビタミンB群が含まれることから三大栄養素の代謝に関わります。
エネルギー消費は嫌気的条件下においてグルコースが利用されます。
その後、有酸素運動にて好気的条件下においてTCAサイクルにてエネルギー代謝が行われます。TCAサイクルは炭水化物、脂質、蛋白質の合流経路であり、これらの相互変換に関わります。
ここでビタミンB群によって主なエネルギー源となっている三大栄養素の代謝が行われる為、疲労を抑制しながら、エネルギー消費によって余分なエネルギーが体脂肪として蓄積される事を防ぎつつ、体脂肪を燃焼していきます。
リラクゼーション
蛋白質には神経伝達物質の合成にも関わります。
ビタミンB6にもセロトニン、ドーパミン、GABA、アドレナリン等の神経伝達物質の合成に関わります。
炭水化物、トリプトファン、ビタミンB6,マグネシウム、鉄分はセロトニン生成に携わり、有酸素運動や日光浴を取り入れることによってリラクゼーション効果を高めることに期待があります。
カルシウムの興奮抑制作用によってもリラクゼーション効果を高めると言えるでしょう。
循環器疾患予防
ひよこ豆にはビタミンEが含まれることから強い抗酸化作用に期待があります。そしてイソフラボンにも抗酸化作用があると言われます。
抗酸化作用によってコレステロールの酸化を抑制し、血液中LDLコレステロールや中性脂肪の産生を抑制します。
この働きによって中性脂肪やLDLコレステロールによって血管が傷つくことを防止し、傷口からアテロームが形成されることを予防します。
イソフラボンはHDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールの働きを取り除くと言われます。
これによって脂質異常症、動脈硬化、心筋梗塞、脳血管疾患の予防に期待があります。
癌予防
抗酸化作用は活性酸素によって体内で細胞が傷つくことを防ぐ働きもあると言われます。
その為、癌予防効果に期待があるとされています。
腸内環境改善
ひよこ豆には食物繊維が豊富に含まれ、食物繊維が善玉菌の餌となって腸内環境改善を図ることに役立てると言えます。
また、食物繊維によって腸の蠕動運動が促され、更に便のかさを増すことから、腸内に溜まった老廃物や有害物の排泄を促すと言われます。
腸内環境改善によって排便コントロール状態を改善し、免疫力増強、太りやすい体質の改善、美肌効果等に期待があります。
美肌効果
ひよこ豆にはイソフラボンが含ままれ、女性ホルモン様作用によって美肌効果が期待されます。
更にイソフラボンやビタミンEの抗酸化作用によって紫外線から肌がダメージを受けることを抑制するとされることから、シミやシワ、たるみの予防に期待があります。
食物繊維による腸内環境改善によって老廃物のデトックスに役立つことから、ひよこ豆は美容に役立つ食品であることが言えます。
イソフラボンは女性らしい身体つきを作ると言われます。
薄毛対策
イソフラボンは女性ホルモン様作用があることから、体臭を抑える上に、男性の薄毛対策にも役立てます。
高血圧予防
ひよこ豆にはカリウムが豊富に含まれます。
カリウムには電解質均衡を図り、細胞を正常に働かせる働きがあることから、血液中のナトリウムが過剰になっている場合はナトリウム排泄を促し、血圧を正常値にコントロールすると言われています。
血液中の余分なナトリウムは浮腫みの原因となる為、ナトリウムを排泄することによって血流が良くなり、浮腫み解消をはじめ、冷えの改善、肩こり等の症状改善に期待があります。
骨粗鬆症予防
ひよこ豆にはカルシウム、マグネシウムが含まれます。
カルシウムは骨や歯の材料となり、マグネシウムはカルシウムを骨に定着させる働きがあります。
その為、お子様の成長に役立つ上、閉経期の女性や高齢者の骨密度低下の予防に役立てると言えます。
ひよこ豆はイソフラボンによって骨を蓄える働きがあると言われます。
更年期によって女性ホルモンの分泌量が低下している場合に役立ちますが、エクオール生産菌を持っていないと、イソフラボンによる効能が得られない可能性があります。
鉄欠乏性貧血予防
ひよこ豆にはビタミンB群、鉄分が含まれることから、ビタミンCを含む食品と一緒に摂ると貧血予防効果や改善効果に期待があると言えます。
ビタミンCは鉄分を三価鉄から二価鉄に還元し、鉄を吸収しやすくする働きがあると言われます。
ひよこ豆には鉄欠乏貧血予防に役立つ食品であることが言えます。
注意点
ひよこ豆を摂取する際は次の点に注意します。
腎機能低下
ひよこ豆は蛋白質、カリウムが多く含まれています。
どちらとも大事な役割を持った栄養成分ですが、腎布瀬によって腎機能が悪化している場合は蛋白質もカリウムも摂取量を控えます。
蛋白質の過剰摂取は腎機能の悪化の原意となりますが、腎機能が悪化していると、蛋白質が更に悪化を進行させてしまいます。
更に腎不全が末期状態になると腎臓からの排泄機能の働きが悪くなります。
これによって血中カリウム濃度が上がりやすくなり、血中カリウム濃度が上がることによって不整脈を起こすリスクが高まります。
不整脈を起こすことによって腎性心不全を引き起こし、最悪の場合死に至る場合があります。
腸管トラブル
ひよこ豆は食物繊維が多く、腸内環境改善に役立てる食品と言えますが、腸閉塞に罹っている場合も摂取を控えます。
腸閉塞によって腸管のつまりや狭窄が見られる場合、神経障害によって腸の動きが鈍くなっている症状が見られる時は過剰摂取に注意しましょう。
イソフラボンの過剰摂取
イソフラボンの1日あたりの目安摂取量は70~75mgと食品安全委員会で定められています。
イソフラボンは女性ホルモン様作用があることから美容効果に期待がありますが、摂り過ぎはホルモンバランスを崩してしまい、却ってデメリットとなる場合があります。
ホルモンバランスの乱れによって月経バランスや自律神経の不調を訴える原因となります。
女性らしい身体つきになる
ひよこ豆には蛋白質が比較的多く、薄毛対策に役立つことから男性にも役立てる食品であると言えます。
イソフラボンの過剰摂取は女性らしい体型を作ることから、筋肉をしっかり付けたい男性にとって体型作りが思うようにいかないことがあります。
まとめ
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ひよこ豆は蛋白質が豊富ですが、ひよこ豆だけとなるとアミノ酸が完全に摂取出来ません。
複数の食品と併せながら食べることを心がけましょう。