フコイダンはフコースという糖を主成分とした多糖類であります。多糖類なので非常に分子量が大きく、昆布やワカメ、モズク等の海草類に含まれているネバネバした成分です。
昔から海藻類は薄毛に良いと言われていますが、これにはフコイダンが関わっており、フコイダン独自の働きによって髪の栄養として働きかけているからなのです。
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フコイダンの働き
フコイダンは水溶性食物繊維なので、腸内環境改善や生活習慣病予防、癌予防に役立ちます。
フコイダンに期待する効能には次のものが挙げられます。
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癌予防
フコイダンには癌の治療に有効的であることが注目されています。
フコイダンの中のU-フコイダンはアポトーシスに働きかける経路があり、この経路は2つあると言われています。
細胞は分裂・分化を繰り返す過程で自分の役目を終えると自滅することが組み込まれています。
このことをアポトーシス機能と言います。癌細胞はこの機能が上手くいかなくなってしまう為、自滅しないまま際限なく分裂・分化を繰り返し、正常な細胞の居場所を侵食してしまいます。
この時フコイダンがアポトーシス誘導を働きかける経路の一つとして、身体に入ったフコイダンが癌細胞に接触することで癌細胞のDNAが破壊され、アポトーシスによって癌細胞が自滅をする経路です。
もう一つは、フコイダンが癌細胞の表面に穴を開けて、細胞の中で「パーフォリン」という毒素を発生させ、癌のDNAを直接攻撃し、破壊する経路です。
フコイダンのアポトーシスを起動させる働きは、正常な細胞においては死滅されない為、理想的な癌治療として注目されています。
フコイダンの癌への効果として、新生血管の抑制作用があります。癌細胞は自ら血管を作り足してそこから栄養を吸収して増殖します。
この癌細胞の栄養源となるのが「ブドウ糖」です。
しかし、食事で完全にブドウ糖を断つことは無理があります。
癌に罹患しても、初期の頃のように食欲がある場合は、糖質を控えつつ良質な蛋白質や脂質、ビタミン、ミネラルを含んだ食事を摂る上で、フコイダンを摂取すると良いでしょう。
また、一時的に断食を行い体内をリセットし、回復後は糖質を控えた上で健康的な食事を心がけるとフコイダンの癌細胞への働きかけが良くなると考えられます。
但し、抗癌剤の副作用や、末期で悪液質が見られ、食欲が著しく低下してしまうと、栄養による治療には限界があります。
一番理想的なのは癌の予防であり、普段から健康的な食生活を心がけ、ストレスを溜め込まないことが大切です。
癌の診断は大変ショックなものですが、フコイダンのことを理解していただいた上で、治療方針を検討してみると良いかと思います。
また、フコイダンにはNK細胞を活性化して免疫機能を向上させる働きがあります。
免疫機能向上によって抗癌作用が期待出来ます。
生活習慣病予防
フコイダンは水溶性食物繊維であることから、生活習慣病予防にも役立っております。
フコイダンの水溶性食物繊維は粘着性があり、腸内の余分なコレステロールや胆汁を体外に排泄する働きがあります。
余分なLDLコレステロールが排泄されることによって、動脈硬化の予防につながり、更に脳血管疾患や心疾患の予防にも繋がるので、生活習慣病予防や介護予防に役立ちます。
また、血糖値の吸収を抑える働きもあるので、糖の吸収を抑え、血糖値上昇、中性脂肪蓄積、肥満の予防に役立てます。
フコイダンは水溶性食物繊維の為、プレバイオティクスとして腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることに関係しています。
また、腸内環境が良くなることによって、免疫力アップや体質改善、排便コントロールの改善等の様々な症状を改善させるのに関係しているのです。
抗アレルギー
フコイダンは、IgEという免疫に関連した蛋白質が過剰に産生することを防ぎます。
IgEは健常な人なら微量しかない物質です。
IgEアレルゲンと結合することによって身体に良からぬ反応を起こし、アトピー症状やじんましん、喘息などの不快な症状を呈してしまいます。
フコイダンは、IgEが体内で増え過ぎることを抑えることから、アレルギーや花粉症の予防に効果的ということが言えます。
このほかに除菌作用によってピロリ菌から胃を守ったり、肝臓の修復機能があることも知られているそうです。
髪の成長
「海藻を食べると薄毛が改善する」という話を聞いたことがあるかと思います。
フコイダンには頭皮の炎症を抑えるとともに、紫外線からのダメージから守る働きや保湿効果もあると言われています。
そして「FGF-7」という髪の成長を助ける成分がフコイダンにはあります。
フコイダンは海藻独自に含まれる成分であり、FGF-7の活性に関わるのは海藻類しかないことから、海藻類が薄毛対策に良いと言われているのでしょう。
FGFは毛根にある毛母細胞という細胞から分泌され、髪の毛の生成や成長に携わります。
この毛母細胞に働きかけるのが唯一フコイダンなのです。
更に、毛髪そのものの寿命を長くするため、正常なヘアサイクルを保ちます。
フコイダンを多く含む食品
フコイダンは主に海藻類に含まれ、昆布、めかぶ、モズク等に含まれています。
昆布の中でもカゴメ昆布はフコイダンが他の昆布より2倍含まれています。
ただ、ガゴメ昆布はだしには向かないそうです。
まとめ
フコイダンの働きについて最後にまとめます。
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フコイダンは現在でも世界で研究されています。
フコイダンはこのように癌や腸内環境に有効とされており、フコイダンを含んでいる海藻類はミネラルの宝庫です。
但し、沢山摂りすぎるとヨウ素の過剰摂取により甲状腺機能亢進症を起こすリスクもある為、大量摂取をしないように気を付けましょう。