脂肪をため込みにくい身体をつくる「共役リノール酸」

共役リノール酸とは、不飽和脂肪酸の一種であり、必須脂肪酸の「リノール酸」が変換されたオメガ6脂肪酸の一つです。

共益リノール酸はリノール酸を原料として作られます。

その為、人間の体内で生成することが不可能です。

共役リノール酸は、ダイエット効果がある成分として注目されています。





 

共役リノール酸とは?

共役リノール酸は、牛肉、羊肉、鶏肉、卵、乳製品に含まれています。

共役リノール酸は殆どが動物性食品に含まれていますが、植物性食品では唯一ゴーヤの種に含まれています。

また、牛や羊といった反芻動物の胃で作られます。

反芻動物とは、一度のみこんだ食物を再び口に戻して咀嚼する動物を言います。

牛や羊によって摂取されたリノール酸を沢山含んだ餌は、胃の中に住む微生物によってリノール酸を共役リノール酸に変換させるのです。

そしてリノール酸と共役リノール酸は全く別の栄養素なのです。

 

共役リノール酸の働き

ダイエット効果があるとして知られている共役リノール酸ですが、この共役リノール酸にはどのような働きがあるのかというと、下記の通りとなります。

  • 体脂肪が貯まりにくい身体を作る
  • 抗酸化作用
  • 血流改善
  • アレルギー抑制
  • 生活習慣病予防

 

太りにくい身体を作る

脂肪は通常、体内で消化・吸収され、リポ蛋白質リパーゼという酵素によって蓄えられます。

蓄えられた脂肪はホルモン感受性リパーゼによってエネルギーとなって利用されます。

共益リノール酸にはホルモン感受性リパーゼを活性化し、脂肪分解を促進し、脂肪の蓄積を防ぎ、リポ蛋白質リパーゼの抑制効果によって細胞に脂肪が取り込むのを抑える為、脂肪を溜め込みにくい身体を作ります。

共役リノール酸は筋肉に栄養を送る働きがあります。

脂肪を効率よく燃焼していきながら、筋肉増強や筋肉の成長を促す 働きに期待があるのです。

筋肉が増えることにより、エネルギーの代謝が活発になり、脂肪燃焼しやすく太りにくい身体を作るのです。

 

抗酸化作用

共役リノール酸には抗酸化作用 があると言われています。

抗酸化作用によって動脈硬化や心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病予防
や免疫力増強や細胞の損傷予防による癌予防 、紫外線から肌を守り、シミなシワを防止するアンチエイジング効果 に期待があります。

 

血流改善

共役リノール酸には筋肉増強作用による体温上昇効果と、抗酸化作用による過酸化脂質の蓄積防止による血流改善効果により、冷えを改善する 働きがあると言われます。

 

アレルギー抑制

共役リノールには、この他にアレルギー反応を抑制したり、アレルギー症状を引き起こす原因となる物質の生成を抑える効果もある為、免疫機能の改善
にも役立っています。




 

生活習慣病のリスクを下げる

共役リノール酸の摂取は、癌、糖尿病、心臓病のリスクを低減
することが知られています。

 

循環器系に良いと言われるが…

しかし、この共役リノール酸はオランダのマーストリヒ大学の研究によると、心臓疾患に悪影響を及ぼすという報告もあるのです。

共益リノールは別名「天然のトランス型脂肪酸」と言われます。食品に含まれている共益リノール酸は微量にしか含まれておりません。その為、天然のトランス型脂肪酸の害について明るみになっていませんでした。

共役リノール酸は殆どの食品に僅かしか含まれていない為、サプリメントや多量の肉を摂取しないと、共益リノール酸のダイエット効果を十分に得ることが出来ません。

しかし、共役リノール酸は抗酸化作用があり、循環器系疾患に良いと言われているにも関わらず、心臓疾患に影響を及ぼすという報告がなされているのです。

共益リノール酸はLDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らすというのです。更に、トランス型脂肪酸は天然・人工にも関わらず、心筋梗塞を23%増やし、心不全による突然死を47%増加させるという発表もされています。

共役リノール酸は過剰摂取してしまうと、却って生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

また、このような害を及ぼすのは、共役リノール酸のサプリの不適切な摂取や、肉の大量摂取によって引き起こされている と言われます。

 

動物性食品の大量摂取は健康に概を及ぼす

動物性食品には蛋白質が豊富で、必須アミノ酸の摂取に優れていると言えますが、脂肪の蓄積を抑えて痩せ体質を手に入れたいからといって、大量摂取をすると、天然のトランス型脂肪酸の害以外にも、LDLコレステロールの増加や腸内環境悪化など、様々な害を及ぼしてしまいます。

 

トランス脂肪酸

食品に含まれるトランス脂肪酸の割合は植物性由来のものの方が含有力が高く、特にショートニング、マーガリンに多く含まれています。

動物性の場合は植物性ほど含有率が高くありませんが、食べ過ぎてしまえばトランス型脂肪酸による弊害が起こるリスクが高くなることが言えるでしょう。

[参考]各食品100g当たりのトランス型脂肪酸平均含有量

食品 平均含有量 最小値~最大値
マーガリン、ファットスプレッド 7.0g 0.36~13.5g
ショートニング 13.6g 1.15~31.2g
ラード 1.37g 0.64~2.70g
ビスケット 1.8g 0.04~7.28g
ケーキ 0.71g 0.26~2.17g
即席中華麺 0.13g 0.02~0.38g
牛乳 0.09g 0.02~0.19g
牛肉 0.52g 0.01~1.45g
チーズ 0.83g 0.48~1.46g
ヨーグルト 0.04g 0.11g以下

 

まとめ

共役リノール酸の働きについてまとめると次の通りとなります。

  • 体脂肪が貯まりにくい身体を作る
  • 抗酸化作用
  • 血流改善
  • アレルギー抑制
  • 生活習慣病予防

共役リノール酸に限ったことではありませんが、身体に良いからといって大量摂取することは却ってデメリットとなります。

サプリメントで摂る場合は適切に管理を行いましょう。

 
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