アントシアニンは紫系のファイトケミカルであり、ポリフェノールのフラボノイドの一種です。
紫芋やブルーベリー、黒豆等に含まれており、活性酸素の発生を抑える抗酸化作用の他、目の疲労回復や白内障の予防などと関連があると考えられています。
紫色のスーパーフード「マキベリー」「ブルーベリー」「カシス」も同様の効果があり、目の毛細血管の血流を良くして網膜を修復する成分が含まれているのです。
これらに共通するのが「アントシアニン」を豊富に含んでいることです。
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アントシアニンの働き
アントシアニンと言えば目の栄養で有名ですが、主に次のような作用に期待があります。
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目の機能維持
アントシアニンにはロドプシンの再合成を助ける作用があります。ロドプシンとは目の網膜にある紫色の色素で、ロドプシンに光が当たることによって、目が見えることを認識します。
ロドプシンは光に当たることによってビタミンAに分解され、再びロドプシンを合成します。
この作用によって眼精疲労を回復し、視力を改善 する働きがあるとされています。
アントシアニンは網膜に張り巡らされた毛細血管の保護・強化作用、血液循環を向上 させる効果や、角膜・水晶体に含まれるコラーゲンを安定させる 働きもあるそうです。
美肌効果
コラーゲンは皮膚の弾力を安定させる蛋白質であるので、アントシアニンによるコラーゲン合成促進作用によって傷の修復を早める 作用もあります。
抗酸化作用があることから紫外線による肌の老化防止 に期待があり、美肌効果があると言えます。
糖尿病合併症の予防
糖尿病の三大合併症の一つとして糖尿病性網膜症があります。糖尿病の合併症は、血糖コントロール不良が続いた結果、血管トラブルによって引き起こされます。
その血管トラブルによって網膜剥離などの目のトラブルを起こしてしまいますが、アントシアニンには予防効果が期待されているのです。
アントシアニンの一種であるディルフィジニンには血管のトラブルを正常化する効果が高いとされています。ディルフィジニンは「マキベリー」に豊富に含まれております。
アントシアニンはビタミンPに似たような働きもあり、毛細血管を丈夫に保つという側面からも、糖尿病の合併症による網膜症や神経障害を予防 ることに期待があります。
そして、抗酸化作用があることから糖化による糖尿病の合併症を予防 すると言えます。
老化防止
アントシアニンには抗酸化作用 があります。
目をはじめとする身体の老化や種々の疾患を活性酸素を除去することによって予防することが期待されています。
活性酸素は紫外線やストレスによって体内に沢山発生し、大量に発生すると癌や脳卒中、動脈硬化を引き起こすと言われています。
アントシアニンはビタミンCより安定した抗酸化作用 を持っており、この中でもブルーベリーが持っている抗酸化作用が一番強い と言われております。
ビタミンP様作用
アントシアニンにはビタミンPに似た作用も持っております。
ビタミンPとはビタミンに似た働きを持ったフラボノイドです。毛細血管は適度な透過性が保たれている必要があります。
血小板の凝固を抑制する働きもあるので、血管の保護及び強化、循環器機能の改善 が期待されます。
アントシアニンには血行を高める作用がある為、潰瘍などの粘膜の欠損を埋める 作用があります。
抗炎症作用
アントシアニンには炎症を抑える 働きも確認されております。
アントシアニンが炎症を抑える効果はアスピリンの10倍もの効果があります。
アスピリンは頭痛、生理痛、関節痛などの鎮痛効果及び抗炎症、解熱作用がありますが、副作用として胃腸障害を起こしてしまいます。
アントシアニンには薬のような強い副作用がありませんので、胃腸に負担をかけずに効果を発揮することが出来るのです。
花粉症予防
アントシアンにはヒスタミンの量を抑える働きがあることが知られるようになってきました。
この働きによってアントシアニンは花粉症による様々な不快な症状を軽減する ことが明らかになっています。
1日あたりの摂取量及び注意点
アントシアニンの1日の摂取目安量は約40~90g とされています。
生ブルーベリーでいうと60~300g位となります。
特に副作用や過剰障害についての報告はありませんが、ブルーベリーにはタンニンが含まれています。
タンニンを多く摂取しすぎると胃痛や便秘、貧血を起こしやすくなります。出来れば毎日摂取することが望ましいですが、くれぐれも過剰摂取にはご注意下さい。
まとめ
アントシアニンの働きについてまとめます。
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目の栄養と言われるアントシアニンですが、様々な健康効果をもつ栄養成分です。
ただ、摂りすぎはタンニンを多く摂ることにも繋がるため、1日あたりの摂取量は守りましょう。