サーチュイン遺伝子スイッチON!「レスベラトロール」

レスベラトロールは、赤ワインに含まれているポリフェノールの1種であり、ブドウの皮やピーナツの皮に多く含まれている成分です。

サーチュイン遺伝子と呼ばれる長寿遺伝子は、近年の研究によって発見され、人類が飢餓を生き抜くために備えた遺伝子の一つとされています。

飽食である現代においては、サーチュイン遺伝子がOFFとなっていますが、このサーチュイン遺伝子をONにすることによって様々な効果を享受出来ると言われています。

つまり、カロリー制限によってサーチュイン遺伝子がONになることが実験によって解明されていますが、カロリー制限をしなくても、サーチュイン遺伝子をONにする成分が発見されたのです。

それがレスベラトロールです。





 

レスベラトロールの働き

レスベラトロールには次の働きがあることが知られています。

  • アポトーシスの抑制
  • 脂肪燃焼効果の増強
  • 認知症予防
  • 抗酸化作用
  • 糖尿病、肥満、動脈硬化の予防
  • 免疫力を高める

 

アポトーシスの抑制

サーチュイン遺伝子は長寿遺伝子であることから若さを保つ効能があると言われます。

人間の身体には約60兆個もの細胞があり、それぞれの細胞が死滅することによって老化が進みます。

この遺伝子に予めプログラムされた細胞死はアポトーシスと呼ばれています。

細胞死滅後は新陳代謝によって新しい細胞に入れ替わりますが、心臓や脳は細胞があまり再生しない組織の為、アポトーシスが老化の重大な問題となってしまいます。

レスベラトロールは、サーチュイン遺伝子を活性化する働きがある為、アポトーシスを抑制し、これによって老化を遅らせることが可能と考えられています。

 

脂肪燃焼効果の増強

人間の身体の約60兆個のそれぞれの細胞の中にはミトコンドリアが存在しています。

ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを産生する役目がありますが。老化するとミトコンドリア数が減少してしまいます。

ミトコンドリア数が少なくなると、ミトコンドリア自体の力も弱ってしまいます。

ところがレスベラトロールにはミトコンドリア数を増やす働きがあり、数が増えることによって活性化されるので、全身の脂肪燃焼効果が増強されると考えられます。

 

認知症予防

レスベラトロールには認知症や物忘れの予防に効果的と言われています。

脳の神経は成長するにつれて数が減り、増えることはないと言われてきました。

ところが近年、脳細胞は成長した後も新たに生まれ続けていることが分かるようになりました。

つまり、レスベラトールによりアポトーシス(神経細胞の細胞死)が減るばかりではなく、新しい細胞が生まれてくる可能性があると言われているのです。

 

抗酸化作用

レスベラトロールはサーチュイン遺伝子をONにすることによって、活性酸素を消去する動きが出始めることが知られています。

活性酸素によって様々な臓器の機能を低下し、しみやシワ、たるみ、白髪などの老化現象を予防する働きがあると言われています。

また、抗酸化作用によって、癌や生活習慣病の予防にも役立てることが出来ます。

 

糖尿病、肥満、動脈硬化の予防

レスベラトロールはサーチュイン遺伝子をONにすることによってインスリンの効きを良くすると言われます。

インスリンは血液中の糖分を筋肉に取り込み、エネルギーに変換させることによって血糖値の上昇を防ぐ役目があります。

このインスリンの効きを良くするにはアディポネクチンによるインスリン感受性促進効果が関与しています。

インスリンは太るホルモンであり、過剰分泌により体重増加を招いてしまいます。

レスベラトロールは食後の急激な血糖値上昇を抑えるとともに、インスリンの過剰分泌抑制により、糖尿病や肥満の予防に役立ちます。

更にアディポネクチンには動脈硬化を予防する働きもあるとのことです。




 

免疫力を高める

動脈硬化は免疫細胞が血管壁に入り込み、引き起こされるのも原因のひとつとなっています。

レスベラトロールの摂取によってサーチュイン遺伝子のスイッチがONになると免疫細胞の暴走が抑えられるので、血管壁への免疫細胞の蓄積を防ぐことが可能になることが知られています。

レスベラトロールは、乳癌細胞のMHC(主要組織低合遺伝子複合体)クラスI関連蛋白質であるMICA及びMICBの発現を高めると言われます。

MICA及びMICBは、癌細胞を攻撃する免疫細胞が癌細胞を見つける時の目印となるものです。MICAとMICBが上昇するとNK細胞により癌細胞の殺傷を促進します。

レスベラトロールは、MICAとMICBの発現を抑制するマイクロRNA(遺伝子発現を抑制するRNA)のmiR-17を抑制することによって、MICAとMICBの発現を上昇させます。

つまり、レスベラトロールは乳癌患者に対し、免疫力を高める可能性があると言われます。

 

1日あたりの摂取量及び注意点

レスベラトロールの1日あたりの摂取量はサプリメントによって開きがあるのではっきりしておりません。

どの成分でも摂りすぎは禁物なので、各商品の推奨量を守っていただくと良いでしょう。

医薬品との相互作用についても情報不足の為、主治医に相談することをお勧めします。

 

レスベラトロールを含む食品

レスベラトロールを含む食品には、赤ワイン、ピーナツの皮の他に、マルベリー、ワインパミスに含まれています。

 

まとめ

レスベラトロールの働きについてまとめます

  • アポトーシスの抑制
  • 脂肪燃焼効果の増強
  • 認知症予防
  • 抗酸化作用
  • 糖尿病、肥満、動脈硬化の予防
  • 免疫力を高める

レスベラトロールは、サーチュイン遺伝子を働かせることによって老化防止に期待のある成分ですが、サプリメントで補給する場合は使用量を守るようにしましょう。

 
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